きなこや小豆も…ニッポン各地のお雑煮を作ってみよう!【レシピ付き】
愛知在住フードライターの瀬山野まりです。お正月の料理といえばおせち、そしてお雑煮が定番ですよね。お雑煮は簡単でおいしく、お餅があることで腹もちもしっかりある一品です。お雑煮は全国で統一されているわけではなく種類は数多くあります。今回は全国の個性が出ているさまざまなお雑煮の中から一部ご紹介します。
お雑煮は地域によって千差万別
お雑煮は地域の個性が色濃く出る料理の一つです。角餅か丸餅か、焼くか煮るか、すまし汁か味噌か、など多岐に渡ります。それぞれの地域で生産している食材、気候、風土によって内容も様変わりしており、お雑煮を見ることでその地域の歴史とともに地域の特徴を垣間見ることができます。
名古屋のお雑煮
名古屋のお雑煮は愛知の伝統野菜であるもち菜と角餅をすまし汁で頂くというシンプルなものです。ここに鶏肉を加えることもあります。すまし汁でのお雑煮は全国でもさまざまな地域で見られます。
【材料】(2人分)
もち菜(なければ小松菜) 適量
角餅 2個
出汁 適量
醤油 適量
かつおぶし 適量
【作り方】
- もち菜をゆでた後、ざく切りにする。
- 出汁を醤油で味を整え、角餅を入れて煮る。
- 角餅が適度な柔らかさになったらもち菜とともに椀に移し、かつおぶしを載せる。
<ポイント>
もち菜の栽培は天候に左右されやすく、小松菜をもち菜と呼んでいる地域もあることから、もち菜を見かけることも少なくなってきました。小松菜よりも柔らかく苦味が少ないもち菜は正月菜とも呼ばれ、非常に食べやすい野菜です。もし見かけたらぜひ買ってみてください。
きなこ雑煮
主に奈良県で食べられているお雑煮です。丸餅の他、里芋、大根、豆腐、白味噌などの白い食材と、餅を付けるきなこを用意することが特徴です。真っ白にする場合もあれば、人参を加えることもあります。
【材料】(2人分)
丸餅 2個
里芋 2個
人参 2cm
豆腐(ミニ) 1パック(150g)
大根 2cm
白味噌 適量
出汁 適量
きなこ 大さじ1
砂糖 小さじ2
【下準備】
里芋は皮を剥き、水をはった鍋に入れて沸騰させ、沸騰後5分してから取り出してください。取り出した里芋を水で洗いながらぬめりを取ります。
【作り方】
- 下処理をした里芋、大根、人参を輪切りにして角を整える。
- 出汁に(1)を入れて火に掛ける。丸餅はオーブントースターで焼く。
- (2)の具材が柔らかくなったら白味噌を溶き、さいの目にカットした豆腐を入れてひと煮立ちさせる。
- 椀に焼いた丸餅と(3)を入れ、砂糖と混ぜたきなこを横に置いて完成。
<ポイント>
里芋を下処理せず使うと粘りのある灰汁が泡となって鍋を覆うほど出ることがあります。下処理をすることで灰汁を取り除き、白さを保つのでできるだけ行いましょう。
お餅は椀から取り出しきなこに付けていただきます。
小豆雑煮
主に鳥取県や島根県で食べられているお雑煮です。甘く煮た小豆のお雑煮で、ぜんざいと同様のものが多いですが、出汁を入れたものもあります。
【材料】(2人分)
ゆで小豆 適量
丸餅 2個
【作り方】
- ゆで小豆を水で溶き鍋で加熱する。
- 別の鍋で湯を沸かし、丸餅を柔らかくなるまでゆでる。
- 椀に(1)(2)を盛って完成。
<ポイント>
時間があればぜひ小豆から煮て本格的に作って出汁と合わせてみてください。甘さがぜんざいよりも抑えられ、小豆のほろほろとした食感が楽しめます。
各地のユニークなお雑煮たち
全国には多種多様なお雑煮があり、それぞれ違いがあります。
福岡県の一部では蒸し雑煮という茶わん蒸しの中にお餅が入っているお雑煮があります。
香川県のあん餅雑煮は白味噌ベースで大根、人参などのお野菜とともにあんこの入ったお餅、あん餅が入ります。
あんこと味噌がまさかのハーモニー…正月以外も食べる香川の「あん餅雑煮」
広島県では牡蠣が入り、岩手県ではくるみだれを使うといったその土地での特色が見られるお雑煮も数多くあります。
お餅をたくさん用意してしまい余ってしまったというときや、たまには違うお雑煮を食べてみたいというとき。そんなときはいつもと違った他の地域のお雑煮を試してみてはいかがでしょうか?
<お知らせ>
現在、東海ラジオ「タクマ・神野のど~ゆ~ふ~」(平日午前9時から正午放送)内の「教えてど~ゆ~ふ~」(月曜午前10時~)というコーナーに出演し、食をテーマにしたお話をさせていただいております。とても楽しい番組なのでよかったらぜひご視聴ください。
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