お正月頃から、寒い時期にはよく食卓に登場するお餅。この代表的な料理のひとつに「お雑煮」があります。雑煮は家庭によって様々な作り方がある「母の味」ですが、地方によっても特徴が少しずつ違うようです。その中でも、筆者が驚いた「茶わん蒸しに餅を入れて完成」という、とても個性的な地域のお雑煮をご紹介します。

福岡県の中央部・筑前朝倉地域にある個性的な「蒸し雑煮」

お雑煮を「地域の味」として観光協会が商品化しているのが、福岡県朝倉市の「蒸し雑煮」。

蒸し雑煮の商品説明書きの案内によると、卵が貴重だったその昔、お正月には「茶わん蒸し料理」が食卓にのぼることが御馳走だったそう。この中に餅を入れたことで豪華になり、好評だったことからこの形が広まったのだとか。

「蒸し雑煮」を開封してみると、中には鶏肉やシイタケなどの野菜・だし汁が入ったレトルトパウチとお餅が入っています。これらと卵を混ぜて、レンジでチン!5分ほどで餅入り茶碗蒸し「蒸し雑煮」が完成します。

これがお雑煮?!と驚かれるのはこの地の“あるある話”のよう。他エリアから嫁いだ嫁にこのお雑煮を振舞うと「ええっ!?」と驚く!というのは、よくあるエピソードなのだとか。

同じ福岡県内でも、少しこの地域から離れると「知らなかった」「初めて聞いた」という声もあり、地域ごとに馴染の味が微妙に違っているようです。

広島では「すまし汁系」のお雑煮が定番!

ちなみに、筆者は広島生まれ・広島育ち。(沿岸部)

農林水産省が紹介している「全国お雑煮ガイド」によると、広島はすまし汁に輪切りの野菜・牡蠣・ブリなど海の幸を入れた贅沢なお雑煮にするのが特徴とあります。

画像は牡蠣が入った広島の雑煮イメージ

我が家では、鶏肉や季節の根菜・葉野菜に、柔らかく煮たお餅。そして、確かに時々 牡蠣も入っていました。

お雑煮は、お祝いの意味も持つ料理のため、地域の特産(ごちそう)を入れるなど、その地らしさが出やすいお料理なのかもしれませんね。