あんこと味噌がまさかのハーモニー…正月以外も食べる香川の「あん餅雑煮」
香川県高松市在住のたべぷろ編集部員 しまだ ゆうです。香川県には、お雑煮が二種類存在します。一つが、全国各地で食べられている普通のお雑煮。そして、もう一つが、香川県の郷土料理でもある「あん餅雑煮」です。香川県では当たり前の「あん餅雑煮」ですが、食べたことがない人にとっては、想像する事が難しいようです。今回は、香川県の郷土料理「あん餅雑煮」を紹介させていただきます。
味噌の濃厚さと、あんこの甘さが…
「あん餅雑煮」は、白味噌を使用した味噌汁に大根と人参、それからあん餅を入れたものです。
味噌とあんこ。この二つだけを想像すると、どのような味になるのか想像するのが難しいかもしれません。味噌の濃厚さと、あんこの甘さ。口の中では、どっちの味が勝つのだろうか。香川県民である私でも、冷静に考えてみると不思議な気持ちになります。
しかし、一度食べてみればご理解いただけると思うのですが、味噌とあんこのハーモニーは想像よりもずっと、ナイスです。
味噌とあんこ、どちらも主張が強いものですが、一緒に食べることによって双方がいい感じに主張を譲り合うのです。まさに、ハーモニー。
正月ぐらいは贅沢をしたいと…
「あん餅雑煮」の歴史は古く、江戸時代末期までさかのぼります。当時の高松藩は塩、砂糖、木綿の3品目を「讃岐三白」と称して特産品としていました。
特に砂糖には力を入れていて、香川県の特産品として有名な「和三盆」の製造に成功したのです。
しかし、当時の砂糖は高級品。そのため、庶民にはなかなか手が出ませんでした。自分たちで作ったものなのに食べられない。それならば、せめて正月ぐらいは贅沢をしたい、と考えて作られた料理が「あん餅雑煮」だといわれています。
また、当時は白味噌も高級品だったことから、庶民にとって「あん餅雑煮」とは贅沢品と贅沢品を合わせた年に一度の楽しみだったのです。
一年中食べられるの?
お雑煮といえば、お正月の料理です。あん餅雑煮も、江戸時代の末期からお正月の料理として親しまれて来ました。
しかし、郷土料理である「あん餅雑煮」は一年中食べられます。もし、香川県に旅行で来られたときは是非一度、味噌とあんこのハーモニーを堪能してください。
香川県内の甘味処には、「あん餅雑煮」を提供しているお店が数多くあります。うどん県としてすっかり有名になった香川県ですが、「うどん県、それだけじゃない香川県」という標語通り、まだまだ全国の方に知ってほしい郷土料理や特産品がいっぱい存在します。その一つが味噌とあんこのハーモニー「あん餅雑煮」なのです。
グルメ好きな皆様にとって香川県が行ってみたいと思える県になるように、これからも香川県のグルメを紹介していきたいと思います。
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