レッシーニ・ドゥレッロ・ワイン保護協会は6月28日、東京・銀座の天ぷら一宝で、専門紙を対象に日本料理とのカップリング夕食会を行った。林茂イタリアプロソムリエがコーディネイトし、前菜からデザートまで全てをドゥレッロのスプマンテ(スパークリングワイン)に合わせた。天ぷら油と発泡性ワインのスッキリした飲み口が絶妙で、今回はワインの特徴をつかみやすいように天つゆではなく、スダチと塩で合わせた。

ミネラル含むテロワールが特徴

アルベルト・マルキジオ同協会会長は「ドゥレッロ地域はヴェネド州ベローナとビチェンツァ県にまたがる400haの火山性土壌でミネラルを含むテロワールが特徴だ。テイスティングの8品中、5人の生産者が来日している。天ぷらとの相性を楽しんでほしい」とあいさつした。

ドゥレッロワインはスティルワインのDOCソアーベと重なる生産地域で作られるスプマンテ。ソアーベ同様に、製法によってスプマンテだけでフレッシュ感や熟成感を表現でき、食前から食後まで一貫して楽しめる可能性が高いワインだ。

同スプマンテは年間約65万本を生産。そのほとんどがブドウの良さがそのまま表れるタンク内で二次発酵するシャルマー法によるもの。瓶内二次発酵するメトドクラシコ(シャンパン方式)による製造は、わずか3万5000本にすぎない。

ブドウ品種は100%ドゥレッロで3品は日本未輸入製品。メンマーデ社の「カ・ドール ブラン・ド・ブランミッレジマート ブルット2016」は、トロピカルな飲み口と後味のライム感が特徴で、ブドウの良さを引き出すために作ったワインといえる。食前酒や魚料理に最適だ。

フォンガーロ社は創業42年と今回来日した中で最も古いワイナリーで、88年から有機認証を取得する。歴史は古いが試飲した「リゼルヴァ パ・ドゼ2012」の裏面ラベルをスマホにかざすと、ソムリエが動画でワインの特徴を解説する最新のAR技術を採用している。

トネッロ社のブルットは瓶内で36ヵ月の二次発酵後、今年2月に上市した。すでに「デキャンタ・ワールド・ワイン・アワードで96点」の評価を得ている。

◇日本食糧新聞の2017年7月5日号の記事を転載しました。