皆様、良い新年をお迎えでしょうか。本年もどうぞよろしくお願いいたします。
新年に何かを買ったり変えたりする人は多いそうです。そんなに大きなことでなくても、例えば気持ちも新たに、お箸を新調してみるのもいいですね。
お箸で食事をする人口は世界で約30%なのですが、中でも日本は自分用のお箸を持つ唯一の国です。成長とともに箸を変え、慶事や仏事などシーンごとに使い分けるのも日本だけの文化なんですよ。ですから、自分の手に合うお箸や良質のお箸を選ぶことも美しい箸づかいを作る第一歩なんです。お子様のお箸もチェックしてあげてくださいね。

自分に合った箸の長さは?

まずは長さの目安です。人差し指と親指を直角を作るように伸ばして、指先と指先を結ぶ直線を咫(アタ)といいます。箸の長さはアタの約1.5倍。その長さだと、手に負担があまりなく持ちやすいし動かしやすいのです。

イラスト提供 兵左衛門

ただ、これはあくまでも目安です。実際持ってみて持ちやすいものを選んでも構いません。特に子供の頃は手指の長さが短いし手先の動きも万全でないので、短めの箸を選ぶのも一案です。

また、箸の長さは身長から見当をつけることもできます。これもあくまでも目安です。

<箸サイズ/身長/年齢>
13cm/100cm以下/~2歳
14.5cm/100~110cm/3~4歳
16cm/110~120cm/5~6歳
18cm/120~130cm/7~9歳
※兵左衛門サイトから筆者作成

お箸は1歳からでも

「箸を持つ練習は、何歳くらいから良いのでしょう?」と私はよく聞かれますが、年齢は全く関係ありません。

しいて言えば、早ければ早いほど、1歳からでも持たせることをお薦めします。もちろん、まだ正しく持てないのですが、幼い頃から持ち慣れていると、手指の発達にも繫がりますし、いざ正しく持とうという時に嫌悪感を抱きにくいのです。

お箸はナイフやフォークよりも数段難しいので、イライラしないで根気よく教えてあげることが肝心です。

自分用のお箸を買う時は、お子様本人に選ばせましょう。モノを大切に扱う習慣に繋がります。つい絵柄が派手だったりキャラクターの箸や形の面白いものなど選びたくなりますが、お箸は口をつけて、噛んだりするものなので、できれば自然素材の箸がお薦めです。

小さいうちはガシガシとかじってしまったりするので、箸先の塗りはすぐに剥がれてしまいがち。ですので、表面だけでなく、芯まで自然な素材かどうか材料を確認しましょう。箸先が滑りにくい施しがされている箸も使いやすいので良いでしょう。ちょっとザラザラしているので滑り止めがあるかどうかは一見してわかります。

箸置きも一緒に使いましょう

箸とともに、箸置きも一緒に買ってみるのもお薦めです。箸置きを出さないご家庭は増えていますが、箸置きは日本発祥なのです。私が子供の頃、料理に合うお箸置きを選ぶのも楽しいお手伝いのひとつでした。

食事に向き合う心の準備ができるので、良い教育になったように感謝しています。毎日使うものだからこそ、こだわって愛着をもつことも心が育まれる食卓になるのではないでしょうか。

日本ではお箸はもともと神様用で高貴なものだったのです。是非、楽しみながら、自分用の大切な一膳を選んでみてくださいね。