カロリーを控えすぎると…食べないダイエットは危険
私も中学時代から大学時代まで食べないことがダイエットだと思い、体重を減らしたいときはかなり食事制限や我慢をしていました。現在、スポーツ栄養士として高校女子アスリートのサポートもしていますが、スポーツをしているのにも関わらず私よりも食べる量が少なくて驚きました。食べないことでスリムな身体になりそうですが、実は様々な健康の弊害を引き起こします。また、スポーツをしていない女性にも起こりうることです。
食事制限で超省エネ体質になり…
ダイエットをするときにはカロリーを制限する食事方法が一般的になっていますが、私たち人間は生きていくためにはカロリーが必要です。食べ物から得たカロリーで身体や臓器の活動、新陳代謝(細胞の作り変えなど)が行われています。
しかし、食べ物から得られるカロリーが少なすぎる場合、身体は少ないカロリーでも機能するようにカロリーを無駄遣いしない省エネ体質になってしまいます。特に女性のスポーツ選手に多くいます。
さらに、極端な食事制限が日常的になってしまうとカロリーやあらゆる栄養素が不足した「超省エネ体質」になってしまします。
疲労骨折や無月経を引き起こすリスクも
極端な食事制限が続き超省エネ体質になっていると、代謝機能、ホルモンや摂食バランスなどが崩れやすく、精神状態にも影響します。
女性のスポーツ選手の健康問題として、女性アスリートの三主徴「low energy availability(利用可能エネルギー不足)・無月経(運動性無月経)・骨粗しょう症」があり、特に昨今10代の選手に広がる問題です。月経の異常により疲労骨折を引き起こすリスクが高いことも明らかになっています。
一般の女性でも、極端な食事制限を続けると無月経が起こりえます。月経異常は生理や妊娠などにも影響を与えるものですので、痩せたい!からといって、やみくもにカロリーを減らす方法はおススメしません。
あなたの「食選力」は、身体に必要なものを選べていますか?
ある女性のスポーツ選手が、「体重を増やしたくないので、重さが軽いポテトチップスなら食べられます」と言っていました。
痩身系のスポーツをしている選手でしたが、3度の食事はあれもこれもダメ、食べないとそぎ落としているのにも関わらず、チョコやポテチは食べて体重が落ちませんと話をしていました。こう答える選手が本当にたくさんいます。
ですが、彼女たちに食事をそぎ落とす方法を教えたのは私たち大人ですから、大人も「減らす」という食事の選び方は見直すべきではないでしょうか。
減らすという選択は、過剰の時には効果を発揮するでしょう。しかし、減らし方が間違っていると、身体の機能を維持するために必要なものも減らしてしまっているかもしれません。減らすという方法では、何を減らすべきなのか、これを慎重に選ぶ力が必要です。
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