愛知在住フードライター瀬山野まりです。愛知で生まれ、愛知で育ち、愛知のグルメに触れて今に至ります。今回は名古屋メシとしても有名な「きしめん」についてご紹介します。きしめんをおいしくいただくコツや味わいなど、きしめんの魅力についてお伝えします。

きしめんとは?

きしめんとは平たい形状の主に小麦粉を原料とした麺のことであり、日本農林規格(JAS)では乾麺のきしめんは幅4.5mm以上、厚さ2.0mm未満の帯状に成形したもの、と定義されています。名古屋きしめんと表記する場合には幅5~7mm、厚さ1.5mm未満となり、より平たい形状となります。

うどんの長径が1.7mm以上としているので、幅はうどんの倍以上。ひやむぎは長径1.3mmから1.7mm、そうめんは1.3mm未満と定義されるため、並べてみるときしめんの幅広さがわかります。原材料はうどんとほぼ同様で、平打ちうどんとも呼ばれます。群馬県のひもかわや岡山県のしのうどんなども含まれます。

きしめんを作るコツ

うどんよりも短く、蕎麦よりも少しだけ長い茹で時間

一見太いように見えるきしめんはうどんよりも長い茹で時間が必要かもしれない、と思われる方もいるでしょう。実はきしめんは一般的にうどんよりも茹で時間が短いです。平たいことで中心部までの長さはさほどなく熱が通りやすいのです。

乾麺のうどんが15分前後とすると、きしめんは約半分の8分ほどとなります。形状によっては5分ほどで茹であがるものもあり、あっという間です。太いからといってうっかり長時間茹でてしまうと茹ですぎになります。購入したきしめんのパッケージに書いてある作り方の茹で時間をしっかりチェックしてくださいね。

くっつきやすいので投入直後はやさしくかき混ぜて

平たいきしめんは麺同士でぺたりとくっつきやすい性質があります。湯にそっと投入したあとは、箸でゆっくりと混ぜるのを忘れずにしてください。少ししんなりしたら菜箸でやさしくさばいてください。

つゆは少し濃いめの味付けを

きしめんは形状から口に含んだときのつゆの割合が少なくなります。そのため、通常のつゆと同様に作ると少々薄く感じることがありますので、少し濃いめにするとちょうど良い塩梅となります。名古屋は多少甘さがあるつゆとなっており、関西風、関東風の中間のような味わいです。

きしめんのお味は?

きしめんの、この平たい麺は口に含むとその形状の意味がよくわかります。非常につるつるとした食感がわかりやすく、食べ心地が良いのです。それでいて幅があるため食べ応えもばっちり。

名古屋きしめんは、名古屋に限らないとは思いますが、鰹節を乗せることが基本です。たっぷりと乗せた鰹節が食べていく間につゆに沈み込み、旨みと香ばしさに厚みが増していきます。時間とともに変わる味わいを楽しめることも良いですね。

さいごに

名古屋メシと聞いてきしめんを思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。古くから食されているきしめんは今でも多くの人に愛されています。名古屋に来たらぜひおいしいきしめんを食べてみてくださいね。