ボンジョルノ!イタリア在住フードライターの鈴木奈保子です。今回は、イタリア料理の基本の基本パスタのゆで方についての話題です。パスタだけでなく、日本でも乾麺はたっぷりのお湯で茹でるというのが常識ですよね。ところが常識に反して、冷たい水に入れて最初から茹でるとどうなるか?を検証してみました。もともと簡単なパスタ料理が、さらに時短できれば、仕事帰りで忙しいママに大助かりですね。では、一体どうなったかというと・・・

イタリアではパスタは大きな鍋で茹でるのが常識!水戻しパスタ、電子レンジはNG

イタリアは各地方ごとの特色ある伝統的な料理を、いまだに大切に受け継いでいる食文化の豊かな国です。最近では寿司ブームが起こるなど、かなりグローバリゼーション化が進んでいますが、それでもイタリア人にとって一番美味しい料理は、おばあちゃんやママが作る伝統的な家庭料理です。

イタリアで定番のトマトのパスタだって、100年前のイタリア人が食べていたものと同じレシピで、同じやり方で作ります。少し前に日本では水戻しパスタが流行になったようですが、イタリアでは全く話題にもなりませんでした。電子レンジでパスタを茹でるなんて問題外。まず、電子レンジ自体が日本のように普及していません。

新しい方法をいろいろ試すよりも、慣れたやり方が一番、パスタはお湯で茹でるものなのです。時短なんて問題外。慣れているから、問題ではないのです。

パスタの正しいゆで方に反して冷たい水でゆでてみると?

そんな食に保守的なイタリアで、最近「パスタを水から茹でると、節約できて美味しくできた!」という革新的な料理ライターの記事を発見しました。

確かにスパゲッティに限らず、日本でも乾麺はすべて沸騰したお湯で茹でるので、考えたこともなかったけれど、冷たい水で茹でたらおいしくできるのか、私も早速検証してみました。

【材料】
スパゲッティ 400g
水 2L
塩 2つまみ

【作り方】
1. スパゲッティが横にすっぽり入るくらいの大きなフライパンに、水とスパゲッティ、塩を入れて火にかける。

2. 沸騰したら、さっとかき混ぜるようにパスタをほぐして、火を弱めて調理を続ける。

3. パスタメーカーの指示時間より少し早めに茹で具合を確認して、ちょうどよいところで火を止めてできあがり。

パスタ用の鍋がいらない!水もガス代も節約

結果から言うと、水から茹でてもお湯から茹でるのと同じように出来上がりました。しかも、デメリットは特になく、メリットのほうが多いことを発見しました。

細長いスパゲッティを、すべて水に浸して茹でようと思うと、パスタ用の鍋だと水が大量に必要なので、大きなフライパンのほうが便利です。パスタ用の鍋は大きくて結構場所をとるので、フライパンで済むのがまずうれしい!

そしてフライパンでゆでる水の量は、いつもパスタ鍋で茹でる場合に比べて約半分です。沸騰するまでの時間が短くなるので、水もガスも節約できます。

そして、水から茹でるとスパゲッティ同士が、なぜかくっつきません。普通、スパゲッティをお湯に入れる場合、きちんとかき混ぜないと麺がくっついて、団子状になってしまいますよね。どういうわけか、水の場合は固まって入れているのに、全く、くっつきませんでした。

ということは、パスタのフライパンを火にかけたあと、本当にほったらかしでいいのです。もちろん沸騰したあと、少し火を弱める必要がありますが、それだけです。急いでいるときにお湯が沸くのを、いらいらしながら待つ必要がありません。

またパスタの茹で時間も、表示より1~2分早めに茹であがります。しかも、もっちりとしているのに、中はちょうどいいアルデンテ具合で、本当に美味しくできあがりました。

目からうろことはまさにこのこと。伝統ももちろんいいけれど、いい方法があればどんどん取り入れていくべきだと思います。この冷たい水から茹でるパスタの調理法、特に忙しいママにはおすすめです。ぜひ、試してみてください。