須賀川名物かっぱ麺!きゅうりの名産地ならではのおいしい食べ方【毎月11日は、麺の日】
料理研究家の松本葉子です。ホームグラウンドは関西ですが、福島が大好きで年に数回は訪れます。そんな中、今年初めて知ったのが「かっぱ麺」。きゅうりを使って作られているというユニークな麺です。淡い緑色が美しく、ほのかに香るきゅうりの風味も心地よし。
日本屈指のきゅうりの生産地である福島県須賀川市で生まれたかっぱ麺は、自信をもっておすすめできるニッポンのおいしい食べ方のひとつです。
きゅうりのおいしさを知り尽くしているからこその新発想麺
須賀川市の中でも岩瀬地区はきゅうりの大産地。特に夏秋きゅうり(地植え)は、市町村別収穫量で何度も日本一に輝いています。
味の良いことでも知られる、この須賀川のきゅうりを使った名産品として誕生したのが「かっぱ麺」。きゅうりは河童の好物というところから名づけられました。
きゅうり由来の緑色をしたかっぱ麺ですが、単にきゅうりを練りこんだ麺というわけではありません。なんと小麦粉を練る時に、水ではなくきゅうりのしぼり汁だけを使って練り上げているんです。麺をよくみるときゅうりの細かい粒も混じっていますよ。
須賀川市には「かっぱ麺」を食べられる店が20店もある!
「かっぱ麺」は、須賀川市内の「つれづれ庵」「大黒亭」「ニュー芭蕉苑」など、20ものお店で味わうことができます。(※記事掲載現在)
基本は、須賀川産きゅうりのしぼり汁だけで練って作った麺(きゅうり麺)に、新鮮なきゅうりをメインにした具材をトッピングしたぶっかけ風の麺料理。各店自慢のだしに加え、特製の味噌がアクセントです。
器は須賀川特産の江持石の粉を配合して作られた、「かっぱ麺」専用どんぶりを使っている店が多いのですが、きゅうり以外の具の種類や盛り付け方などが店によってかなり異なるため、見かけはまったく別の料理のよう。だからこそ「かっぱ麺」の食べ歩きはとても楽しいんです。
参考サイト:
福島県すかがわ岩瀬農業協同組合(きゅうり)
須賀川かっぱ麺の会
須賀川名物!かっぱ麺 高橋製麺
かっぱ麺には、家庭で手軽に楽しめる乾麺も用意されている
そして特筆すべきは、かっぱ麺には、一般向きの乾麺もあること。
この乾麺、福島では手に入りやすいのでお土産に買って帰るのがおすすめですが、製造元の高橋製麺や井桁屋本舗から取り寄せることもできます。
こちらは高橋製麺の「かっぱ麺」。ところが、こちらでは「きゅうり麺」という製品も販売しています。なにが違うのでしょうか。
乾麺にだしと特製みそがセットされているのが「かっぱ麺」。ごまだれスープがついているのが「きゅうり麺」となっているようです。
井桁屋本舗の乾麺だと、「かっぱ麺」と「岩瀬きゅうりのらーめん」の2種類があります。
これらの乾麺は温麺で食べてもおいしいですが、きゅうりの色と香りを楽しむにはやはり冷製の方が良いようです。
茹でて水洗いした麺に付属のだしをかけ、味噌をトッピングするとこんな感じ。
具はもちろんきゅうり。しゃきしゃきした食感が楽しめるような切り方にしてたっぷり添えてみました。
きゅうりの色と風味は洋風のアレンジにもぴったり
きゅうりは、中華風の冷麺などにも欠かせない具材ですよね。なので、「かっぱ麺」もごま油や酢、中華タレにも相性よし。
そして、実は“オリーブオイル&塩”も、かなーりおすすめなんです。茹でて水洗いし、氷水で締めてから上質のエキストラバージンオリーブオイルと天然塩をからめます。冷製パスタの要領ですね。
色合いを生かしてアンティパスト風に盛り付けてみました。
実は個人的には、だしや味噌だれより、この食べ方が一番きゅうりの爽やかさが楽しめる気がしています。それでいてきゅうり独特の青臭さは抑えられるのできゅうりが苦手な人もこれならおいしく食べられそう。トマトや生ハムともよく合うし、なにより冷やした白ワインにぴったりです。
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「かっぱ麺」目当てに須賀川に出かけるもよし、乾麺を取り寄せて自分で作ってみるもよし。おいしくてヘルシーな「かっぱ麺」は、きゅうり好きはもちろん、そうでなくても試してみる価値がありますよ!
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