時間と手間をかけて作る料理が大好きな料理研究家・松本葉子です。でも時間がない時や体調が悪い時には思いっきり簡単な方法を考えます。ワーママにとっても「無理しないこと」はとても大切。いつも元気なママでいることが子どもたちの笑顔につながりますから。
例えば、毎日のお弁当作り。みんながやっていることだからがんばらなきゃ! とつい無理しがちですが、時には発想を変えて極短時間で子どもたちが喜ぶお弁当を作りましょう!

「自然解凍OK」の冷凍食品で時短&保冷

子ども用のお弁当には、お弁当用に作ったおかずや前の日のおかずの残りをアレンジして詰めることも多いと思いますが、なんといっても活躍するのは冷凍食品。子どもが大好きな揚げ物も少量ずつ作れるのが便利です。

その中でも注目したいのが、最近増えてきた自然解凍可能な商品です。これは、冷凍のままお弁当に詰めれば、お弁当を開ける頃に食べ頃になっているというスグレモノで、調理しなくてよいから圧倒的に時短です。

しかも凍っている間は保冷剤としての機能も果たすので、気温や湿度が高く、お弁当が傷みやすい時期にはぴったりです。

ただし、同じ料理、似たタイプの商品でも、自然解凍不可のものも多いので、必ずパッケージに記載された「自然解凍OK」などの表示を確認して選びましょう

自然解凍可能な冷凍食品を初めて使う時には、加熱しないで食べて平気? 溶けた時べとべとになったりしない? と心配になるかもしれません。

でも安心を。これら自然解凍可能な商品は、一般の冷凍食品とは異なる厳格な規格に沿って製造されていることに加え、無加熱で食べること、夏に常温で長時間保存されることを前提とした、細菌試験や味に関する試験もクリアしています。

最近は種類も増えてきて、揚げ物、焼き物、和え物などさまざまなお弁当用おかずがあるので組み合わせて使ってもいいでしょう。

また少量作ることが面倒な野菜のおひたしや煮物などの和のおかずが多いのも魅力。グリシンカップに入っていてそのままお弁当に入れられるのも便利です。

ちなみに、普段あまり和食を喜ばない子どもたちも、可愛いカップに少量ずつ入っていると抵抗なく食べられます。

冷凍食品を駆使して最速で中華弁当を作ってみました

おかずに使ったのは、自然解凍OKの「唐揚げ」と「エビチリ」、そして「野菜のおひたし」の3種類。

「唐揚げ」と「エビチリ」は、袋から出した時には、下の写真のような感じで、「これほんとに加熱しなくても食べられるの?」とちょっと心配になってしまいます。

お弁当箱に詰めてみると「エビチリ」は1個分だと分量が少なそうだったので2個分を1個のトレイに入れています。これに凍らせておいたプチゼリーとミニトマトも添えてみました。

ごはんも冷凍食品やレトルトを使って簡単に

いつもはお弁当用にご飯を炊いたり、残りご飯を温めたりする方も、時短弁当を作る時には、冷凍のチャーハンやおにぎり、レトルトのご飯を使ってみるのもおすすめ。これらは一度加熱しないと食べられませんが、その間におかずを詰めてしまいましょう。

冷凍のチャーハンやピラフなどを使う時は、野菜を上にのせてレンジにかけると野菜が多めに摂れるのでおすすめですよ。ここではオクラをのせて加熱してみました。

【超時短弁当作りの手順】
1.冷凍ご飯やレトルトご飯をレンジで温め、その間に冷凍食品をお弁当箱に詰める。
2.ご飯を詰めてできあがり。

下の写真は3時間後のお弁当の様子です。白っぽかった唐揚げもちゃんと衣の色が戻っていますし、エビチリはとろりと艶やかなソースになりました。

実際に食べても、普通の冷凍食品を調理したものと変わりません。むしろ油があっさりしているかなという感じ。おひたしは野菜の香りがちゃんとします。保冷効果を差し引いても、かなり使い勝手がいいですね。

子どもの好きな唐揚げとエビチリですが、ごはんをチャーハンにしたことで中華弁当の雰囲気になり、子どもたちの満足感もぐっと高まるでしょう。

自然解凍の和惣菜を使えば、ちょっと大人っぽいお弁当も簡単に

先にも書いたように、おひたし・ごま和え・白和え・ひじき煮・千切り大根煮・きんぴらなど、自然解凍が可能な冷凍食品の和のおかずは種類豊富です。

そのままおかずとして入れてもいいのですが、彩りよくごはんにトッピングするのもおすすめ。いろいろな味を少しずつ楽しんでみましょう。

温めたレトルトの玄米ご飯の上に、インゲンのごま和え、レンコンのきんぴら、ごぼうのきんぴらをトッピングした野菜たっぷり弁当です。

どうしてもお弁当を作るのが大変な時の奥の手は…

思いっきり寝坊した、体調が悪くて起きているのもつらい、お弁当に何を入れるか考えるのも無理…そんな非常時には、ご飯とおかずがセットになった冷凍食品が役に立ちます。

例えば、下の写真の「チキンライスとデミグラスソースハンバーグ」という冷凍食品は、トレイのまま電子レンジ600Wで5分加熱すればできあがり。全部一度に加熱できるのがポイントです。

お弁当箱に詰めるとこんな感じ。いかにも子どもが喜びそうなメニューだと思いませんか?

温めて詰めるだけなら、お弁当を作ったことがないパパでもなんとかなるので、こういったセット冷凍食品をひとつは常備しておくと安心です。

いつもお弁当作りを頑張っているママだからこそ、たまには息抜きを

今回ご紹介したようなお弁当の作り方は手抜きすぎで抵抗があるという方も多いかもしれません。でも頑張り屋のママだからこそ、たまにはこういうお弁当でメリハリをつけることがあってもいいと思うのです。

そして、新しい冷凍食品などをお弁当に取り入れて子どもたちに感想を聞くことは、子どもが喜ぶお弁当作りにきっと役立ちます。