「エリンギ焼き」は普通、サイドメニューの隅に載るような端役だが、「焼肉亭 樽一」の「エリンギ韓塩焼」は、キムチやナムルに匹敵する日販20~30食の人気ぶり。ごま油の香りが心地よく、ニンニクの風味が際立ち、黒コショウのアクセントが絶妙。リピーターのほとんどが、最初に注文する看板メニューだ。

調味の決め手は、盛り付け後にトッピングする「韓塩(かんしお)」。独自配合した塩味調味料をすり鉢ですりつぶし、黒コショウと合わせたオリジナル調味料である。すりつぶすことで塩味調味料の粉末粒子が均等になり、塩味のパンチと黒コショウの香りがバランスよく融合するという。

調理方法は、(1)ボウルにごま油とニンニクペーストを入れ(2)スライスカットしたエリンギをもみ混ぜ(3)皿に盛って韓塩をトッピングする(4)霧吹きで日本酒を吹きかける。

ごま油、ニンニクとエリンギをもみ混ぜる

1990年ごろ、岡昌樹社長が試行錯誤して開発した韓塩は、同店の塩系メニューのすべてに使われており、「これぞ樽一の味」といわれるほど根付いている。

素焼き(別メニュー)の「エリンギ焼」は250円で日販5~10食、「エリンギ韓塩焼」は480円で20~30食。韓塩だけで230円アップ、3~4倍の売れ行きは、業界人がうなるサイドメニューの奇跡だ。

●店舗情報
「焼肉亭 樽一」
所在地=堺市堺区南島町1-1-5

◇外食レストラン新聞の2019年9月2日号の記事を転載しました。