疲れた時には酸っぱいものを食べるとカラダがしゃっきりする気がして、酢を使った常備菜を作り置きしておくことが多い調味料研究家の松本葉子です。
今回は、ヘルシーな調味料である酢と、保存性が良くて便利なのに「使うのが面倒そう」と敬遠されがちな乾物を組み合わせたレシピをご紹介したいと思います。
どれもとってもカンタンだけど、味も見栄えもなかなかですよ。

干し椎茸のお手軽ピクルスは、和風・洋風どちらも美味

まずは干し椎茸。おなじみの食材ではあるけれど、結構高価なんですよね。「どんこ」とよばれる肉厚のものは特に。でもピクルスにするなら比較的安価な小粒のもので十分ですよ。

作り方は3ステップ。

  1. 干し椎茸をやや少なめの水で戻し、石突きを取り除いて適当に切る。←低温で時間をかけて戻すとうま味が増します。
  2. 戻し汁を漉し、好みの酢(ワインビネガーでも純米酢でも)と塩、好みのスパイス(コショウ、クローブ、山椒、唐辛子、マスタードシード、ローレルなど)を加えて味を調える。酸味も塩味も濃いめがおすすめ。
  3. 2に戻した椎茸を入れて一度煮立たせてから漬け込む。←煮る時はアルミ鍋不可。瓶などに移して冷蔵保存を。

酢と塩を強い目にしておけば冷蔵で1週間以上保ちます。おつまみのほか、サンドイッチの具、カレーの薬味、サラダのアクセントなどにどうぞ。

切り干し大根があればユニークサラダもおまかせ

昔ながらの切り干し大根。細いもの太いもの長いものなどいろいろな種類があるので、形状に合わせた使い方がおすすめです。

切り干し大根の煮物以外の食べ方としては、合わせ酢醤油、唐辛子などに漬け込む「ハリハリ漬」がよく知られていますが、今回ご紹介するのはこのハリハリ漬に似た使い方です。

細い切り干し大根はカレー風味の酢漬けに

切り干し大根を軽く洗ってから調味液に漬けるだけ!柔らかい食感にしたい時は、切り干し大根を水戻しして絞ってから使います。

調味液は、水で2~3倍に薄めた酢に塩とカレー粉を加えて煮溶かします。好みで少量の砂糖やスパイスを加えてもok。

*調味液は耐熱容器の中に合わせてレンジ加熱しても。
*ポリ袋などで漬け込むと少ない量の調味液で漬け込めます。

サラダに加えると彩りがよく、独特の食感が楽しめるほか、箸休めやお弁当のおかずとしても重宝します。

太い切り干し大根はドレッシング漬けでサラダの主役に

太い切り干し大根は戻すのに時間がかかりますが、風味と歯ごたえは抜群です。

  1. 切り干し大根をさっと洗って水戻しします。
  2. (1)の大根を、酢、塩、オリーブオイルで作ったドレッシングに漬け込みます。

*酢はワインビネガーや果実酢がおすすめ。
*戻し水には甘みとうま味があるので、捨てずに味噌汁などに使ってみてください。

高野豆腐とバルサミコ酢で大人のおやつのできあがり

栄養的にも優れている高野豆腐でワインに合うおつまみを作ってみましょう。
といっても、高野豆腐を水戻ししてバルサミコ酢で煮るだけです。用いるバルサミコ酢の種類によっては水でのばしたり、砂糖など甘みを加えてみてください。

写真は水戻し不要のタイプだったので、水と一緒に耐熱容器に入れてレンジで加熱してから水分を絞って濃厚タイプのバルサミコ酢をしみこませています。

かんぴょうが使い切れない時は果実酢の出番です

巻き寿司の具などにかんぴょうを使いたいけれど、1パック全部は多いという時は半端に残さず全部茹でて、余ったものを砂糖を溶かした果実酢に漬け込んでみてください。

かんぴょうは水戻し→塩もみ→茹でる と下ごしらえに時間がかかるので、一度に全部茹でてしまった方がなにかとラクです。

上の写真は、リボン結びにしてから茹でて、砂糖を加えたりんご酢に漬けています。無漂白でやや厚めのかんぴょうを使っているので少し色がついていますが、漂白した薄いかんぴょうを使えばもっとひらひらのリボンも作れますよ。

酢×乾物、いつもあるもので楽しいアレンジを

保存性の良い乾物ですが、戻すと量が増えるという性質上、買ったけれどなかなか全部使い切れないということもあるかも。そんな時にはたいていの家庭にある調味料・酢を使って一品作ってみませんか?

すぐ食べるのなら酢は控えめ、常備菜にするなら酢を多めで作るのが基本ですが、乾物も酢もさまざまな種類があるので、いろいろな組合せで楽しんでみてくださいね!