みなさま、明けましておめでとうございます。お正月といったら「おせち料理」ですね! おめでたいおせち料理には、一つ一つに意味があり願いが込められているのですよ。お正月にこそ、子供たちに日本の食文化を伝えたいものですね。

おせち料理は、神さまに供えていた料理?

おせち料理は、元々は季節の節目の「節供」に神さまに供えていた料理でしたよ。それがいつしか、節供でも最も重要な正月の料理だけを指し、次第に正月三が日に食べるようになりました。

三が日はもつように、縁起が良いとされる食材を酢に漬けたり、味を濃くして調理します。保存に適し「めでたさを重ねる」意味合いで重箱を使用します。

祝い肴(いわいさかな)三種は、正月料理の基本

昔から、三種肴(黒豆・田作り・数の子)があれば立派にお正月が迎えられたというほど、正月料理の基本となるものです。

黒豆・・・今年もマメに働き、健康に暮らせますようにと願います。黒豆には魔除けの力があるとされていますよ
たたきごぼう・・・地中に根を深く張ることから代々続くようにと願い、たたいて身を開き、開運を願います
田作り(ごまめ)・・・いわしが畑の肥料であることから「田作り」「五万米」と呼ばれ、豊作を願います
数の子・・・数の子はニシンの卵。多くの卵を産むことから多産、子孫繁栄を祈ります

昔ながらのお節料理

三段重が一般的ですが、現在では一段重、二段重のものも好まれています

お重への詰め方は地方によって様々なしきたりがありますが、昔は砂糖が貴重品でしたので、甘みを中心とした口取りを一の重に詰めるところが多いようです。

詰める料理は奇数がおめでたいとされています。できるだけお互いを引き立てあう配色の料理を隣り合わせ、なおかつ味が移らないように汁気をよくきって盛りましょう~。

三段重の組み方や詰め方の基本

一の重・・・祝い肴・口取り(栗きんとん、伊達巻、紅白かまぼこなど)
二の重・・・焼き物(めでたい魚、鯛や海老や鰤など)・酢の物
三の重・・・煮物(野菜類の煮物、昆布巻きなど)

おせち料理を願い込めていただきましょう~

栗きんとん・・・「栗金団」と書くことから小判に見立てられ、金運、財産に恵まれ、商売繁盛するように願います
紅白なます・・・人参の赤と大根の白で紅白のおめでたさを、千切りにして紅白の水引を表します
鰤(ぶり)・・・出世魚の鰤で、立身出世を願います
海老・・・腰が曲がるまでと、長寿の願いを込めます
八つ頭・・・頭となって出世するように願います。小芋が沢山つくので子孫繁栄も
蓮根・・・れんこんの穴にちなんで、将来の見通しがきくとされています
昆布巻き・・・「よろこんぶ」の語呂合わせ。一家の発展と子孫繁栄を願います

今風に、ワンプレートに盛り合わせるのもお洒落ですね

昔から、母から子へ、子から孫へと、それぞれの家庭で大切にはぐくまれてきたハレの日の味のひとつがおせち料理ですね。既製品で済ます方がますます増えていると思いますが、ひとつやふたつでも手作りしてみてはいかがでしょうか?願いを込めながら楽しい祝いの食卓で新年のスタートをしてくださいね。

新しい年が皆様にとってよき年になりますように。