「鼻をつまんでお味噌汁を飲んでみて」。和食文化国民会議(和食会議)の伏木亨(龍谷大学農学部教授)会長は小学生に試してみることを求めた。だしは舌だけでなく、鼻でも味わう実験だ。日本が世界に誇る第五の味覚、うまみは香りで引き立つ。

和食会議は11月24日の和食の日、東京都港区の港南小学校で出前事業を行った。本物のだしを味わってもらう機会を提供。実際にだしを使った料理を子どもたちも調理し、給食の時間に食べた。

伏木亨会長は一度鼻をつまんで食べることを提案

伏木会長はだしの香りをかぐと心が落ち着き、おいしい料理がさらにおいしくなると強調した。子どもたちも実際に鼻をつまんで食べた時との比較で納得したようだ。加えて日本の食器で料理が映えることも説明、和食の良さを子どもたちに説明した。「つくる」「見る」「食べる」「嗅ぐ」で、和食の深さを実感できる授業となった。

また、給食時の冒頭にあいさつした上月良祐農林水産大臣政務官は「リオ五輪の400mリレーのように日本はリレーが得意、だしのおいしさを家に帰ってお父さんやお母さんにも教えてあげてほしい」と家族での食事の大切さを分かりやすく説明した。

和食会議は「和食の日」を中心に本物のだしを味わってもらう機会を毎年、継続的に作ってきた。2017年度は、昨年実績の倍以上の6526校が参加したという。

◇日本食糧新聞の2017年12月20日号の記事を転載しました。