ピッツァは前菜も炭水化物! 本場イタリアでのおいしい食べ方【11月20日は、ピザの日】
イタリア在住フードライター鈴木奈保子です。今回ご紹介するのはイタリアを代表する食べ物、ピザ。イタリア語ではピッツァと発音します。イタリアの一番有名なピザ、マルゲリータは、19世紀の末にナポリを訪れたイタリア国王夫妻に献上されたイタリアの三色旗の色をしたピッツァ。このピッツァを大いに気にいった王妃マルゲリータにちなんで名付けられました。
日本のピザ協議会では、イタリアの母と呼ばれ国民に愛されたマルゲリータ王妃の誕生日・11月20日をピザの日として、ピザの普及に努めています。
ピッツァは大勢で気軽に楽しむ食べ物の人気ナンバーワン!
本場イタリアでは、ピッツァはイタリア人の好きな食べ物ナンバーワンと言っても過言ではないほどの国民食です。薪を使ったかまどで作るピッツァが食べられるピッツェリアと呼ばれる専門店は、どんな小さな町にも必ずあります。大勢で気楽に楽しめる、もっとも身近な食べ物です。
最近では大きなスクリーンを設置しているピッツェリアが多いので、サッカーの試合のある日は、ピッツェリアで友達と一緒にサッカー観戦、というのが流行中です。
また、大人も子供も大好きで、値段が気軽なピッツァは、働くお母さんの強い味方。時間がないときの夕飯は、宅配ピッツァという家庭も急増中のようです。
王妃にちなんだ人気のピッツァ・マルゲリータ
本場のピッツァは、直径が約30センチもある大きなもの。小麦粉と少しの酵母と塩、ここに水とオリーブオイルを加えて、こねてねかせた極めてシンプルなピッツァ生地です。ただ、ローマのピッツァはカリカリのクリスピーな生地で、ナポリのピザは厚めで、ふわふわのパンのような生地と2つのタイプがあります。
イタリアと日本のピッツァの大きな違いは、具にあります。日本のピッツァは、たくさんの食材をトッピングしますが、イタリアではハムならハム、サラミならサラミ、焼き野菜なら野菜だけのヴェジタリアンメニューといたってシンプルです。
基本的に、ピッツァ生地のうえにモッツアレッラチーズとトマトソースがベースで、そのうえにアンチョビをのせると「ナポリ」、辛いサラミだと「ディアボラ(悪魔)」、マッシュルームをのせると「ボスカイオーラ(木こり)」という具合に、いろいろなバリエーションに変わります。
ピザの日の由来になったピッツァ・マルゲリータは一番の人気。モッツアレッラチーズとトマトとバジルいう、イタリアならではの絶好の味の組み合わせが人気の秘訣です。意外とあっさりしているので、日本人にも食べやすいおすすめピッツァです。
炭水化物の前菜を食べるのが本場流
普通の日本人なら、半分でも多い本場のイタリアピッツァですが、ここイタリアでは、ピッツァの前に必ずアンティパスト(前菜)を食べるのがお約束です。ピッツァの前菜は、焼いたパンにトマトなどをのせたブルスケッタ、またはスップリというモッツァレッラチーズの入ったライスコロッケが定番中の定番です。
ピッツァ自体が小麦粉主体なのに、前菜がパンかごはん。まるで、お好み焼きと焼きそば、ラーメンと炒飯、うどんとどんぶりを一緒に食べる“ダブル炭水化物”のような食べ方が特徴です。
これらの前菜はおいしいので、ついつい食べすぎてしまうのですが、ピッツァを食べにピッツェリアへ行ったのに、前菜を食べすぎてピッツァを半分以上残す、という皮肉な結果にならないように注意が必要です。
ピッツァを食べる時にはワインはNG!ビールを選んで
また、ピッツァに合わせる飲み物は断然ビール。ピッツァには炭酸がよく合うので、ワインであれば発泡している辛口のロゼのスプマンテがおすすめです。アルコールがだめな人は、炭酸水かコカ・コーラなどのやっぱり発泡している飲み物がよく合います。そうはいっても、炭酸の飲み物もお腹が膨張するので飲み過ぎには注意です。
日本人なら、この時点でおなかが一杯、というところですが、ピッツァのあとは、デザートにジェラートやケーキといった甘いデザートを食べるイタリア人。胃袋の違いを見せつけられます。
11月20日のピザの日は、ぜひ気軽に、イタリアンカラーのピッツァ・マルゲリータを楽しんでみてはいかがでしょうか?
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