こんにちは。天ぷら職人の鈴木章一郎です。【世界三大料理】の一つ“フランス料理”。ブイヨンやフォンに代表されるダシが有名ですね。今回はブイヨンの基本“ブイヨン・ド・ヴォライユ”、日本でいうチキンスープを家庭でも気軽にお作りできる方法をお伝えしていきますね。

フランス料理を気軽に楽しもう

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技術的な調理、洗練された味、いくつもの食材を重ね合わせたソースが特徴のフランス料理は、西洋料理の代表格。

格式が高く、見た目も華やかなので、「結婚式に選びたい!おもてなし料理アンケート」でも堂々一位のフランス料理。

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そんな高嶺の花のフランス料理ですが、最近はお値段控えめで気兼ねなく楽しめるカジュアルフレンチや、立飲みフレンチなど新しい業態も出来ていますので、気軽に食べられる機会も増えて外食するのが楽しくなってきますね。

フランス料理のダシといえばブイヨンやフォンドボーが有名ですが今回は基本のブイヨン・ド・ヴォライユについてご説明していきますね。

“ブイヨン・ド・ヴォライユ”の作り方

ブイヨンとは煮出し汁のことで日本のダシと同じ意味を持ちます。フランス料理では“牛から取るブイヨン・ド・ブフ”や“野菜から取るブイヨン・ド・レギューム”など様々なブイヨンを使い分けます。

今回ご家庭で作っていただきたいブイヨンは、“ブイヨン・ド・ヴォライユ”!

フランス料理に足を踏み入れた料理人が最初に作る、基本中の基本のチキンブイヨンです。

ここで注意点をお伝えしますね。フランス料理のダシは一見簡単ですが、下準備と温度管理がとても重要です。今回は3つのポイントがありますので、しっかり手間暇掛けて、愛情たっぷりの美味しい料理にチャレンジして下さいね。

<材料>
☆鶏ガラ 2羽
☆鶏首肉 1羽
☆鶏足(もみじ) 300g
玉葱 1/2個
セロリ 1/2本
にんにく 1かけ
ポロワ葱 1/2本
水 2リットル

<作り方>

  1. ☆印の鶏ガラ3種を常温のお水(分量外)から茹でます。水が沸騰したらザル等に上げ内蔵、脂肪、血合いを取り、綺麗にします。
  2. (1)と水2Lと野菜を全て鍋に入れ、ゆっくりと弱火で煮ます。
  3. 90度を保ち、アクを取りながら10時間じっくりと煮ます。
  4. 最後にキッチンペーパーで濾したら完成です。

レシピはとっても簡単ですね。ここで3つのポイントをお伝えしますね。

<1>下処理を丁寧に
内蔵、脂肪、血合いを取り除くことで、臭みやクセを取り除きます

<2>お水からゆっくりと
沸騰させず90度に保つことで旨味たっぷりな透き通った綺麗なブイヨンにします

<3>アクを丁寧に取り除く
鳥骨の雑味や匂いを取り除き、鶏本来のさっぱりとした味のみを残します

シンプルなレシピこそ丁寧な仕事が要求されます。せっかく手間暇掛けて作るので大量に作って、冷凍して小分けしておくと便利ですね。

ちなみに最初の「常温のお水から茹でて、お湯を捨てる」工程を料理会では「茹でこぼす」と言います。料理教室の先生も使いますので要チェックですよ!

手抜き編

きちんと材料を揃えるのは大変!って方には安心、手抜きのコツをお伝えしますね。

  • 材料の“鶏ガラ、首肉、もみじ”は揃えられなければ鶏ガラだけでOKです。首肉やもみじは入手しづらいですが、鶏ガラはスーパーに売っているので是非チェックしてみて下さいね。
  • “玉葱、セロリ、にんにく、ポロワ葱”は使わないところがあってもOKです。玉ねぎなら硬い皮の部分や根、セロリなら食べられない茎の部分、にんにくなら芯の部分。ポロワ葱が無ければ次にあげる野菜で代用していきましょう。
  • 野菜は、鶏肉と香味野菜の旨味成分を最大限に出すための調和を期待して使います。レシピの野菜が揃わなければレタスやキノコやじゃがいもの皮、ピーマンなどの西洋野菜なら代用OKです。

ただ、どの材料を使うとしても上記の3つのポイントは丁寧に行って下さいね。

もっと手抜き編

材料は揃えられるけど、10時間も時間をかけられない!という方はスーパーで売っているチキンスープの素(マギーブイヨンやコンソメチキン)を購入しちゃいましょう! 市販のブイヨンも手軽に美味しいフランス料理のダシの代わりになりますよ。

ブイヨン・ド・ヴォライユを使ったチキンのトマト煮

何でも使えるブイヨンですが、フランス料理には“牛料理には牛のダシ”“魚料理には魚のダシ”といった基本があります。

今回は鶏ダシですので、鶏肉のワイン煮や鶏肉のソテー、鶏コンフィや鶏肉カレーなどに使えそうですが、今回はダシに使った鶏ガラをつかってフランスの家庭料理を再現しましょう。

<材料>
・鶏ガラ 2羽分
・ブイヨン・ド・ヴォライユ 200g
・白ワイン 50g
・玉ねぎ 1個
・トマト 500g (トマト缶で代用可)
・にんにく 2片
・塩、胡椒、ブラックペッパー、ローリエ、オリーブオイル

<作り方>

  1. 鶏ガラは骨を外し4cm角に切り、塩とブラックペッパーで下味をつける。
    ☆鶏ガラの骨はお好みで付けたままでもOKです。
  2. 玉ねぎは2cm角に切る。
  3. にんにくはみじん切りに。
  4. フライパンにオリーブオイルを入れ、鶏肉に焼き色がつくまで炒め、一度取り出す。
  5. 空のフライパンにオリーブオイル15gを加え、玉ねぎとにんにくを軽く炒めて白ワインを入れフタをし、弱火で5分程掛けじっくり水分を飛ばす。
  6. つぶしたトマト、先程取り出した鶏肉、ブイヨン・ド・ヴォライユ、ローリエを加え弱火で25分煮込む。
  7. 塩・胡椒で味を調えたら旨味たっぷりチキンのトマト煮の完成です!

いかがでしたか? 世界三大料理の1つのフランス料理。自宅で手間暇かけた本格フレンチにチャレンジしてみると食卓での話題も盛り上がりますし、外食をした際にも違った視点で楽しむことができるかもしれませんね。