アンニョンハセヨ。埼玉県狭山市在住の韓国家庭料理研究家・李亜民です。
醤油や味噌など日本の食文化に欠かせない調味料があるように、韓国にも昔から伝わり伝統を誇る調味料があります。それが『ジャン』です。ジャンは漢字で書くと醤。意味としては味噌や醤油の総称です。『ジャン』にはコチュジャン、サムジャン、ヤンニョンジャン、テンジャン、カンジャンなどなど。たくさんのジャン仲間がいます。今回は私のおばあちゃんから受け継いだヤンニョンジャンのレシピをご紹介しますね。

知っているだけで得する韓国万能だれ『ジャン』

まず初めにコチュジャン。コチュジャンはコチュが唐辛子、ジャンが味噌を意味するので唐辛子味噌。大豆ともち米のこうじと唐辛子を使用して作ります。

続いてサムジャンはサムが包む、ジャンが味噌です。焼肉屋さんや韓国料理屋さんで葉物を注文すると一緒に登場する甘辛味噌。サンチュやレタスにお肉とごはんを乗せて、その中に一緒に入れて食べる味噌です。想像しただけでよだれがでますよね。

ヤンニョンジャンは韓国で定番中の定番で、1番メジャーなたれと言っても過言ではありません。おうちによって作り方や味もさまざま。

最後にテンジャンは味噌、カンジャンは醤油。

これらはまだまだ序の口。韓国にはジャン仲間が山ほどいます。それぞれ用途もちがうし味もちがいます。いろいろなジャンを知るだけで料理のレパートリーがグーンと広がります。

ヤンニョンジャンの使い方

ヤンニョンジャンはチヂミに付けて食べたり、そうめんやうどんの汁・スープに垂らしたり、ビビンバに混ぜたり、お豆腐にかけたり、炊きたてごはんに数滴落として韓国海苔で巻いて食べたり…

お酢とラー油を足してぎょうざにも、レモンとごま油と塩こしょうでのばしてチョレギサラダのドレッシングにも…書ききれないです(笑)

万能だれだけあって、本当に何にでも合うのです。料理のうまさが倍増します。汁物は最初は入れずにスープの味を楽しんで、半分食べたらジャンを垂らしてまた違う風味を楽しむのもおすすめです。おうちで韓国風に料理の味付けを楽しむことができるのもいいですね。

さらに、離乳食を作るママさんに本当にオススメです。子ども用に薄く作ることが多いですよね。ヤンニョンジャンを作っておけば薄く味付けした料理に垂らして大人用にもできます。子ども用、大人用と作らなくても済むので時間短縮になり家庭の味方です。

代々伝わるヤンニョンジャンをおすそ分け

☆我が家のヤンニョンジャンのレシピ☆

▼材料 作り置き3ヶ月分
・にら  1束
・青唐辛子  5本 青唐辛子は手に入りづらいのでなければなしで作ります。
・ねぎ 1本  辛みはコチュジャンで調整しましょう。
・分葱 1束
・にんにく 大3かけら  にんにく好きなかたはたくさんすりおろしてください。
・しょうゆ 1本900ml 今回は写真にも載っているように生活クラブのお醤油。
◇お酢  300ml  ベースがお醤油なのでこだわるとよりマシッソヨ(おいしいです)
◇白ごま 50g 味見してしょうゆが強ければお酢やコチュジャンを足して。
◇白すりごま 50g ご家庭好みにしてお召し上がりください。
◇ごま油 大さじ3
・コチュジャン 大さじ5  唐辛子粉でも代用可能です。

▼作り方

  1. にらと青唐辛子(たねを抜く、辛み成分で素手だと燃えるように熱くなるのでビニール手袋をはめるのが◎)はみじん切り、ねぎと分葱は12㎜に輪切りしてボールに入れておく。
  2. 大きなボールにしょうゆ1本900mlを入れて、◇を入れましょう。
  3. コチュジャンは大さじ1杯ずつしっかり溶かしながら入れましょう。
  4. にんにくをすりおろして入れる。1の野菜も全て入れて混ぜる。
  5. タッパーやビンに入れて冷蔵庫で保存。

何百年も受け継がれてきた『ジャン』

私は在日コリアン3世としてうまれ、飯場の仕事をするばあちゃんのもとで、小さなころから韓国料理に囲まれて育ちました。私の手料理をおいしい♡と食べてくれる娘たち。娘たちも韓国料理に囲まれながら、おいしく楽しく美しく育ってほしい。ばあちゃんがわたしにそうしてくれたように。そんな想いを胸に、毎日一生懸命料理を作っています。

何百年も前から作り続けられ受け継がれてきた『ジャン』のように、子どもたちが韓国料理の味を継ぎ、作り続け、伝えてくれたら最高。それがわたしの民族教育かな、食育かなと思っています。