事前準備必須で、遠く離れたアウトドアスポットに早朝から車で向かう一大レジャーだったBBQ(バーベキュー)の概念が変わり始めている。従来型のBBQとは異なり、手ぶらで電車に乗って向かい、気軽に楽しめる都市型BBQが現在、浸透中なのだ。
都市型BBQは、都会の駅近くに位置し、機材や食器類などを完備したBBQ施設(店舗)で気軽に楽しむ新しいスタイルだ。長距離の車移動もなく、厄介な準備もテンション下がる後片付けの面倒もなし。心地よい屋外で豪快に焼き、食べ、ワイワイ楽しむというBBQのおいしいところだけを満喫できるのだ。手ぶらで楽チン、駅近で楽しむ今、最もホットな「楽近BBQ」。今夏に向けて新オープンした二つの事例を紹介しよう。

ITALIAN BBQ CARVINO(イタリアンバーベキューカルヴィーノ) 厳選カルネ(肉)をすべて用意

都会ど真ん中の東京ドームの下、木々に囲まれた開放的な空間に6月10日、オープンしたイタリアンスタイルのBBQ広場だ。

同店は食材まですべて揃った、文字通りの「手ぶらBBQ」施設。トスカーナで楽しまれているBBQをイメージし、生ハムやサラミなどの華やかな前菜、Tボーンステーキや牛リブロース、マンガリッツァ豚、骨付き仔羊などの肉塊(セットにより異なる)、野菜類、バゲット、日本では珍しいグリルで焼く提案のオレンジなど、すべてセットで用意されている。

各テーブルには焼き方マニュアルが置いてあり、誰でも本格的なステーキが焼き上げられる

各席には、誰でも本格的なBBQステーキに焼き上げられるカナダ製本格グリルが設置され、テーブル上にはハーブミックスや海塩、バルサミコ酢など、イタリアンスタイルの調味料が並ぶ。また、BBQに最も合うワインとして、同店のソムリエが日本初上陸の「PIGRO」をセレクトするこだわりようだ。

前菜をつまみ、ワインを傾けながら、豪快な肉塊をワイワイとみんなで焼き、切り分け、シェアする楽しみはスタイリッシュで、「トスカーナの風を感じていただけます」と、同店の佐藤料理長も胸を張る。

都心でイタリアンBBQが粋に楽しめる、ワンランク上の「楽近BBQ施設」というわけだ。

ウッドデッキに白いテントを張ったオープンな空間でイタリアンBBQが気軽に楽しめる

●店舗情報
「ITALIAN BBQ CARVINO(イタリアンバーベキューカルヴィーノ)」
所在地=東京都文京区後楽1ー3ー61 東京ドームシティ・ミーツポートガーデン3階/営業時間=午前10時~午後9時/席数=120席

●セットメニュー
「PIGRO」(マンガリッツァ豚ロース、1ポンド牛リブロース、山形豚肩ロース、イタリア産サルシッチャ、厚切り皮付きベーコン、グリル野菜盛り合わせ、グリル用オレンジ、生ハム・サラミ盛合せ、バゲット、イタリア産グリッシーニ、ピクルス、イタリアンハーブソルト・ソース類)4,500円他、5,500円、6,500円セットあり(全て税込み)

BBQ PIT@アトレ目黒 階下で自由に食材を買い込むスタイル

食材を自由に持ち込むシステム。階下の店では、肉、野菜、魚介類、有名スイーツなど何でも揃う

JR目黒駅直結の商業施設「アトレ目黒」に、手ぶらで楽しめるBBQ場「BBQ  PIT」が4月30日、オープンした。「手ぶらでBBQ」を業界で初めて導入した、株式会社ヒーローの次なる展開だ。同社は、公共公園の指定管理事業者として、首都圏近郊を中心にBBQ場17施設を運営。今回オープンした同施設は、“駅直結のビル屋上でBBQができる”点が新しい。

テントやグリル機材、調理用品、食器類、シンクなどすべて完備で、利用者は電車を降り、駅直結の施設屋上に足を運べば、気軽にBBQが楽しめるのだ。食材、ドリンクは持ち込み形式だが、商業施設アトレ目黒の屋上という立地から、階下の店舗で好きな食材、ドリンクを買い込み、そのまま運べばOK。BBQの途中でも追加食材をすぐに調達できるのは、うれしいメリットだ。

ダッチオーブンやスモーク用の器具もレンタルでき(有料)、アウトドアレジャーとしてのBBQがしっかりと楽しめる。後片付けやゴミの処理も不要で、楽しい余韻だけを残して、レジャーを終えることができるのだ。

駅直結のビル屋上でカジュアルに楽しめる都市型BBQ場

●店舗情報
所在地=東京都品川区上大崎2ー16ー7 アトレ目黒1・B館4階屋上/営業時間=午前10時~午後10時/席数=着席時12サイト最大96名、立食時最大150名

●料金
1サイト(基本セット6名まで)1時間3,000円(税抜き)/基本セット=設備関連(テント、テーブル等)、ガスグリル、燃料、調理備品、消耗品(割り箸、皿、おしぼり、布巾等)

◇外食レストラン新聞の2017年7月3日号の記事を転載しました。