ボンジョルノ。イタリア在住フードライターの鈴木奈保子です。今回は、作り方はいたって簡単なのにおいしくて、いろんなバリエーションも楽しめるイタリアンドレッシングをご紹介します。
おいしいサラダを作るには、おいしいドレッシングが欠かせませんね。日本ではいろんな種類のドレッシングが市販されていますが、イタリアでは必ず食べる直前に手作りしたドレッシングを使います。

混ぜずにサラダに直接オリーブオイルを!

冷蔵庫の中にいろんな種類のドレッシングが並んでいて、場所をとって困るということがありませんか? イタリアでは、出来合いのドレッシングはほとんど見かけません。毎回、いとも簡単にドレッシングを手作りするのです。

イタリアを旅行した時に、レストランでドレッシングのかかっていないサラダが出てきて困ったという経験のある方もいらっしゃるのでは? イタリアのレストランには、テーブルの上に置いてあるエキストラヴァージンオリーブオイルとお酢、塩のセットを使って、各自が食べるときに和えるのです。

ドレッシング用のオリーブオイルと酢と塩が用意されているレストラン

でも、どこで材料を混ぜたらいいの? という疑問がわいてくるかもしれませんが、別に材料を混ぜる必要はないのです。市販のドレッシングのように乳化させなくても、それぞれを直接サラダにかければいいのです。

イタリア風超簡単ドレッシングの作り方

イタリアの簡単なドレッシングはきわめてシンプルです。通常、単にサラダという場合、レタスを中心とする緑の野菜だけのサラダです。ミックスサラダというと、トマトやニンジン、コーンやフィノッキオ(フェンネル)などほかの野菜が加わることが多いです。

【材料】(4人分)
お好みの野菜やチーズ、肉、魚など 適量
エキストラヴァージンオリーブオイル 約大さじ2
塩 適量

【作り方】

  1. サラダの材料をボウルに入れる。
  2. ボウルにオリーブオイルを入れて、サラダの材料とよく混ぜる。
  3. 上から塩を振りかけて、出来上がり。

ポイントは、まずオイルだけをかけること。こうすることによって、葉の表面にオイルの膜ができて、栄養分が流れ出るのを防ぐといわれています。オイルをまぶしただけのサラダは、時間が経っても野菜から水分が出ないので、いつまでも新鮮でしゃきっとしています。

大きなサラダ用のトングで、まんべんなくオイルがいきわたるように、よくかき混ぜましょう。

分量も基本的に目分量で、各自が好きな分量をかけて食べるだけです。特別な容器も必要ないので、洗い物も増えず、極めて合理的です。よく混ぜれば、オイルの量は少なめでも大丈夫です。たくさん使う必要もないので、エキストラヴァージンオリーブオイルは、できるだけ香りのよい上質なものを選んでください。

お酢を選んで簡単ドレッシングのアレンジ自由自在

イタリア流超簡単ドレッシングは、基本はオリーブオイルと塩です。恐らく、イタリア人は酸味が苦手な人が多いからかもしれません。もちろん、それだけでは物足りない、酸味が欲しいという場合は、お酢も直接かけてサラダとよく混ぜ合わせます。

イタリアでは、お酢というと普通はワインビネガーを使います。ワインビネガーは、その名の通りワインを発酵させて作ったお酢です。ブドウがベースなのでフルーティーな香りと、きりっとした酸味が特徴的です。白ワインビネガーと赤ワインビネガーと2種類ありますが、サラダには白のほうがさっぱりしていて人気です。

また、最近ではリンゴ酢もよく使われます。そのまま飲めるくらい酸味がマイルドなので、酸っぱいのが苦手な人にもいいですね。

このほかイタリアならではのバルサミコ酢も根強い人気です。独特の風味と香りと色で、いつものサラダがひと味違う個性的なサラダになります。ルッコラなどのくせの強い野菜や、チキンサラダなどによく合います。バルサミコ酢の場合、塩の代わりに醤油を使うと意外なおいしさが楽しめます。

酢ではないですが、新鮮なレモンなどの柑橘類が手に入った場合には、酢の代わりに使ってみましょう。フルーツの香りがさっぱりとしていてサラダの爽やかさを引き立ててくれます。特に、エビなどを加えたシーフードサラダには最適です。

オリーブオイルと塩の基本ドレッシングに、お好きなお酢を加えるだけで、バリエーションが広がるのが楽しいイタリアンドレッシングです。この超簡単ドレッシングで、サラダをもっと楽しんでみましょう!