今年も実山椒(みざんしょう)の季節がやって来ました! 香辛料が大好きな私にとって、実山椒は欠かせない食材の一つで毎年とても楽しみにしています。ご飯のお供にぴったりな「ちりめん山椒」に「出汁がらの佃煮」、中華料理の王様「麻婆豆腐」、紹興酒にぴったりの山椒ネギソース「椒麻」(ジャオマー)、夏の定番「きゅうりとイカの山椒炒め」、山椒の醤油漬けはそのままご飯のお供にもなるし、野菜との和え物にもぴったり。ぬか床にも山椒を入れています。レパートリーを並べるだけで、爽やかな香りが漂ってきて食欲が湧いてきますf(^_^;)。
今回は、大好きな山椒を1年美味しく食べる方法をご紹介します。ぜひ山椒の香りを食卓で堪能してください。

山椒選びのコツ

葉山椒が終わると、八百屋さんには山椒の箱が並びます。少量でも販売していますが、ちりめん山椒などを1年中楽しむなら、箱買いが断然お買い得。出始めの小ぶりで柔らかそうで色鮮やかな山椒が好きな方もいますが、しっかり大粒で表面のピチッとしたもののほうが、香りも強くおすすめです。

山椒のアク抜きのコツ

山椒はアクが強い食材ですので、アク抜きは欠かせない作業です。

実山椒の枝をきれいに外し、お水に1時間ほどさらします。少し面倒ですが、山椒の枝取りは丁寧に。ここを怠ると、のちのち口当たりに響きます。本当に手間なので、私も簡単な方法がないものかと毎年うんざりしますが…。根気よく頑張りましょう!

とは言え、頑張りすぎて一箱分の枝取りを一晩でするとさすがに手がビリビリになりますので、ほどほどに。

沸騰したお湯に1%の塩を入れて、5~10分ゆでます。指の腹でギュッと潰せる程度になればゆで上がり。

冷水にとり、再び水にさらします。

「ビリビリ」山椒の風味が好きな方は1時間ほど ←私の好みは、ここ。

「ややビリビリ」まずはこのへんから…

「ほんのりビリビリ」ほんのり山椒を感じたい方は一晩おいてください。子供でも食べられるくらいです。

山椒の保存方法その1:そのまま冷凍保存

あく抜きを終えた山椒は、表面の水気を完全に乾かして、小分けにして1年間冷凍保存ができます。

山椒の保存方法その2:山椒の醤油漬け

醤油と酒でコトコト煮ること約1時間。山椒の醤油漬けの完成。消毒済みのビンに移して冷蔵庫で保存できます。醤油をたっぷりめに作ると山椒醤油として使えます。チャーハンの仕上げに山椒醤油をひとふりすると爽やかな香りが楽しめます。

山椒の保存方法その3:カリカリに乾燥させて、ミルで挽く

ひたすら炒る。カリカリに乾燥するまで、ひたすら炒り続けます。最後にほんの少しだけ醤油を垂らします。焦げないように気をつけて。その後数日間干して、完全に水気を飛ばします。

カリカリになるまで乾燥させた山椒を、ミルに詰めれば自家製粉山椒に。うなぎのお供にはもちろんですが、お味噌汁の上に振って香りを楽しむのもおすすめ。定番の麻婆豆腐の上にもたっぷりふって。

ちりめん山椒のレシピ


山椒の料理の中でも最も香りの扱いが繊細なのが「ちりめん山椒」。シンプルな故に奥が深いご飯のお供です。ゆっくり弱火で炊くのがポイントです。繰り返し作って自分の火加減を見つけてください。

【材料】
ちりめんじゃこ 200g
実山椒 好みの量で
昆布出汁 300cc
酒 大さじ1
醤油 少々

【作り方】
1.ちりめんじゃこは軽くから炒りして表面の臭みを飛ばす。
2.ちりめんじゃこに、実山椒、出汁、酒を入れてゆっくりと(約30分)煮ます。

3.汁気がほとんどなくなったところで醤油(香りづけ)を少し垂らします(ちりめんじゃこに塩気がありますので、醤油は味見をして調節してください)。