夏真っ盛り、暑い日にはひんやり冷たいそうめんが食べたくなります。そうめんはカロリーも低いので、夏バテ気味の夕食にもぴったりです。今回は「めんつゆ」を手作りして、ひと味もふた味も違った香り良いめんつゆと、そのアレンジレシピを紹介します。

うまみの虜になった福岡のお醤油

めんつゆに使われる出汁の材料は、昆布・椎茸・かつお節などが一般的です。中には干しエビを入れたちょっと変わっためんつゆも。お出汁によってアレンジも楽しめます。

味の決め手は、美味しいお醤油。わたしが愛用しているのは、福岡県糸島市にあるミツル醤油さんの「生成り」シリーズの薄口と、再仕込み。「生成り」シリーズは、何といっても自然の甘みとコクが程よく、香ばしくまろやかな美味しさが際立っています。

福岡のお醤油にしては珍しく、砂糖やみりんなどで味付けされていない、純粋なお醤油です。濃口醤油を初めていただいたときから、すっかりそのうまみの虜になっています。

ほんとうに美味しいお醤油は、造り方により使い分けると味の幅もぐんと広がります。濃口、薄口、再仕込みとそれぞれの特徴を生かして楽しみたいものです。

わが家の定番めんつゆの作り方

わが家の定番は、昆布と椎茸のお出汁。椎茸を一緒に炊くので、火を通す時はうすくち醤油を使います。仕上げに再仕込みを入れて香りとコクをプラス。炊いた椎茸は薬味としてそうめんと一緒にいただきます。

<材料>
乾物椎茸 8個
羅臼昆布 15cm角
酒 75cc
薄口醤油 125cc
再仕込み醤油(濃い口でも可) 25cc

<作り方>

1.椎茸を800ccの水で戻す。椎茸は軸までしっかり戻しましょう(12時間以上)。
2.羅臼昆布は400cc の水に30分ほどつけて。
3.椎茸の出汁を、サラシやペーパーで丁寧に濾して昆布出汁と合わせる。
4.弱火〜中火で昆布を煮出す。昆布のえぐみが出ないように、沸騰する前に昆布を引き上げる。
5.椎茸は石づきを取り鍋に戻す。酒・薄口醤油を入れて中火で10分ほど炊く。このとき、ペーパーで落し蓋をするとアクも一緒に取れる。甘みがほしい方は、本みりんを大さじ1ほど加える。
6.アクが出るときはきっちりと取ったのを確認して、再仕込み醤油を入れてすぐに火を止める。

ガラスの瓶に入れて冷蔵庫で保管すれば、2週間ほど美味しく食べられます。

色鮮やかなトマトそうめん

つけ麺タイプのそうめんもいいですが、ちょっとおしゃれなぶっかけそうめんもおすすめ。トマトを丸ごとすり潰したら、めんつゆと同量で合わせるだけ。岩塩などで少し歯ざわりと塩加減を調節して、バジルを飾ってオリーブオイルで仕上げれば、一気に洋風に。

薬味をたっぷり入れて、すだちそうめん

定番の出汁に、かつお節を効かせた出汁はすだちそうめんにぴったり。「定番のめんつゆ」の“行程4”の後、さっと鰹節をひと煮立ちさせて、ざるとサラシで濾しましょう。

スライスしたすだちと刻んだミョウガをたっぷりのせて、よく冷やしためんつゆと氷を入れて。
柚子胡椒も忘れずに、爽やかな美味しさです。

干しエビめんつゆとパクチーでエスニックそうめん

定番の出汁に干しエビを入れて、ひと煮立ち。エビを入れるときは、かつお節も入れたお出汁がよく合います。「定番のめんつゆ」の“行程4”の後、さっと鰹節をひと煮立ちさせて、ざるとサラシで濾したあと、干しエビも入れて一緒に煮込みましょう。

白髪葱とパクチーを乗せて、お好みで少しタバスコを。よく冷やしたお出汁をかけてレモンをキュッと絞って完成です。

ぜひいろいろとアレンジして、夏のそうめんを楽しんでみてください。定番のめんつゆは、だし巻き卵や、揚げ出し豆腐にも使えます。また、精進料理や、ビーガンの方にもお使いいただけます。いろいろなお料理で楽しんでみてください。