お魚やお肉のおいしいみそ漬け。鰆やタラなどの白身魚から、サバやアジといった青魚、豚肉、野菜、卵まで。メインの一品にも、お弁当やおつまみにも便利です。しかし、みそ漬けが何より難しいのは、焼くとすぐに焦げてしまうこと。お味噌はとても焦げやすいので、焼くのにひと苦労という声をよく聞きます。
今回は、そんな家庭料理の定番みそ漬けを、焦がさず簡単に作る方法を紹介します。

九州のおいしいおみそ

私は、九州らしく麹の多い「子寶(こだから)みそ」をオススメします。麹が多いので、甘みが強く塩分は少いのが特徴です。華やかな麹の香りがします。「子寶みそ」は助産師をしていた祖母が、昔から家庭でつくってきたレシピです。九州では味噌汁の定番「麦みそ」と、優しい甘みで冷や汁やみそ炒めにオススメの「米みそ」があります。

みそ漬けに使うおみそ選びは、好みにもよりますが白身魚には「米みそ」、お肉には「麦みそ」が合うようです。西京漬のように、おみそに砂糖やみりんを入れて漬ける方法もありますが、みそ本来の麹の甘みや素材の旨みを感じられるよう、家庭料理ではシンプルなレシピをオススメしています。

焦げない秘密は「みそシート」

焦げない秘密は、食材に直接みそを塗らないことです。焦げやすいお味噌を表面に残さず、しっかりとみその風味を食材に移すことができる「みそシート」をぜひお試しください。

使う材料は、子寶みそ(麦)・酒・キッチンペーパーです。

1.漬け置く容器を決めたら、容器のサイズに合わせてみそシートを作ります。キッチンペーパーで作りますので、のりなどの付いていないタイプが使いやすいです。ペーパーでなく、“さらし”でもOKです。

ペーパーを広げたら、大さじ1程度のみそを薄く引き伸ばします。

2.容器のサイズに合わせて折りたためば、みそシートの完成。

3.今回は豚肉を挟んでみました。ロース豚肉生姜焼き用やステーキ用がいいでしょう。
シート・お肉・シート・お肉・シートの順に挟みます。

4.上から、シート全体に日本酒をかけて完成です。冷蔵庫に入れて次の日から食べられます。5日間くらい保存ができます。

5.お肉を焼くときは筋切りしてから。熱したフライパンに脂身のところをうまく回して、油を引かずに中火で焼きます。表面が色づいたら、ひっくり返してフライパンにフタをして3分。

6.両面がおいしそうな焼き色になれば完成です。みそ漬けは、食材の水分が抜けますので、火の通りは早いです。焼き過ぎないように注意しましょう。

冷めてもおいしくいただけます。お弁当にも便利。

【おまけ】卵黄のみそ漬け

“みそシート”をアレンジして、卵黄をみそ漬けにするのもオススメ。ねっとりと濃厚な卵黄は、ご飯にのせても、晩酌のアテにおいしい珍味にもなりますよ。

用意する材料は、みそ、酒、卵黄だけです。

<作り方>

  1. 容器の底に5mmほどおみそを敷きます。
  2. ペーパーを乗せたら黄身の大きさになるように、みそポケットを作ります。
  3. ポケットに卵黄を入れて、上からみそシートを被せたら、シート全体に染みる程度にお酒をかけます。
  4. 冷蔵庫で3日、卵黄の色がオレンジになり周りが透明になれば完成です。

ぜひ、いろいろなみそ漬けをお楽しみください♪