スコッチウイスキー初心者から上級者まで!おすすめ銘柄とおいしい飲み方【世界5大ウイスキーの楽しみ方:1】
これまでの記事では、ハードルが高いと思われがちなウイスキーについて少しでも身近に感じていただければと思い、ウイスキーの楽しみ方についていろいろご紹介してきました。少しでもウイスキーに興味を持ってもらえていたら嬉しいです。
今回からは、「ウイスキーについてもっと知りたい」と思った方のために“ウイスキーを知るにはここから”という基礎知識として、「世界5大ウイスキー」について5回シリーズでご紹介したいと思います。シリーズ1回目は、ウイスキーの2大起源の内の1つ「スコッチウイスキー」についてです。
世界5大ウイスキーとは
世界5大ウイスキーとは、世界的な生産地として知られる5つの国(スコットランド、アイルランド、アメリカ、カナダ、日本)で造られているウイスキーです。質・量ともに世界で高い評価を受けている代表的な5つのウイスキーで、それぞれの地域ごとに異なる風土や歴史と共に独自のウイスキーを造ってきました。
この5つのウイスキーについて知り、出来れば飲み比べてみていただくと、どの国のウイスキーが自分の好みのタイプか、ということがわかると思います。まずはここから始めましょう。
スコッチウイスキーとは
歴史
アイルランドと並んでウイスキー起源の地といわれるスコットランド。その歴史は、1494年スコットランド大蔵省の記録(公式文書)「アクア・ビテ(=ウイスキー)製造のため、麦芽8ボルをジョン・コー修道士へ・・・」から始まります。その後もスコットランドは、ウイスキーの進化に深く関わり、世界のウイスキー業界の先頭に立ち続けています。
1707年にはスコットランドがイングランドに併合されたことより、ウイスキーに「熟成」という神秘的な変化が起こり、ウイスキーは琥珀色に変化しました。さらに産業革命による様々な技術の向上、進歩により、1863年にスコットランドでブレンデッドウイスキーが誕生し、世界的なお酒へと発展する大きなきっかけになりました。
その後もスコッチウイスキーは、スコットランドの代表的な産業の1つとして伝統と新しい技術が融合しながら造り続けられ、現在は100か所以上の蒸溜所で様々なウイスキーが造られています。近年の世界的ウイスキーブームにより蒸溜所の拡張、新規蒸溜所の建設が進んでいます。
定義
スコッチウイスキーの定義は、法律で定められています。この条件を満たしていない限りラベルに「スコッチウイスキー(SCOTCH WHISKY)」と表記することはできません。
- スコットランドで糖化、発酵、蒸溜、熟成したウイスキー
- 3年以上、700L以下の木の樽で熟成したウイスキー
- アルコール度数40度以上
※原料の産地、ボトリングの場所は定められていません。
種類
スコッチウイスキーは原料と蒸溜方法によって3つに分類されます。
- モルトウイスキー:大麦麦芽のみを使い、単式蒸溜器で蒸溜、熟成したウイスキー
- グレーンウイスキー:穀物(小麦、トウモロコシなど)を使い、連続式蒸溜機で蒸溜熟成したウイスキー
- ブレンデッドウイスキー:モルトウイスキーとグレーンウイスキーをブレンドしたウイスキー
地域
スコッチウイスキーを細かく分類する際に、蒸溜所のある5つの地域名(ハイランド、ローランド、キャンベルタウン、アイランズ、アイラ)を使うことがあります。地域によって水や風土、環境が異なるため、それぞれ香りや味わいに特徴のあるウイスキーが造られています。
特徴
スコッチウイスキーの特徴といえば「ピート(泥炭)」です。製造工程(=麦芽を乾燥させる時の燃料として)でピート(泥炭)を使用したり、ピート層(地層)を通り抜けた水を使用することにより「スモーキー」な風味のウイスキーが出来上がるのです。
このスモーキーさがスコッチウイスキーの代表的な風味といわれています。しかし最近は、スコッチウイスキーでもピートを使わず、シンプルで飲みやすいウイスキーも多く造られています。
はじめてのスコッチウイスキー:おすすめのブランド
スコットランドでは100か所以上の蒸溜所で様々なスコッチウイスキーが造られています。スコッチウイスキーと一言でいっても、その中でどれを選べばよいのか迷ってしまうと思います。そこで、まず手にとっていただきたい私のおすすめブランドをご紹介します。
【まずはここから:リーズナブルで初心者向け】
■ホワイトホース<ブレンデッドウイスキー>
市場価格:900円前後
「気軽に楽しめるスコッチウイスキーは?」と聞かれた時におすすめしているウイスキーです。とてもリーズナブルで、スコッチウイスキーらしさも感じられます。白馬の描かれたラベルが印象的。
楽しみ方:ハイボールがおすすめ。
■ジョニーウォーカー・レッドラベル<ブレンデッドウイスキー>
市場価格:1,200円前後
1820年スコットランドで生まれたジョニーウォーカー。初めて四角いボトルを採用したり、革新的なウイスキーを開発してきました。世界中で楽しまれている世界No.1スコッチウイスキーです。
楽しみ方:ハイボールがおすすめ。
【中級者向け:蒸溜所の個性を楽しむシングルモルト】
シングルモルトウイスキーは、1つの蒸溜所のみで造られたモルトウイスキーです。蒸溜所ごとの特徴が表現されています。
■グレンフィディック12年<シングルモルトウイスキー/ハイランド・スペイサイド>
市場価格:3,000円前後
世界No.1のシングルモルトウイスキー。1963年に世界で初めてシングルモルトウイスキーを発売しました。12年以上熟成させたモルト原酒のみで造られていて、複雑で上品な味わいが特徴です。
楽しみ方:ストレートまたはトワイスアップがおすすめ。
■アードベッグ10年<シングルモルトウイスキー/アイラ>
市場価格:4,500円前後
スコットランド・アイラ島で造られるウイスキーはそのスモーキーな風味が特徴です。その中でももっともスモーキーなウイスキーといわれているのがアードベッグです。
楽しみ方:ストレートまたはトワイスアップがおすすめ。
【上級者向け・特別な造り方】
伝統的なスコッチウイスキーの製造方法に新たな技術や発想が加わり、様々なタイプの新しいウイスキーが誕生しています。最近は「カスクフィニッシュ」と呼ばれる、熟成樽に工夫を凝らしたスタイルが増えています。
■グレンモーレンジィ ラサンタ12年<シングルモルトウイスキー/ハイランド・カスクフィニッシュ>
市場価格:5,800円前後
通常はバーボン樽で熟成することが多いスコッチウイスキーですが、このウイスキーはバーボン樽で熟成した後、シェリー酒の樽でさらに熟成させています。温かみのある香味で芳醇な濃厚さが特徴。
楽しみ方:ストレートがおすすめ。
その3:スコッチウイスキーの楽しみ方
スコッチウイスキーの特徴であるスモーキーさを楽しむ飲み方をご紹介します。
トワイスアップ
氷を入れずに作る1:1の水割りです。アルコールの強さを和らげ、スコッチウイスキーが持つスモーキーな香りや味わいをやさしく感じることができます。時間がたっても濃さが変わらないのも魅力。
【材料】
- お好みのウイスキー 30ml
- 水 30ml
ハイボール
ソーダの爽快感とともに、スコッチウイスキーらしい香りや味わいを楽しめます。アルコール度数は約8%になりますので、とても飲みやすいです。
【材料】300mlグラスの場合
- お好みのウイスキー 30ml
- 氷 適量(グラスの縁から出ない程度)
- ソーダ水 適量
【作り方】
- グラスいっぱいまで氷を入れます。
- ウイスキーを加えて、ここでまずマドラーで混ぜ合わせます。ウイスキーとグラスを冷やします。氷が減ったらここで追加します。
- ソーダ水をグラス一杯まで注ぎます。
- マドラーで1回転混ぜます。
★「自宅でできる「究極に美味しいハイボール」の作り方をプロが伝授」でも紹介しています
ラスティ・ネイル(カクテル)
スコッチウイスキーを使ったリキュールは、スコッチウイスキーとの相性は抜群。甘く飲みやすいカクテルですが、アルコール度数は高いので飲みすぎに注意しましょう。
【材料】
- お好みのウイスキー 30ml
- ドランブイ 30ml
【作り方】
- グラスに氷を入れ、材料を入れます。
- マドラーで軽く混ぜ合わせて出来上がり。
★冬におすすめ!寒い日には、氷を入れずにお湯(240ml)を加えて「ホットラスティ・ネイル」にアレンジしても美味しいです♪
ハイランドクーラー(カクテル)
「これは本当にウイスキー?」という感想が多いカクテルです。爽やかな口当たりで、アルコール度数も控えめなので飲みやすいカクテルです。
【材料】
- お好みのウイスキー 30ml
- レモンジュース 1tsp(1ティースプーン=約5ml)
- シュガーシロップ 1tsp
- ジンジャーエール 適量
【作り方】
- シェーカーに氷とウイスキー、レモンジュース、シュガーシロップを入れてシェークします。
- グラスに注ぎ、ジンジャーエールをグラス一杯まで注ぎます。
★シェーカーがなくても作れます!「カクテルがタッパーでできる!?プロが教える簡単カクテル」
スコッチウイスキーに合うおつまみは?
チョコレートのなかでも、甘さひかえめのダークチョコレートがおすすめ。チョコレートが持つカカオの風味と、スコッチウイスキーのスモーキーフレーバーが相まって、それぞれの風味を引き立たせてくれます。
また、燻製料理もおいしい。スモーキーさが特徴のスコッチウイスキーと燻製料理は相性抜群。さらに、ウイスキー樽のチップで作った燻製なら、なおさらGOOD!
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