愛知在住フードライター瀬山野まりです。愛知で生まれ育ち、愛知の食文化に触れながら、愛知で暮らしています。愛知の昔から今に至るまでのさまざまなグルメをたくさんご紹介できたらと思います。今回は名古屋のお祭りではおなじみ、えびせんべいを使った「たません」をご紹介。屋台で食べる味は格別ですがなかなか屋台に行く機会もないというもの。しかし、たませんは家でも作れます。そんなたませんの味や作り方などまとめてみました。

えびせんべいと卵焼きとソースとマヨネーズの相性が抜群

9月の第3月曜日は敬老の日ですが、「海老の日」でもあります。一般社団法人日本海老協会によると、長寿の象徴である海老を敬老の日に食べるという新たな食文化を作ろうと制定されたそうです。

たませんとは大きなえびせんべいでソース、マヨネーズ、卵焼きを挟んで食べる名古屋の屋台定番のB級グルメです。さくっとしたえびせんべいととろりとした卵焼きとソースとマヨネーズの相性が抜群であり、一度食べると忘れられません。大阪ではえびせんべいではなくたこせんべいを使用し同様に作る「たこせん」があります。

円頓寺本町商店街「富久屋」にて

屋台、とはいってもいつも屋台が出ているわけではありませんよね。しかし探してみると昔ながらの商店街にはメニューに載せているところもあります。また、大須観音では土日祝日、縁日のみ出店している屋台も見られました。

今回は名古屋円頓寺本町商店街にある「富久屋」さん、大須商店街にある「富士宮」さんにて実食。鉄板にえびせんべいを置き、そのかたわらで黄身の部分を崩しつつ卵焼きを調理。温まったえびせんべいの半分側にソース、マヨネーズを塗り、卵焼きと天かすを乗せ、半分に割り挟みます。

えびせんべいの風味がふわりと鼻をくすぐり、さくっとしたせんべいととろっとした具が絶妙でした。天かすが入ることにより複雑な食感が楽しめます。

大須商店街「富士宮」にて

安価で手軽、その上とってもおいしい。しかも一つで結構おなかがいっぱいになります。お祭り時に食べればまた一段とおいしいに違いありません。

家でも「たません」

屋台やお店が近くにない、でも食べたいそんな時。そういう時は家で作ってしまいましょう。

<材料>
えびせんべい 大判1枚
お好みのソース(お好み焼き用ソースなど) 適量
マヨネーズ 適量
卵 1個
お好みの具材 お好きなものを

<作り方>
えびせんべいが巨大なため、一般的なフライパンには乗らない場合があります。鉄板を用意できればいいのですが、なかなか手軽に用意できるものではありませんよね。今回はあらかじめ割ってフライパンでできる作り方をご紹介します。

  1. えびせんべいを半分に割り、弱火のフライパンに乗せて温める。
  2. えびせんべいを温めている間に別のフライパンで黄身を軽く割り広げながら焼く。
  3. 卵を焼いている間に割ったえびせんべいの片方にソースとマヨネーズを塗る。ソースは一面に薄く塗るのがおすすめです。刷毛があると簡単です。
  4. 卵焼きを3のえびせんべいの上に乗せ、他に具がある場合はここで加えて、もう一方のえびせんべいで挟んで完成。

チーズを加える場合は卵焼きの下にすると程良く溶けます。

挟んだらできるだけ早く食べましょう

今回はソース、マヨネーズ、卵焼きのみのプレーンのもの、桜エビとシソを加えたもの、チーズを加えたものの3種を作ってみました。3種ともに言えることですが、具材を挟むと水分をえびせんべいが吸っていきます。水分を吸えば吸うほどえびせんべいは軟らかくなっていきますので、ぱりっとした食感を楽しむならば、挟んだらできるだけ早く食べましょう。

ソースとマヨネーズ、卵の組み合わせは鉄板であり、失敗がないと改めて思いました。そしてそんな鉄板の組み合わせにえびせんべいも、米菓であることを考えると合わないわけがないんですよね。

プレーンは気軽におやつ代わりにもなりそうなスナック感覚で食べられるものでした。えびせんべいならではの香りが一番感じられます。チーズを加えたものは、さらにとろ~りという要素が加わりおいしさアップ。チーズ好きなら入れて間違いありません。

おすすめはシソと桜エビを加えた「たません」

おすすめはシソと桜エビを加えたものです。エビの香りが強化され、その香りを邪魔しないシソの風味がふわりと香ります。落ち着いた場所で食べたいそんな味でした。

基本的にお好み焼きやハンバーガーなどに合う具材なら相性が良いと思います。明太子やアボカド、納豆、コーン、カレー、昆布、ツナ、紅ショウガ、にんにくなどさまざま。しかし水分が多いものや強い弾力があるものは避けた方がいいかもしれません。

トマトなどの水分が多いものはえびせんべいが水分を吸いやすく、ぐにゃりとした食感になりやすいです。また、硬めの餅なども餅の弾力にえびせんべいが負けるため、食べにくい可能性があります。

手軽に作れるので、いろんな具材と相性を試してアレンジした、自分だけのオリジナルたませんを作ってみるのもたのしいと思います。しかしやはり屋台で食べるたませんの味はまた異なる趣があり格別なものです。屋台のたませんやマイオリジナルたません、ぜひいろんなたませんを食べてみてくださいね。