公認スポーツ栄養士・3児のママの馬明(まみょう)真梨子です。もうすぐ夏本番ですね。今年は暑さに慣れる間もなく夏を迎えることになり、熱中症の危険性を訴える話をよく聞きます。今回のテーマは「免疫力アップ」ですが、どちらにも共通しているのは身体の機能を高く保ち、予防していくことです。そんな季節に旬をむかえる「きゅうり」を使って15分以内に作れるレシピをおすすめします。

きゅうりを食べて暑い夏を乗り切ろう

きゅうりと免疫力、と言われてもピンとこない方も多くいらっしゃると思います。暑い夏こそきゅうりは免疫力アップの味方になってくれます。

まず夏に免疫力を高めるためには、体調の良い状態に保つために食事量が落ちないことや、汗などで失う水分やミネラルを補う食事を意識していくことが大切です。暑さによって食欲が落ちがちですが、そんな時でも「きゅうり」はさっぱりとしていて食べやすい食材です。

きゅうりの栄養を余すことなくいただくだけでなく、食材や調味料を組み合わせるだけでもさらに栄養価もアップします。そのためにもきゅうりの栄養価もぜひ知っていただき、夕飯作りの参考にしていただければ嬉しいです。

鮭ときゅうり・夏野菜の中華風甘酢和え

食欲が落ちている時におすすめです。きゅうりだけでなく免疫力アップの効果があるビタミンCを多く含むパプリカとビタミンDを多く含む鮭を使っています。

【材料】(3人分)
鮭切り身 3枚
片栗粉 適量
きゅうり 2本
パプリカ 2個
もやし 1/2袋
酢 大さじ3
砂糖(きび糖) 大さじ2
醤油 大さじ1
ごま油 小さじ1
いりごま 適量
揚げ油 適量

【作り方】

  1. 鮭は1口大に切り、片栗粉をまぶしサッと揚げる。(揚げ焼きOK)
  2. きゅうり以外の野菜を食べやすい大きさに切り、耐熱皿に入れレンジで加熱する。(600W5分程度)
  3. きゅうりをお好みの大きさにカットしておく。
    ※我が家は写真のように大きめにカットすることが多いです。
  4. (1)と(2)の材料の粗熱が取れたら、調味料ときゅうりを混ぜ合わせる。
  5. ごまをお好みの量加え、サッと混ぜて完成。

きゅうりの梅塩こんぶ和え

汗をかいた後におすすめ!梅干しのクエン酸や塩分で食欲アップと疲労回復効果も!

【材料】(きゅうり1本分)
きゅうり 1本
梅干し(はちみつ梅) 1個
塩こんぶ 1つまみ

【作り方】

  1. きゅうりは5mm程度の輪切りにする。
  2. 梅干しは種を取りのぞきたたいておく。
  3. ビニール袋に材料をすべて入れもみこむ。
  4. 5分程度、冷蔵庫において完成です。

きゅうりとわかめの甘酢和え

甘酢を使った酢の物ですが、しらすやごまを添え不足しがちなカルシウムやマグネシウムを補い体調を整えます。

【材料】(きゅうり2本分)
きゅうり 2本
乾燥わかめ 2g(お好みで)
酢 大さじ3
砂糖(きび糖) 大さじ2
醤油 大さじ1
しらす 適量
いりごま 適量

【作り方】

  1. きゅうりは5mm程度に輪切りにする。
  2. 乾燥わかめは水で戻し、水気を切っておく。
  3. ボウルに酢・砂糖・醤油を混ぜ合わせ、(1)と(2)の材料を加える。
  4. 5分程度、冷蔵庫に置き、皿に盛りつける。
  5. お好みでしらす・ごまを添えて完成です!

※しらすはきゅうりと一緒に甘酢に和えておいてもおいしいです!

ざく切りも時短のポイント

今回は3品ご紹介しましたが、どれも食材は大きめに太めにカットしています。できるだけ食材カットの時間を減らしたいことが一番の理由ですが、今回ご紹介した「きゅうり」の栄養価を無駄なく摂りたい理由もあり大きめのカットをおススメしています。

きゅうりは「カリウム」というミネラルと水分を多く含んでいます。きゅうりの和え物などは塩もみをしてきゅうりの水分を抜く下処理をすることが多くあると思いますが、今回のレシピではこの工程を入れていません。カリウムは水に溶けているミネラルで、塩もみやゆでる作業をすると水と一緒に流出してしまいやすい栄養素です。

浸透圧の関係で、調味液が野菜に染み込むことで水分や栄養素は外に出てしまいます。もちろんその汁や水分をも食べていただけるメニューだと問題ないのですが、免疫力アップや熱中症予防の観点からも水分、カリウムともに余すことなく補給したいこともあり、今回ご紹介したレシピはサッと和えたり、味を染み込ませる時間も短時間にしています。

きゅうりも食べ方次第で免疫力アップの味方

免疫力を高めることは体調を良い状態を保つこととご紹介しました。暑い時期になると、体内の水分バランスを崩しやすいことや、体温調節機能がうまく働かなくなることが懸念されます。これらの体調不良により熱中症を招いてしまうのですが、特に身体の水分量を高める食べ方を意識していただきたいと思います。

暑い時期は発汗量が増えることで体内の水分量が減りやすくなります。水分補給は飲料だけでなく、「食事」も水分補給の役割を担っているので、食事量が減らないことや水分を多く含む食材(きゅうりを含む夏野菜など)を意識して摂ることも大切です。

また皆さん塩分補給を意識される方が多くいらっしゃいますが、体内の塩分(ナトリウム)はカリウムとのバランスで調整されています。塩分を意識するあまり多く摂っている方をよく見かけますが、カリウムには余分な塩分を体外に排泄する働きがあるのでぜひ積極的に摂る意識をもってほしいです。(ナトリウムやカリウムの制限指示がある場合は主治医の指示に従ってください)

体内の水分バランスを良い状態に保ち免疫力高め、暑い夏を元気に乗り切っていきましょう!