全国きな粉工業会は5日、「きな粉の日」にちなんで、女子栄養大学の坂戸・駒込キャンパスできな粉の無料配布と「きな粉の日」特別メニューを提供した。今年4月、「産学連携包括協力協定」を同大と締結し、その活動の一環となる。日本の伝統食材であるきな粉について、若年層が関心を持つきっかけになればとイベントを企画した。工業会はほかにも、調理実習の教材として同大にきな粉を提供していて、今後料理用途としての活用も期待されている。

「きな(7)こ(5)」の語呂に合わせて、7月5日を記念日に制定。これまで、バナナ輸入商社とのコラボでバナナにきな粉をまぶした「きな粉バナナ」試食キャンペーンや、各地の小学校で「きな粉を使った食育体験学習」などを行ってきた。今年は同大との連携で、両キャンパスで約600個のきな粉を配布したほか、カフェテリア(食堂)できな粉を使ったランチメニューを提供した。

きな粉の無料配布では、事前告知や校内放送を聞きつけた学生らが長蛇の列を作り、用意したきな粉は15分ほどでなくなった。パッケージにキャラクターが描かれたものや、しゃれたデザインのものなど、女子大生らしく見た目できな粉を選ぶ姿もみられた。

ランチ時には、坂戸で「鶏肉のピーナッツきな粉焼き」「きな粉味噌汁」「さつまいものごまきな粉」、駒込で「サーモンソテーのきな粉ソース」「きな粉味噌汁」「野菜サラダきな粉ドレッシング」「きな粉ほうじ茶ミルクプリン」が提供された。坂戸では「きな粉フィナンシェ」「きな粉のクッキー」「きな粉のスコーン」も販売した。

教員や学生からは「とてもおいしかった。きな粉の食材としての特徴や、利用範囲が広いことがよくわかった」などの声が聞かれた。

イベントに関わった三浦理代名誉教授は「今回のイベントによってきな粉の認知度、すばらしさが一段と高められたと思う。学生たちもこの日の感動は、将来にわたって思い出として刻まれていくことだろう」と語った。

◇日本食糧新聞の2017年7月19日号の記事を転載しました。