夏も本番、連日猛暑が続き細菌性の食中毒が起こりやすい気象条件になっています。コンビニやデパ地下、スーパーのできたてお惣菜、本格的でおいしくできていますね。夏はキッチンで加熱調理するのも暑くて大変です。食事作りをお惣菜に少し助けていただきましょう。「揚げたて」「作りたて」のお惣菜を安全においしく食べるための注意点、基礎知識を知っておきましょう。

品質保持に大切な「温度」

お惣菜コーナーで煮物を購入する時、あなたならどちらを選びますか?

(A)ほかほかできたてで大皿に盛り付けられ、自分で好きなだけパックに入れて量り売りする煮物

(B)2時間前にバックヤードで計量され蓋つきパックに入れられ、10℃以下の冷蔵ショーケースに陳列されている煮物。

コンビニや大手スーパーでは、お惣菜のように調理終了後から提供まで30分以上を要する食品は、食中毒菌の発育至適温度帯(約20~50℃)の時間を可能な限り短くする必要があります。冷却機を用いたり、清潔な場所で衛生的な容器に小分けするなどして、30分以内に中心温度を20℃付近(または60分以内に中心温度を10℃付近)まで下げて品質を保持しています。

ですから、お持ち帰り惣菜に関しては、照りがあっておいしそうな(A)の肉じゃがより、肉脂が冷却によって白く固まっている(B)の肉じゃがを、食べる時に中心部まで充分に温めたほうが安全でおいしく食べられるわけです。

煮物は冷めていく時に味がしみておいしくなることは知られていますよね。さらに加熱直後の急冷却によりうまみを食材の中に封じ込める効果もあり、より安全でおいしいお惣菜を提供できるのです。

揚げたてアツアツおいしいコロッケも時間と共に味と品質も低下…

できたてをウリにしているおいしいお惣菜も、購入して時間経過と共に味も安全も低下していきます。一般細菌の増殖は最も多いのが20~50℃で、さらに食品の栄養と水分で増殖を続けます。

例えば、揚げたてあつあつコロッケも、購入してから食べるまでに時間が経過するほど食中毒のリスクが高くなります。製造から2時間以内に食べることが理想ですが、家庭では、オーブントースターや電子レンジで再加熱をします。最近これらの調理家電はコンビニモードやフライ加熱モードの機能もついていて便利ですね。

おいしく作られた惣菜は、安全状態を保ちおいしいうちにいただきましょう

パック詰めされたお刺身やローストビーフサラダなどの冷蔵惣菜品は温度管理された冷蔵ショーケースに陳列されています。購入後は氷や保冷剤をつけて持ち帰りますが、気温の上昇する時期は保冷時間も短くなり過信できません。

食品を購入したら、寄り道しないで出来るだけ早く帰宅して冷蔵庫に保管し、おいしいうちに早く食べましょう。加熱惣菜は各調理法に合った再加熱を充分にし、できたてのおいしさを再現する工夫をしましょう。