家庭でも安全でおいしい食事作りの基本は、食中毒菌を「つけない、増やさない、殺す」です
食中毒のニュースをたびたび目にします。食中毒はスーパーや飲食店だけではありません。厚労省に報告のあった家庭の食中毒は、食中毒事件全体の15〜20%近くをしめています。毎日の食事で発生する危険性はたくさんあります。食べ物はおいしい以前に、安全でなければなりません。食品製造工場はすでにHACCPという予防的衛生管理を行い、食品の安全性を証明する手法を導入し始めています。
家庭でもできます、食品安全HACCPの知識でおいしく安心な食卓
スーパーや飲食・小売店等にも『リテールHACCP』が今後、義務化される方向で進んでいます。HACCPの予防的衛生管理の手法を知ることで、安全な食品、安心な飲食店を選択できます。さらには家庭の食事作りにもHACCPの知識を生かして実行していきましょう。
HACCPとは、世界で導入されている国際基準の食品安全性を確保するための手法です。食品を製造する時の製造工程を管理します。
それは、例えばその食品にどのような食中毒の原因になる要因があるかを知ることです。野菜には、堆肥からのO157などが付着することがあります。
魚には、海中の腸炎ビブリオなどもありますし、卵ではサルモネラ菌、カレーなど作り置きするものではウエルシュ菌など、報道で聞かれたことのある食中毒の原因があります。
そして、それぞれの食中毒の原因にはそれを排除する方法があります。野菜はしっかり殺菌洗浄をして加熱することでO157は殺菌できます。などなど。。。
それぞれの食材の危害要因(食中毒の原因)になる物質があることを知り、またその危害の要因を排除するために“しっかり殺菌洗浄をして加熱すること”など、明確であり効果のある排除方法を知り、正しく実施するための知識が必要になります。
安全でおいしい食事作りへ、7つのポイントを押さえておきましょう
とはいうものの、一般家庭の食事の場合には、もう少し簡単な方法で食品の衛生管理をできる方法もあります。
それは以下のように要点としてまとめることができます。
- 食材は新鮮なもの(消費期限もチェック)を購入して、それぞれ衛生的に包装して速やかに持ち帰りましょう。
- おいしさを保つ保存法で適正温度にて保管しましょう。冷蔵庫(理想は5℃以下)や冷凍庫(-15℃以下)の温度管理をして、食材は早めに使い切りましょう。
- 手洗いや身支度(手指のキズがある場合はゴム手袋)、調理器具の洗浄や消毒、冷凍食品の冷蔵庫解凍、食材の洗浄等、調理前の衛生チェックをしましょう。
- まな板や包丁等の器具は食材により使い分け、生食と加熱する食材が触れ合わない手順で調理しましょう。
- 加熱を十分行うことも大切です。中心部分の温度は75℃で1分間以上が目安です。
- 調理後は清潔な食器具に盛り付けて、早めに食べましょう。室温に放置している時間が長いほど食中毒菌は増殖します。
- 残りそうな食材や食品は早めに清潔な容器に小分けし直して冷蔵保存して早く食べ切りましょう。温め直しは十分に加熱し、味に異変を感じたら処分しましょう。
安全な食材を購入するための情報を得ることも大切な予防的管理です
自分が口にする食べ物ですから、表示や公開情報を見極めることも重要です。HACCPを導入している食品工場や食品製造者は、原材料保証や工程の証明書があり、正しいアレルギーの表示もしています。その他に食中毒、硬質異物や農薬についても保証を証明しています。
安心な食べ物を入手して、そのおいしさを生かす調理を衛生的に行い、安全に食べる知識を養うことで、家庭の食事がさらにおいしくなります。自分や家族の健康は、食中毒にならない知識と管理、おいしく楽しく食べる工夫と愛情ですね。
コメント
記事コメント投稿サービス利用規約に同意の上ご利用ください。