野菜ソムリエプロの小島香住です。今回ピックアップする野菜は「キャベツ」。暖かくなるこの時期に出回る春キャベツは、やわらかくて甘くてふんわりとした食感がたまらないですね! そのまま料理に使うことが多いキャベツですが、少しのひと手間で汎用性が広がるのです。おいしさと手軽さで1玉ペロリ♪な15分レシピをご紹介します!さらにお買い物で役立つ目利きも必見です!

塩もみキャベツの汎用性がすばらしい!太めの千切りで塩もみ保存

働くママにとって夜ごはんは作る時間も手間も少なくしたい!でも手抜きには見せたくないし、子どもには野菜もきちんと食べてもらいたいですよね。買い物は週末まとめて済ますという方も多いのではないでしょうか?

買ったものの気づいたら冷蔵庫で眠っていて使い切れずダメにしてしまったなんてこともあるでしょう。そこで、まとめ買いしてもムダにすることなく、平日の夜ごはん作りをグンとラクにする野菜の食べ方をシリーズでご紹介しています。

キャベツはサラダや炒めものなど多くの料理に活躍する万能選手ですね。でもその都度洗ってカットして…と準備に手間がかかるなぁと感じることはありませんか?そんな時、塩もみキャベツは、時短レシピのつよーい味方になります。

塩もみって浅漬けになってしまうのでは?と不安に思うかもしれませんが、心配ご無用!余計な水分が出て扱いやすくなり、いろいろな料理に使えて汎用性が広がるのです。ポイントは「切り方」と「塩分量」。ではさっそく作り方をご紹介しましょう。

【材料】(作りやすい分量)
キャベツ 1/2玉(約500g)
塩 小さじ2(2%)

【作り方】
1.キャベツの葉をはがし水洗いしたら、太めの千切りにする。
2.ボウルに(1)と塩を入れ、塩が全体にまわるように大きくかき混ぜる。
3.10分ほど置いてキャベツがしんなりしたら、手でギュッと水を切る。

【保存方法】
タッパーやチャック付き保存袋などに入れ、冷蔵庫で1週間程度保存可能です。

細い千切りやザク切りではなく「太めの千切り」がどんな料理にも合わせやすいカットサイズです!塩分量はキャベツに対して2%が浅漬けにならず余計な水分を出す分量ですので、この2つのポイントに注意して作る分量を調整してください。

芯の部分は一緒に塩もみにしても問題ありませんが、硬さが気になるという方は取り除いてください(もったいないので、スープにしたり野菜だしにしたりしておいしく食べましょう!)。

塩もみキャベツができたら、さっそく料理に活用してみましょう!

巣ごもり焼売

焼売の皮の代わりに塩もみキャベツを使った糖質オフレシピ!皮で包む工程が省けるうえに、レンジ調理ができるので本当に簡単♪塩もみでしんなりさせているから、まとまりがよく加熱後も水っぽくなりません。

肉ダネに味付けをしてあるので、夜ごはんだけでなくお弁当のおかずにもぴったり。見た目のかわいらしさに、つい写真にとりたくなってしまいます!

お好みでからししょうゆをつけてもOK!

【材料】(2~3人分)
塩もみキャベツ 200g
鶏ひき肉 200g
たまねぎ 1/2個
ごま油 大さじ1
鶏ガラスープの素 大さじ1
酒 大さじ1
おろししょうが 小さじ1
こしょう 少量

【作り方】
1.たまねぎはみじん切りにしてポリ袋に入れ、レンジで600W40秒加熱する。
2.(1)のポリ袋に鶏ひき肉と調味料を全て加え、よくもむ(ここに塩もみする時に取り除いたキャベツの芯を細かくカットして加えてもOKです!)。
3.バットや平らなお皿に塩もみキャベツを広げたうえに、(3)の袋の端をハサミで切り絞り出していく。

4.キャベツが全体につくように手でかるく丸めて形を整え、耐熱容器に並べる。
5.レンジで600W6分~7分加熱する。

真鯛のアクアパッツァ

グリルパンに具材を並べたらオーブンに入れるだけのおまかせレシピ!アクアパッツァは漁師さんが船の上で釣った魚を海水で調理したと言われる料理。魚を丸ごと使ってフライパンで炒め蒸すものが一般的ですが、今回は切り身魚と塩もみキャベツを使って蒸し焼きに。お手軽なのに豪華に仕上がります。

キャベツにはほんのり塩味がついているので調味料も少量で済むうえ、水分が出ないので魚のうま味がしっかりと感じられます。

グリルパンがない場合、アルミホイルを使ってホイル焼きのようにしてもOKです!

【材料】(2~3人分)
塩もみキャベツ 100g
真鯛切り身 2切
ミニトマト 6個
スタッフドオリーブスライス 2個分
冷凍赤・黄パプリカスライス 各1/8個分
紫たまねぎスライス 1/8個分
オリーブオイル 大さじ1
白ワイン 大さじ2
塩こしょう 少量
パセリ 少量

【作り方】
1.グリルパンに具材を並べ、塩こしょうをふり、オリーブオイル・白ワインをまわしかける。
2.アルミホイルをかぶせ、200℃15分グリルする。
3.パセリをふる。

キャベツたっぷりとん平焼き

子どももだーいすきなとん平焼きに、塩もみキャベツを加えた野菜増し増しレシピ!キャベツはあらかじめ余計な水分を出してあるので、べチャッとならずシャキシャキに仕上がります。キャベツの食感に、豚肉のうま味とソースの香りがたまりません!

【材料】(2~3人分)
塩もみキャベツ 180g
豚バラ肉 80g
塩こしょう 少量
☆卵 2個
☆水溶き片栗粉 大さじ1(片栗粉小さじ1を倍量の水で溶く)
サラダ油 適量
お好みソース 適量
マヨネーズ 適量
かつおぶし 適量

【作り方】
1.フライパンに油を熱し豚肉を色が変わるまで炒め塩こしょうをしたら、塩もみキャベツを加え軽く加熱し一度取り出しておく。
2.再度フライパンに油を熱し、☆を混ぜ合わせた卵液を流し入れ薄く広げる。
3.卵が固まってきたら炒めておいた具材を卵の下半分(半円)にのせ、卵を折りたたんで包み込む。
4.フライパンを裏返すようにお皿に移し、お好みソース・マヨネーズ・かつおぶしをトッピングする。

コールスローサラダ

定番サラダの作り置きレシピ!コールスローサラダは水分が出やすく、なかなか作り置きには向かないのですが、塩もみであらかじめ余計な水分を出しているので、時間が経っても大丈夫!

さらにはキャベツに下味がついているので味なじみが良くなります。春キャベツの甘みがシンプルに味わえるサラダです。

【材料】(2~3人分)
塩もみキャベツ 150g
ロースハム 2枚
紫たまねぎ 1/8個
コーン 30g
マヨネーズ 大さじ2
パセリ 少量
ブラックペッパー 少量
レモン果汁 少量

【作り方】
1.ハムは短冊切り、紫たまねぎはスライスする。
2.ボウルに全ての材料を入れ、混ぜ合わせる。

カレーピクルス

食欲をそそるカレー風味のアレンジレシピ!キャベツは塩もみされているので、15分ほど漬け込むだけで出来上がりです。お肉料理の付け合わせや、ホットドッグ、そのままサラダとして食べてももちろんOK!大人はお酒と合わせておつまみにしてもオシャレですね。

【材料】(2~3人分)
塩もみキャベツ 100g
ピクルス液 大さじ3(かんたん酢や市販のピクルスの液をそのまま活用)
カレー粉 小さじ2
クミンシード 少量(お好みで)

【作り方】
1.ポリ袋に全ての材料を入れもみこむ。
2.空気を抜いて口を閉じ、15分ほど冷蔵庫で置く。

塩もみ保存で野菜室の省スペース化&平日の夜ごはん作りを無駄なくラクに♪

キャベツは価格も手頃なため1玉で購入することが多いかと思います。でも、丸ごとのキャベツは野菜室でかなり場所をとりますよね。そんな時、塩もみして保存しておけばかさも減り、袋で保存ができるので野菜室の省スペース化になります。

そして、塩もみで余計な水分を出しておくことで、調理作業がラクになったり、加熱時間が短くなったりと時短になるだけでなく、仕上がりが水っぽくならないことや、調味料が控えられるというメリットもあるのです!

1玉買って、まず半玉を塩もみに、残りの半玉はそのまま保存して他の料理に使ったり、再度塩もみにしたりすれば無駄なく使い切れますよ!

<そのままの状態で保存する時のポイント!>
1.芯の部分を包丁でくり抜く。

2.キッチンペーパーを水で濡らしてかるく絞り、くり抜いた部分に詰める。

3.ラップやビニール袋で全体を覆い、野菜室で保存する。

キャベツを知ろう~栄養素&目利きのアドバイス~

キャベツは春に出回る「春玉(春キャベツ)」と、冬に出回る「寒玉」、そして夏~秋に出回る「高原キャベツ」に大きく分けられます。春キャベツは、巻きがゆるくてふんわりやわらかく、まあるい形をしています。寒玉は巻きがかたくギュッとしまっていて扁平の形をしています。

栄養素はなんといっても胃腸薬の成分にもなる「ビタミンU」(別名:キャベジン)が豊富であること!特に、春キャベツの中心に近い黄色い葉の部分に多く含まれているといわれています。ほかにも、ビタミンCは淡色野菜の中でもかなり多く、食物繊維も豊富なので忙しいママにはうれしい成分がギュッとつまっていますね♪

<購入時にチェックするポイント!>
・外葉の緑色が濃い
・芯の切り口が白く乾燥していない
・巻きがゆるくふんわりしている(※寒玉の場合は巻きが固く重量感がある)
・カットものは芯の高さが2/3以下で、切り口が黒ずんでいない

春キャベツは巻きがゆるくふんわりと、まあるいものが新鮮です

かしこく買ってベジフルレシピでおいしく食べよう♪

いかがでしたでしょうか?キャベツはいつでもスーパーに並んでいて、とても身近な野菜ですよね。葉がやわらかく甘みがある春キャベツは、今の時期だけのおいしさ♪思うように外出ができないこの頃ですが、食卓から春を感じてみるのも良いですね。

お店で子どもと一緒に鮮度の良いものを選ぶことで、野菜の知識も身について選んだ楽しさから進んで野菜を食べるようになりますよ。たくさん買ってもムダにすることなく、料理をラクにしながらも、おいしく野菜を食べることができると、ママも家族も笑顔に♪

ぜひ塩もみキャベツを活用して料理のレパートリーを増やしてみてくださいね。