京都で親しまれる「しば漬け」アレンジ2選【ニッポンお惣菜ばなし】
京都三大漬物の1つである「しば漬け」は、日本を代表する定番の漬物でもあります。京都の老舗漬物店では伝統的に茄子を使用し、赤紫蘇を加えて塩漬けにして昔ながらの製法で作られています。しば漬けは、乳酸発酵により生まれる酸味が特徴的な味わいで古くから京都で親しまれてきました。
今回は、赤紫蘇に染まった漬物の色味と酸味がクセになる京都の郷土料理しば漬けをピックアップし、風味を活かしたおすすめのアレンジレシピをご紹介します。
しば漬けで簡単!まぜご飯
強い酸味が特徴のしば漬けと爽やかな香りの大葉を、温かい白ご飯に混ぜるだけのシンプルな1品。しば漬けの風味と食感がしっかり堪能できるおすすめのメニューです。
しば漬けの赤紫色と大葉の緑のコントラストで色鮮やかに仕上がります。またちりめんじゃこを加えることで、適度な塩気がプラスされて食が進みます。そのまま混ぜご飯として食べても良いですし、おにぎりにすれば彩りの良い風味豊かなお弁当の1品にもなります。
また、いなり寿司やのり巻きに使えば、爽やかな酸味がすし飯代わりとなってランクアップした味わいを楽しむことができます。いろいろな食べ方を試してみてくださいね。
【材料】(2人分)
温かいご飯 茶碗2杯分
しば漬け 20g
大葉 4枚
ちりめんじゃこ 大さじ2
白ゴマ 適量
【作り方】
- しば漬けは粗めのみじん切りに、大葉は細切りにする。
- 温かいご飯をボウルに入れ、(1)とちりめんじゃこ、白ゴマを加えてしゃもじでざっくり混ぜ合わせる。
- 茶碗に盛り付ける。
歯ごたえと爽やかな後味が絶妙なしば漬け入り酢の物
もう1品は、きゅうりの酢の物にしば漬けをプラスした歯ごたえと爽やかな後味が絶妙な箸休めの副菜です。
きゅうりは少し歯ごたえが残るくらいに塩もみして、食感の違いを楽しむのがおすすめです。今回はわかめときゅうりの酢の物でご紹介しますが、ほかにも薄焼き卵を加えたり、くらげや春雨などを追加したりして具沢山にしても良いですね。
あまり味や風味の強い食材よりも淡泊な味わいで、滑らかな食感やコリコリした歯ごたえのものを加えることで、しば漬けの香りや酸味を存分に楽しむことができます。
【材料】(2人分)
きゅうり 1本
塩蔵わかめ 10g
しば漬け 15g
白ゴマ 適量
<調味料>
◆すし酢 大さじ1
◆砂糖 小さじ1/2
【作り方】
- きゅうりは薄切りにし、塩もみして水気を絞っておく。塩蔵わかめは塩抜きをして食べやすい大きさに切る。しば漬けは粗めのみじん切りにする。
- ボウルに調味料と(1)を加えてよく混ぜる。
- 器に盛り付けて白ゴマを振りかける。
京都三大漬物のしば漬け
京野菜として知られる加茂茄子と赤紫蘇を原料に塩漬けにして作るしば漬けは、「すぐき」「千枚漬け」と並ぶ京都三大漬物の1つとして有名な逸品です。
しば漬けの酸味は乳酸による発酵からくるもので、伝統的な製法では、酢は使用せずに塩と赤紫蘇の葉、茄子のみを漬け込み長期熟成することで独特の酸味と風味が出ると言われています。
また、しば漬けは京都らしい歴史と伝統のあるルーツを持ちあわせた漬物です。京都市北東部に位置する四方を山々に囲まれた大原地区は赤紫蘇が名産で、古くから茄子やミョウガと赤紫蘇を漬けた漬物が作られており、この漬物がしば漬けのルーツとされています。
しば漬けという名称の由来は、平安末期の源平の乱の時代に遡ります。壇ノ浦の乱で滅亡した平家の一族のうち、1人生き延びた平家の娘である建礼門院が、京郊外の人里離れた大原で隠棲するなかで食べた漬物を気に入り、紫蘇の葉の色から「紫葉漬け」と呼んだことから名づけられたとされています。
このような長い歴史を経て、しば漬けは今や日本を代表する漬物となっているのです。
参考サイト:
しば漬け ぐるたび
まとめ
伝統と歴史が息づく京都の漬物「しば漬け」を使った風味と味わいを堪能することができる手軽な混ぜご飯と、独特の食感を楽しめる酢の物のアレンジレシピをご紹介しました。
古くから日本の食卓に欠かせない食べ物である漬物を日々の食事に取り入れて、その味わいを堪能してみてはいかがでしょうか。
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