ボンジョルノ!イタリア在住フードライターの鈴木奈保子です。イタリア料理の中でも人気のあさりを使った簡単なパスタ、ボンゴレスパゲッティ。主役となるアサリは、春と並んで秋が旬です。この時期、実がぷっくりふくらんだアサリを使ったボンゴレパスタは、子どもたちも大喜び!いつものパスタがもっとおいしくなる、イタリア本場のちょっとした簡単なコツをご紹介します。

あさりは春と秋が旬!

魚介類の中でも子どもたちに人気のアサリ。特にアサリのパスタは、ほとんどの子どもたちの大好物ですね。材料のアサリは一年中簡単に手に入りますが、実は春と秋が旬なのです。旬の時期のアサリは身がぷっくりと膨らんでいて、いつも以上に濃厚な味と食感がボンゴレパスタをさらにおいしくしてくれます。

ボンゴレパスタのようなシンプルで簡単な料理をおいしく作るには、いい材料を使うのが一番!つまり、この時期に作るのがおすすめです。

ボンゴレパスタはとてもシンプルだけど、イタリアではクリスマスイブや大みそかのパーティでの定番メニューという大切なポジションを占めているくらい人気な料理です。

シンプルな料理をおいしいご馳走メニューにするためには、少しのコツが必要です。

まずは新鮮なアサリを、よく洗うこと。貝殻同士をこすり合わせて殻もきれいにします。殻は意外と汚れているし、殻の貝殻に砂だけが入っているものが混じっていることがあるのでしっかり洗います。

使う前に海水ぐらいの塩水で約2~3時間置いて、砂をしっかりと吐き出させましょう。急いでいるときは、50度の塩の入ったお湯につけておくと15~30分くらいでも、かなりきれいになります。

またパスタは、スパゲッティもしくはヴェルミチェッリという少し太めのものを使うこと。日本ではスパゲッティーニのような比較的細い麺を使いますが、ボンゴレのような味のしっかりしたソースには、太めのほうがよく合います。

わかりにくいですが写真右から細い順にスパゲッティーニ、スパゲッティ、ヴェルミチェッリ。日本人には同じに見えますが、ゆでると違いがでてきます。

それから絶対にエキストラバージンオリーブオイルを使ってください。普通のサラダオイルなどで作るのとは、絶対に風味が違います。シチリアやリグーリア地方など海に近い地方で作られた香りのいいタイプを選ぶと、さらにおいしくなります。

では、実際に作ってみましょう。

イタリア流こだわりのボンゴレスパゲッティのレシピ

【材料】(4人分)
スパゲッティ 320g
ニンニク 1かけ
イタリアンパセリ 少々
黒コショウまたは唐辛子 少々(お好みで)
エキストラバージンオリーブオイル 大さじ2
塩 適量

【作り方】
1.フライパンにエキストラバージンオリーブオイルとニンニクを1かけ入れて、弱火でゆっくり熱して香りを出す。お好みで黒コショウ、または唐辛子も入れる。

2.フライパンにきれいに洗ったアサリを入れて蓋をして強火にする。途中、鍋をゆすって早く殻を開ける。殻がほぼ開いたら火を止める。
※火を入れすぎると固くなるので、早めに火を消すようにします。

3.アサリはザルで漉して、アサリの汁だけフライパンに戻しておく。最後まで口を開けなかったアサリやニンニク、唐辛子は取り除く。

4.別のフライパンにたっぷりの水とスパゲッティ、塩を入れて強火にかける。沸騰したら少し火を弱め茹で時間より2分くらい早くアサリの汁の入ったフライパンに移す。
※水分が足りないときは、パスタのゆで汁を加えます。

5.2分くらいしてアサリ汁のパスタがアルデンテにゆで上がったら、ザルにあげておいたアサリ、イタリアンパセリを加えて和えます。いただきます!

イタリアンパセリがぴったり

パセリは普通のカールしたパセリよりも、イタリアンパセリのほうがクセがないのに香りが高いのでボンゴレスパゲッティにピッタリです。ベランダなどで鉢植えにしておくと必要な時に必要な量だけ使えて便利です。

アサリのゆで汁で直接ゆであげたスパゲッティには、潮の香りがたっぷりしみ込んで、いつものボンゴレパスタよりしっかりした味わいになります。

我が家の子どもたちが小さかった頃は、いちいち殻を台所で取り除いてからお皿に盛り付けていたので、結構面倒くさい料理でしたが、小学校の高学年になった頃からは殻のついたまま出せるので時短メニューになりました。

子どもたちはアサリが大好きなので、殻をはずすのも面倒がらず、貝柱までしつこく食べたりして喜んでやっているようです。見た目も殻があるほうが豪華ですよね。

いかがですか? ぜひ、旬のアサリで一味違うボンゴレスパゲッティを作ってみてください。