日本における緑茶の歴史は古く、平安時代にまでさかのぼる。当時は非常に貴重な薬として重宝されていたが、茶の湯の発達により、庶民の飲み物として親しまれるようになっていった。江戸末期からは、本格的に輸出され始めた緑茶は現在、「和食」のユネスコ無形文化遺産への登録とともに、海外での関心が高まり、スイーツなど幅広く使用できる食材として、年々需要が拡大している。
国内では、静岡、宇治、狭山が「日本の三大茶」と呼ばれている。中でも、全国の収穫量の40%を占める最大生産地・静岡県には関連施設が多く建てられているほか、普及活動が積極的に行われている。

<しずおかO-CHAプラザ> 静岡茶の飲み比べも

多くの人に静岡茶の魅力を伝えるための情報発信拠点として、県内産地のお茶体験や関連知識を学べる施設となっている。

同施設では、常駐の日本茶インストラクターが産地や特徴にあったおいしい淹れ方を随時解説してくれるとともに、お茶を飲み比べて、味や香りの違いを確認することができる(随時開催、体験無料)。また、お茶の効能、歴史、文化、秘密などを紹介する親子教室などのミニ講座も開催している。

直近では、「水出し緑茶で免疫力UP」と題し、水出し緑茶の淹れ方のコツや機能性を紹介する講座が、7月3日と5日(両日ともに午後1時30分~午後2時30分)に各回20人限定で開催される(公式サイトなどから要申し込み、受講料1人300円)。

施設内には、1000冊以上の茶関連書籍と県内茶産地の情報を取り揃えられ、閲覧できるようになっている。ほかにも、財団法人世界緑茶協会や、お茶の一大イベント「世界お茶まつり」を企画運営するスタッフの活動拠点としても使用されている。

<しずおかO-CHAプラザ>

【施設概要】▽所在地=静岡県静岡市駿河区南町14-1水の森ビル3階▽営業=午前9時30分~午後4時30分(入場は午後4時まで)▽定休日=土曜、日曜、祝日▽電話=054-654-3700

<フォーレなかかわね茶茗館> 川根茶とお茶菓子を堪能

日本三大銘茶の一つ川根茶のPR施設として、1994年に国土交通省指定の道の駅として誕生。豊かな自然風景に溶け込むような素朴でぬくもりのある施設には、地域住民が交流の場として利用する多目的スペースがあるほか、茶業と川根本町の歴史を学ぶことができる資料展示ブースなどが設置されている。

川根茶は、静岡県の大井川の中上流域にある川根本町と川根町の山間部の傾斜地で生産される緑茶。細くよれた針状の葉、薄い黄緑色、強い甘み、新鮮な香りを特徴とする。

同館の南には、同町に自生する木々と植物で作られた日本庭園があり、同町の無垢林をふんだんに使用した和室からそれらを見渡すことができる。その空間では、お茶の淹れ方を学べるサービスを行い、川根茶とともにお茶菓子を堪能することができる。(銘茶セット=税込み300円)

<フォーレなかかわね茶茗館>

【施設概要】▽所在地=静岡県榛原郡川根本町水川71-1▽営業=午前9時30分~午後4時30分▽定休日=水曜日、祝日の翌日、年末年始▽電話番号=0547-56-2100

<玉露の里> 茶室で玉露のお点前体験も

江戸時代に東海道21番目の宿場として栄えた岡部町は、京都府宇治市や福岡県八女市と並び、玉露の日本3大産地として知られている。同町が誇る玉露とともに、朝比奈地区の自然、文化、伝統をPRする地域振興施設として、1991年10月5日に開設した。

道の駅と一体化したお食事処「茶の華亭」では、玉露や地元食材など厳選素材を用いた料理を提供するほか、物産館で地元産の玉露茶や農産物を販売している。朝比奈川を渡った先には、お点前体験を行う茶室「瓢月亭」(入館料510円)と、玉露の歴史や栽培方法などの紹介および茶摘み体験(期間限定)などを行う無料散策コース「玉露の歴史文化園」がある。

施設以外にも、春と秋に祭りがあるほか、5月には「玉露の里まつり」、11月には地元の愛好家による「菊花展」など、年間を通じてさまざまなイベントが開催されている。

<玉露の里>

【施設概要】▽所在地=静岡県藤枝市岡部町新舟1214-3▽営業=お食事処「茶の華亭」午前11時~午後2時30分(時間外は応相談)、物産館「茶の華亭」午前9時~午後5時、茶室「瓢月亭」午前9時30分~午後5時▽定休日=年末年始▽電話=054・668・0019

◇日本食糧新聞の2017年6月23日号の「緑茶特集」記事を転載しました。