夕飯のメニューがなかなか決まらないとき、どうしていますか? 困っちゃいますよね…。先祖代々の食いしん坊の私、テミタ夏はそんな時、「じゃぁもう、煮よう」って決めちゃってます。「煮物」を作るんです。
セガレ「煮物?ダメ、油で揚げてー!」(←モーレツ腹ペコ男子め)。セガレのように子どもたちはこんなことを言うかも知れませんが、大丈夫。うちの子も結局、いつも煮物はおかわり&ごはん3杯(笑)。子ども受けも案外GOODな煮物。今回は煮物がすっっごく便利です、っていうお話です!

治部煮 残った野菜もたっぷりめの煮汁で

お出汁に醤油にみりん。とろみがつくから薄味でもおいしいです!

煮物ってだいたいそうだと思いますが、具材は自由。だから夕飯のメニューが決まらない時にこそ、おすすめなんです。残り野菜でも余った旬野菜でもたっぷりめの煮汁で煮ましょう。ぐらぐら煮えているところへ片栗粉をまぶしつけた鶏肉を少しずつ入れます。沸騰をキープできるくらい、様子を見ながら入れましょう。

鶏肉が片栗粉の衣でコーティングされ、なおかつ煮汁にもとろみがつきます。ちょっと「和風シチュー」みたいになるのが「治部煮」。ぐつぐつ煮えてるお鍋の音、よーく音を聞いてみてください。ジブジブジブジブ……っていうらしい(笑)

ごった煮 具材が決まらない?でも大丈夫。ごちゃまぜだから

お出汁に醤油、みりん。治部煮と同じじゃん(笑)でもこれでいいんです!

食材をあれこれ、わちゃわちゃ煮ると「ごった煮」って呼ぶらしいです(笑)なんでもいいからおいしく煮ちゃおう! 最初から煮るのは「根菜」や「お肉」、お芋やお麩、高野豆腐など、煮崩れしやすいものを入れるなら煮汁に味をつけてから。緑のいろどり野菜は最後の最後にお鍋に入れましょう。

うま煮 ここまでくるともはや反則!?

盛り付け方でちょっと上品にも見えます。味はやっぱり、「醤油とみりん」(笑)今回は出汁要らず

平和で温和でやさしい、ほっこりイメージの煮物。いやちょっと待った! これがなかなか刺激的な味の煮物もあったりします。セガレは「治部煮」も「ごった煮」も、煮物はよく食べますが、中でもガツガツ食べちゃうこの煮物こそ、「うま煮」。カレーや豚汁など大好物クラスに仲間入りできるかも、夕飯にはもってこいです!

野菜やお肉を煮る時に、しょうがとニンニクを加えます。薬味野菜の魅力は、そのパワフルな香り! 煮えてくるにつれ、おいしそうな香りが広がります。軽く炒めてから煮てもOK。そうなれば「炒め煮」ですね。

完成。我が家ではセガレにはこう盛る。ガツガツ食べたいそうです(笑)

大鍋にドカーン!夕飯メニューにとどまらない煮物の底力

「何を煮ようか…」って決まらないなら、煮込める食材、ありったけ煮てみるなんてどうでしょう? 食べる分以上にたーくさん煮ておけば、翌日のお弁当のおかずや常備菜になります。

はんぺん、厚揚げは今日の夕飯メニューに。がんもは翌日…みたいにするのも手。

煮物って、あつあつホクホクもおいしいですが、実は冷めてもおいしいんです。ちょっと煮詰まったくらいのほうが、お弁当にぴったりなんです。温度の低下とともに具材の芯に味が入る、っていうくらいですから。

葉物野菜だって煮ておけば立派な「煮びたし」。ナスは焼くのもおいしいけど、しっとり煮てヒンヤリ冷やしても抜群にうまい! 味付けも洋風に「コンソメ煮」「ケチャップ煮」、「カレー煮」っていうのもおいしいぞ~♪ 夕飯のメニュー、もう「決まらない」なんてこと、なくなりそうじゃないですか?

…なんて、大鍋にどっさり煮てしまうのですが、これがなかなか。けっこうすんなり食べちゃう。そうだ、「おでん」も煮物ですね~♪

<残った煮汁の活用法>
煮物全般について「味が決まらないな~」って思ったら、調味料を足すだけじゃなくて、煮汁を「引く」のも手です。引いた煮汁は捨てないで、卵焼きの味付けに使うとおいしく利用できます。

煮物って冗談みたいに自由(笑)だから便利です

いわゆる煮物って、ちょっと地味な印象をお持ちの方が多いかも知れません。色味が茶色くて、お肉やお魚、野菜も文字通り煮ればいい。以前は私も何となく「つまんない」って思っていたのが正直なところでした。

でもちょっと思い出すだけでもどんどん思いつくくらい、煮物ってやたらとレパートリーが多いんです。メイン食材を紹介するパターンで「かぼちゃの煮物」や「煮魚」、我が家のある新潟のご当地煮物には「煮菜(にな)」っていう菜っ葉の煮物もあります。

煮汁が少なくなるまで煮詰めて「煮しめ」、里芋なら「煮ころがし」、「煮つけ」って呼ぶこともあるし、「甘辛煮」とか「やわらか煮」とか、「○○煮」のスタイルではもはや、誰もが命名可能なのでは? と感じるくらい。

メニューっていうか…名前が違うだけって思う? でもそれで良い気がします。その時期おいしい旬の食材を食べやすく煮物にしておいしく食べる、つまり煮物って「料理」や「食事」の原点なのかも。だからもし夕飯のメニューに困ったら、煮物にしたらいいですよ! テミタ夏は渾身の力を込めてみーんなにおすすめします♪