もしかして世界一かもしれない、と思うお料理があります。それが、お味噌汁。だし、味噌、具材を少々。簡単に作れる、うちのセガレでも作れる。からだにもいいし、栄養満点。慌しい朝にもへとへとに疲れた夜も、お味噌汁があればひと安心。
「日本中、いえ世界中のかあちゃんたち! 味噌汁って最強かもしれません!」。テミタ夏、今回は勇気を出して思い切った仮説を叫ぼうと思います。

「本気」と「ほっこり」どっちもサイコーなのが最強

私が住んでいる町には、小さなお料理屋さんがあります。決して有名ではないし、地域の行事や会合で利用されるような、「ここらへんの人たちのための料理屋さん」です。大人になって初めてそこのお料理をいただいたとき、ババーン!と雷に打たれたような衝撃を受けました。

テミタ「味噌汁、うま!」

後にそのお料理屋さんと親交のある父に尋ねたところ、厨房に立つのは「こんな田舎じゃもったいない、きちんと料理を作ってきちんと食べさせてくれる、本物の料理人」とのこと。

残念ながら先日亡くなってしまった大将に、私は一日でも半日でもいいから弟子入りしておけばよかった。本当にそんな後悔を感じながら、自分の作る味噌汁には、今日も簡単・安定の「だしの素」。

テミタ「こっちもおいしいんだもんね♪」

脳天を突き破られるほどおいしかった味噌汁と、テミタの簡単かあちゃん風味噌汁。どっちもサイコー、おいしいんだから味噌汁って最強。

野菜2品でお味噌汁 ほっこりかあちゃん風

顆粒だしは控えめに。おいしいからって使いすぎると、味がくどくなります。野菜はその季節の旬のものをぜひ。今回はブランド野菜、「雪下にんじん」があったのでキヌサヤと使いました。

具は2品がおすすめ。決まりじゃなくて、そのほうが食べて楽しいから。今回はにんじんの「沈み」ときぬさやの「浮き」でちょうどいい感じ!

こちらは長芋と玉ねぎ。じゃがいもやさつまいもなど、芋類は意外と早く煮えるのと、おいしいから推し!

タンパク質補強スタイルで応用力が最強

主菜が「少し軽めになっちゃった~」って思ったら、たんぱく質補強スタイルを推奨します! お味噌汁の具材によく使われる食材の中に、「豆製品」があります。お豆腐、油揚げ、高野豆腐もおいしいですよね!

他にも豚肉を入れると「豚汁」、お麩も立派なたんぱく質。あと我が家ではよく「卵」を入れます。具材にタンパク質を使うことで、味噌汁がグレードアップする気がするのは私だけでしょうか(笑)

将軍家の朝ごはん、たまごのお味噌汁であなたもお殿様?

なんでも江戸時代、将軍様の朝ごはんには、毎朝同じメニューが並んだとか。卵入りのお味噌汁もその一品です。(参考図書:くもん出版 永山久夫監修『歴史ごはん』)

「インスタント」から「ごちそう」まで幅の広さが最強

以前の記事でもご紹介ずみですが、セガレは「ハラヘッタ」と言うより先に、自分で味噌汁を作ってご飯を温め、おやつとして食べちゃう時期がありました。…というのは、私が簡単な作り方を教えてあげたから(←自分で作るのが面倒だっただけ)

味噌は小さめのスプーンでチョイ、これで5~6g。我が家のお味噌は「味噌屋さん」の手作り、塩分しっかりめです。スーパーで買うメーカー品のお味噌をご使用のおうちでは、もう少し多めになるでしょう。

あとは顆粒だしをパラリ、乾物をパパッと。乾物ミックスやゆでて冷凍しておいた野菜を何品か用意しておくと、チョイスも楽しいです。

お湯を150ml注げばほら。これでバッチリおいしい。お味噌を沸騰させないことは、実はおいしい味噌汁づくりのコツの一つなんです。熱湯を注いで作れば、嫌でも風味よく仕上がっちゃう。

(ここで内緒話♪)出来上がった味噌汁の味が薄いとき、味噌を足すのって面倒じゃないですか? 今度試しに醤油を加えてみてください。醤油って、味噌から偶然生まれたって聞いたことがあります。少々足しても違和感ナシ(内緒話、終わります♪)

かと思えば「ごちそう味噌汁」もアリ。テミタ家の「なんちゃって軟骨入りつみれ汁」レシピをご紹介します。

なんちゃって軟骨入りつみれ汁

【材料】(4人分)
ゴボウ 1/2本
ねぎ 1/2本
豚ひき肉 150g
豆腐 半丁(レンジで1~2分加熱して水切りをしておく)
卵 1個
塩 一つまみ
顆粒だし 小さじ1弱(お使いのだしの適量を)
味噌 大さじ2~(お使いの味噌の適量を)

【作り方】

  1. ゴボウをみじん切り、ねぎを薄めの小口切り(輪切り)にする。
  2. 豚ひき肉に水切りをした豆腐、卵、塩、(1)のゴボウを加え、よくこね混ぜる。
  3. 鍋に600mlの湯(材料外)を沸かし、顆粒だしを加え、(2)のひき肉生地をスプーンで一口ずつまとめて落とし、3~5分煮る。
  4. 火を止め、味噌を加え味を調えてからねぎを散らす。

このレシピで作ると、ふんわりした食感のつみれになります。しっかり食感のつみれにしたい場合はつなぎの豆腐を減らすかなくし、ひき肉の分量を増やしましょう。

(2)でこねる際にビニール袋を使うことで、(3)で一口にまとめるのも簡単です。お好みでしょうがのみじん切りを加えるなどすると一層風味がよくなります。

ゴボウの食感がまるで軟骨! こりこり楽しいから、セガレも幼児期から毎回「おかわり!」。ご飯とこのお味噌汁を食べたら、もう安心。ゆっくり眠ろう。

簡単に作って、ゆっくり食べて。お味噌汁で暮らしを整える

洗濯機に掃除機に、今なんてルンバ(勝手に掃除してくれるあの子)もあるし、バスも電車も車もあるから移動も昔と比べ物にならないほど速い…。「時間」って昔より、ずっとあるはず…。なのにどうして?

かあちゃんたちがあくせく、慌ただしく、せわしなく働かなきゃいけないのはどうしてなんだろう。本当に必要なのは「時間」じゃなくて、何かもっと…こう、うーん。なんだろ(笑)

ただいま迷走中のテミタ夏、今日も顆粒だしで作ったお味噌汁を食しながら、ぼーっと考えるのでした♪(ああ、おいしい)