有名韓国料理店出身のシェフが手掛ける、完全予約制の韓国宮廷料理店「韓式茶寮 九(かんしきさりょう・いちじく)」が、10日に大阪市・北新地にオープンした。日本の高級食材を韓国宮廷料理で使われる調味料や料理手法で仕上げた、ぜいたくなメニューの数々を提供する。

陰陽五行思想に基づき、素材や季節を楽しむ

朝鮮時代の高貴な人だけが口にできた宮廷料理は、焼肉などの大衆的な韓国料理のイメージとは異なり、上品で淡泊な味わい。陰陽五行思想に基づいた五味(甘・辛・酸・苦・塩)、五色(赤・緑・黄・白・黒)、五法(焼く・煮る・蒸す・炒める・生)をバランスよく取り入れたメニュー構成が特徴だ。

ナムルなどで旬の野菜も楽しめる

ディナーコースは、1万3000円、1万8000円(1人前、税サ別)の2種で「毛蟹のケジャン」「うにキムチ」、徳島県産黒アワビをぜいたくに使った「鮑のリゾット」など、日本の高級食材をふんだんに使用。素材を最大限に生かした料理が楽しめる。

定番韓国料理である「ケジャン」は通常、一度冷凍したワタリガニを使用して調味液に漬け込むが、同店では生け伊勢エビや毛ガニ、冬にはタグ付きの松葉ガニなど、季節に合わせた食材が用いられる。メニューにはその時々の旬の食材を臨機応変に取り入れられ、季節感が楽しめるのも特徴だ。

活け毛蟹のケジャン 海栗味噌添え(写真は3~4人前)

店内は、しっくいの壁面の落ち着きある空間。完全予約制で、外観に看板もない。大人の隠れ家として、ビジネスでの接待や記念日など特別なシーンの利用が見込まれる。

今後、完全予約制のランチも予定しているほか、テークアウトメニューの韓国風海苔巻き「キンパ」も用意する。

同店を手掛けるのは高級外食店運営をメーンにするQRAUD。同社は「日本国内では高級業態の韓国料理店は少ないが、高いニーズはある」としている。

〈店舗概要〉
▽所在地=大阪市北区堂島浜1-4-4
▽電話番号=06・6453・6070
▽営業時間=午後6~11時▽座数=22席(うち個室1室)
◇日本食糧新聞の2019年6月14日号の記事を転載しました。