子どもも喜ぶ「柚子釜」でお正月の食卓を華やかに!
料理研究家の松本葉子です。中身をくりぬいた柚子を器にして料理を詰めた「柚子釜」は和食店の八寸や市販のおせちにもよく使われる盛り付けです。でもこれ、おうちでもとっても簡単に作れるんですよ。しかも柚子釜は、小さな子どもたちもフォークやスプーンを使って食べやすい盛り付けなのです。
華やかでおいしい柚子釜をお正月に作ってみませんか?
基本の柚子釜の作り方&盛り込み方のコツ
作り方といっても柚子の上部を水平に切って、中身をくりぬくだけ。料理店などでは、切り口をギザギザに細工切りして美しく仕上げますが、そこまで凝らなくても大丈夫。中に詰めるものの彩りを工夫すればカッコイイ盛り付けになりますよ。もちろん器用な人は細工切りに挑戦してみてください。
<作り方のコツ>
・柚子の上から1/4~1/5の部分を水平に切って蓋にします。みかんを切る時のように真半分に切ってしまうと「釜」の雰囲気がでないので注意を。
・柚子は完熟してくると皮がもろくなるので、実と皮の間に包丁をいれてから中身をくりぬくと皮が破れにくいです。
・蓋の部分の実はそのまま残しておきましょう。食べる時にこれを搾って柚子果汁をかけながら味わえます。
柚子釜に詰めるのに適した料理は…
柚子の風味と相性の良い料理が基本です。「柚子果汁をかけたらおいしそうだな」と思う料理を詰めてみてください。
柚子釜を器として盛り込むだけでもよし、詰めてから蒸すなど加熱することもできますが、加熱時間を長くすると柚子が煮えて形が崩れるので、加熱する場合も火が通りやすいものか、下ごしらえしたものを盛り込むのがおすすめです。
生で盛り込むものの例:なます、いくら醤油漬け、白和えなど
盛り込んでから加熱するものの例:白子、牡蠣、貝柱、うに、茶わん蒸し風など
おせちの紅白なますや数の子、黒豆などは柚子釜に盛り込むだけでぐっとご馳走感が増しますよ。
お正月にぴったり!レンジで蒸し柚子釜料理
【材料】
<具材>
*「赤」「白」「緑」の具材を取り合わせるのがおすすめ。
「赤」:軽く塩ゆでしたエビや牡蠣、かに風味かまぼこ、ホタテ貝柱など
「白」:きのこ各種、茹でたうずら卵など
「緑」:ブロッコリー、ほうれん草など
<調味料>
めんつゆを吸い物よりやや濃いめに水でのばしておく
【作り方】
1.具材を水でのばしためんつゆにくぐらせてから柚子釜に盛り込む。柚子が大きく、容量が大きくなりすぎる場合は、底に角切りにした大根などを置いて底上げしても良い。
2.ふわりとラップをかけて、電子レンジで2~3分加熱する。柚子によっては加熱するとすぐに柔らかくなってしまうので、最初は少なめに加熱して様子を見ながら時間を追加する。
食べる時には、蓋の部分を搾って果汁をかける。具材に味をつけずに蒸して、めんつゆを適度な濃さにして水で溶いた片栗粉を加えて熱し、とろみをつけたべっこうあんや、黄身酢をかけてもよい。
黄身酢を作る時に柚子果汁を加えるとより風味が際立ちます。
<おまけ>
胡麻豆腐を柚子釜に詰めてレンジにかけると、熱々にとろけて大人の酒肴にぴったり。
見た目は地味ですが、くせになるおいしさですよ!
子どもも大好きなグラタン風の柚子釜もおすすめ
柚子釜の中にホワイトソースで和えた具材を詰めて、チーズをのせて焼くとプチグラタンに。お正月は、大人はいくらやなますを詰めた柚子釜、子ども用にはグラタンの柚子釜を作ってみてはいかがでしょう。
【作り方】
冷蔵庫の残り物をバターで軽く炒めたものやサラダチキンに、市販のホワイトソースを混ぜて、柚子釜に詰め、チーズを載せてオーブントースターで焦げ目がつくまで焼く。
おせちにもおもてなし料理にもぴったりの柚子釜。ついでにポン酢も作れます!
簡単に作れる柚子釜ですが、トップの写真のようにいくつか取り合わせて盛り付けると華やかでしょう? もちろん、おせちのお重に詰めるのもおすすめです。
くりぬいた柚子の中身は、果汁を搾って、醤油とだし昆布を加える、あるいはだし醤油でのばせば風味豊かなポン酢のできあがり。鍋料理にはもちろん、サラダのドレッシングとしても重宝しますよ。
お正月の食卓に映える柚子釜、好みの料理を詰めてぜひ作ってみてくださいね。
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