ボンジョルノ! イタリア在住フードライターの鈴木奈保子です。今回は本場イタリアの美味しい生ハムの食べ方をご紹介します。一年中、美味しい生ハムですが、特に夏、暑くて料理をしたくないときや、食欲がないときにおすすめの食材なんですよ。

生ハムはイタリアを代表するおいしい食材

最近では、日本でも手軽に手に入るようになってきた生ハム。一口に生ハムと言ってもいろんな種類があって、選ぶのに迷ってしまうことはありませんか?

イタリアで生ハムというと、豚のもも肉を骨付きのまま丸ごと表面に塩をまぶして乾燥させたものを指します。添加物や保存料を使わずに、塩だけでを使った完全な自然食品です。古代ローマ人も、紀元前5世紀頃には、すでに生ハムを作って食べていたほどで、少し前までは、一般の農家でも手軽に自家製の生ハムを作っていました。

イタリアの生ハムの中でも、実はいろいろな違いがあります。生ハムは、シンプルなだけに素材である豚肉の質と、乾燥させるための気候が重要なポイントです。

日本でも有名なパルマ産やサン・ダニエレ産は、ちょうどよい風が吹く乾燥に適した気候なので、少ない塩の量で作ることができます。そのためイタリア人は「甘い」ハムと表現するほど、ほのかな甘みがおいしい生ハムです。

豚もこだわって飼育しているこれらの生ハムは、イタリアの産地保護統制に指定されているおすすめの生ハムです。

イタリア人に人気の生ハムの食べ方はシンプルにそのまま

おすすめのイタリア流・生ハムの食べ方は、そのまま生でシンプルに。

特に、一番人気なのは、生ハムをパンにはさんだパニーノです。作り方はいたって簡単。小麦粉に塩と酵母を加えて発酵させて作った素朴なパンを半分に切って、オリーブオイル、生ハムを挟んだだけのもの。日本でいう鮭のおにぎりのような感覚かもしれませんね。

子どもたちの学校のお弁当に、おやつに、日常的に大活躍の生ハムパニーノは、夏のあいだ、海や山へ出かけるときにもイタリア人の定番のお弁当です。

それ自体がおいしい保存食なので、手をかけずにはさむだけで簡単に出来上がります。忙しく出かける朝にぴったりですね。しかも、生ハムの塩分がシンプルなパンとほどよくマッチして、素材のおいしさを十分楽しめます。

お好みで、サラダ菜やルッコラ、モッツァレッラチーズやトマトなどを加えると、さらにおいしくなります。

暑くて料理をしたくないときや食欲のないときに、生ハムは最適!

一年中、おいしくて便利な生ハムですが、夏は特に重宝します。なぜなら、暑くて火を使った料理をしたくないときでも、生ハムならたんぱく質やビタミンB群、マグネシウム、鉄分などミネラル分もたっぷり摂取でき、そのままで十分、お肉の代わりに使えるからです。

たくさんのサラダと生ハム、チーズなどを切って並べるだけで、栄養バランスもとれた簡単でおいしい食事があっという間にできてしまいます。特に、塩分が効いた生ハムと淡白なモッツァレッラチーズは、相性がぴったりなので、おすすめの組み合わせです。

暑くて食欲がないときでも、こんなメニューなら涼しげで食欲が進みますね。

生ハムは簡単でオシャレなおつまみにアレンジ自由自在

生ハムは、ワインともよく合うので、オシャレな前菜、おつまみにするのもいいですね。

一番有名なのは、切っただけの生ハムとメロンですが、少し手を加えて、いろんなアレンジを試してみましょう。また、この時に生ハムの産地と同じ地方のワインを合わせるとよく合うんですよ。

簡単フィンガーフード生ハムおつまみ

グリッシーニというイタリアの乾燥パンに生ハムを巻いただけで、フォークを使わずに手軽に手で食べれるオシャレなフィンガーフードが出来上がります。混ぜただけのチーズディップを添えるのがポイントです。

【材料】(4人分)
・生ハム:100g
・グリッシーニ:12本
・リコッタチーズ:100g
・パルミジャーノレジャーノ:20g
・エキストラヴァージンオリーブオイル:適量
・バジリコ:2~3枚
・コショウ:お好みで

【作り方】

  1. グリッシーニに生ハムをまく
  2. リコッタチーズをスプーンでよく混ぜ合わせてクリーム状にする
  3. パルミジャーノレジャーノをおろしたもの、エキストラヴァージンオリーブオイル、バジリコのみじん切りを、リコッタチーズに加えて、よく混ぜ合わせる。
  4. リコッタチーズのクリームに、生ハムグリッシーニを付けていただきます。

※もしリコッタチーズが手に入らない場合は、クリームチーズなどで代用も可能です。夏は少しクリームを冷やして出すと、さらに涼しげで食欲も増加します。

このほかにも、クラッカーの上に生ハムとチーズ、トマト、オリーブなどをのせただけでも、みんなが喜ぶ簡単おつまみの出来上がり! アイデア次第で、いろいろなアレンジが楽しめる生ハムを使って、手軽にオシャレな料理をおいしく楽しんでくださいね。