スポーツ栄養士、健康食育シニアマスターの馬明真梨子です。カラっとした暑い日が続いています。毎日、熱中症のニュースを目にするようになりました。しかしながら、水分補給講座を開催する中で、いろいろ情報をキャッチしすぎて「何が大切」か分からなくなっている方を多く見かけます。熱中症対策は水分補給も重要ですが、日々の食事がとても大切です。

なぜ汗をかくの? 汗はかかないほうがいいの?

昨今、熱中症に気をつけるようにニュースでもたびたび目にします。汗をかくことはよくない、という印象を持っている方もいるのではないでしょうか。熱中症予防の観点からも汗をかくことは大切です。汗をかくことで「体温を調節」しており、汗が蒸発することにより、体温の上昇を防いでいます。

汗により体内の水分が排出されてしまうので、それを補うために水分補給は必要になります。水分は、身体の中で生命維持のために重要な働きをしています。成人であれば身体の約6割が水分といわれています。ただし、多量に汗をかく場合は、飲料からのミネラル補給も意識する必要があります。

多量な汗や長時間の運動時などにはスポーツドリンクを

また汗をかくための身体の機能も慣れが必要です。身体が慣れていない状態で暑い環境で過ごすと、熱中症になる可能性が高くなってしまいます。

水分補給はまず食事から。パンよりお米がおススメ!

水分補給は飲料水だけでなく、食事も大きな役割を担っています。食事量が減ってしまうと、必然的に摂る水分量が減ってしまいます。例えば、個人差がありますが1日に必要な水分量は約2.5L、うち食事からの補給する水分量は約1Lです。

主食のお米は、200gのごはんで水分量が約120mlです。食パン1枚は水分量が約23mlです。比較するとお米の水分量のほうが多いことが分かります。朝食にコーヒーとパンという方は、ごはんと味噌汁にするだけでも、熱中症対策になります。

写真のおにぎり2個合わせて200g

また食事の欠食や制限されている場合も、食事からの水分補給量が少なくなってしまいますので、たとえ食べていても熱中症になりやすくなります。

夏が旬の野菜や果物も水分量が豊富ですので積極的に食卓に並べましょう!

夏野菜には身体を冷やす作用があります

水分補給だけではなく、体調管理も重要!

熱中症対策は、水分・塩分補給だけと思っている方も多いのではないでしょうか。先述のように「体温調節」が大切になります。

体温調節機能は、体調によって左右されます。体調が悪ければ、体温調節もうまくいきません。ですので、熱中症を予防するためには、食欲もあり、身体の疲れもなく、元気な状態でいることが重要です。

そのためには、日々の食事で元気な身体をつくることです。「夏バテしない食べ方」について以前にも書いていますが、3食抜かないこと、特に朝はしっかり食べることが大切です。

5月から始める!夏バテしない食べ方

また、そうめん“だけ”などと単品になりがちです。たんぱく質源であるおかずも必ずつけること。そしてお腹がキンキンに冷える飲み物も体調を崩す要因です。暑い時期ですが「温かい」食事を心がけましょう!