暑くなってくるとスタミナのつく焼肉食べたくなりませんか? 焼肉を食べにいったら必ず内臓類も注文する調味料研究家・松本葉子です。
7月13日は、7(な)1(い)3(ぞう)=内臓、の語呂合わせで「もつ焼きの日」。ホルモンや焼肉などの商品を扱う会社、丸協食産によってもつ焼のおいしさや動物からもたらされる資源の有効活用などを広めることを目的に、制定された記念日です。
今回は、ホルモン大好きな私が気仙沼で出会ってとりこになって以来、お取り寄せして自宅でも楽しんでいる宮城県のご当地もつ焼き「気仙沼ホルモン」の食べ方をご紹介します。

港町・気仙沼でホルモンが名物料理になったワケ

宮城県気仙沼市は、東日本大震災で甚大な被害を受け、現在も復興途上です。津波や火災で街の多くの部分が失われ、以前とは風景が大きく変わってしまいました。でも気仙沼のがんばる人たちとともに、おいしいものも健在!そのひとつが気仙沼ホルモンです。

でも気仙沼って港町でしょ?どうして肉(ホルモン)が名物なわけ?と思う方も多いでしょう。私もそうでした。

もちろん気仙沼にはフカヒレをはじめとする海産物の名物はたくさんあるわけですが、ホルモンが名物料理なのも港町だからこそなんです。

気仙沼は遠洋漁業の基地としても有名です。長期間にわたって海の上で魚主体の食生活を送った船員さんたちが気仙沼に戻ってきた時に食べたいのは「肉」。それに目をつけた人が始めた1軒のホルモン焼きの店がその味とリーズナブルさでたちまち有名になり、やがて気仙沼には多くのホルモン焼き店ができることになりました。

今では気仙沼市民のソウルフードともいわれる「気仙沼ホルモン」。お花見や野外バーベキューなどでも普通の焼肉ではなく、このもつ焼きが登場することが多いとか。市内の精肉店ではそれぞれ独自の味付けをしたホルモンが販売されていますし、また復興の中で炭火焼きの気仙沼ホルモンの店も活気を取り戻してきました。

気仙沼の人の多くは、「買うならこの店」「食べにいくならココ」と、お気に入りの店をもっているそうです。

参照サイト:
港町・気仙沼でなぜホルモン? 気仙沼観光プラス! 
気仙沼ホルモン アサヒビール

見た目はちょっと恐ろしげだけど味はとっても上品な気仙沼ホルモン

つまり気仙沼におけるホルモンの食べ方が「気仙沼ホルモン」というわけなのですが、まずはどんなものなのかを説明しましょう。

ひとことでいうと、気仙沼ホルモンとは生の味付けホルモンミックスです。使われるのは豚の内臓で、店によって使う部位と量のバランスは異なりますが、基本的にはダイチョウ、ショウチョウ、ガツ、ハツ、レバー、タンなどをニンニクをきかせた味噌味のたれで漬け込んだもの。

気仙沼市内の人気店「お福」の気仙沼ホルモン

なんせ生で、しかもいろいろ混ざっているので、おどろおどろしいというか…ホルモンに慣れていなければ「無理っ」てなりそうな雰囲気です。ところが、これ、炭火焼きにすると香ばしくて、驚くほどあっさりと上品な味なんですよ。いやほんと、食わず嫌いは損ですって!

「お福」では、食べる時用のつけだれもありますが、もみだれの味だけでも十分おいしいし、それぞれの部位ごとに食感が異なるのも楽しいですよ。

気仙沼ホルモンを味わう時に守るべき掟がある!

そしてこの気仙沼ホルモンにはもうひとつ、重要な食べ方があります。これはもはや掟といっていいかも。

ただし、気仙沼の人にリサーチしたら、「オキテ?海の水が塩辛いのと同じくらい自然なことでしょ」とか「当たり前のことなので守らないといけないとか考えてない」といわれましたが(苦笑)。

それは、気仙沼ホルモンはウスターソースをかけた千切りキャベツと一緒に食べるということ。お店でもこんな風にセットででてきます。

なぜキャベツ?という理由は、先述した「港町のホルモン」の話に戻ります。

始まりは、遠洋漁業の漁船員さんたちのビタミン不足解消のために、ホルモン焼きにキャベツの千切りをたっぷり添えて出したこと。肉&サラダの感覚ですかね。これが良く合っておいしさを増幅するので、定番の食べ方となっていったといわれています。

実際、ニンニクや唐辛子などが入った味噌だれで味付けたホルモンと爽やかなキャベツは驚くほど相性良し。“くにゅっ”“ぷりっ”の豚モツと千切りキャベツのしゃきしゃき食感の妙が素晴らしい上、ウスターソースの風味がどこか郷愁をかき立てて……食べるほどに食欲が加速する恐るべき組合せであることが、一度味わえばよくわかるでしょう。

自宅でも気仙沼ホルモン!おいしく食べるコツは…

気仙沼を訪れてホルモン専門店めぐりをするのも楽しいのですが、ネットでお取り寄せすれば自宅でも気仙沼ホルモンが味わえます。

たれに地元本吉産の味噌や気仙沼の地酒を使っている「亀山精肉店」、40年間変わらぬ味付けで保存料不使用の「からくわ精肉店」、ニンニクがしっかり効いた「ミートよねくら」、熱烈な地元ファンがいる「スーパー片浜屋」は、冷凍の気仙沼ホルモンが取り寄せられます。

以下の写真は、からくわ精肉店の気仙沼ホルモン。実はこれ、気仙沼市へのふるさと納税の返礼品としてもらったものです。

自宅でも、できれば炭火焼きで。炭で焼くことで味わいがぐっと増幅します。ただし、豚の生ホルモンなので、生焼けには注意。火加減に注意しながら焦がさないようにゆっくり焼き上げるのがおいしさの秘訣です。

といっても焼きすぎるとぱさつくので、脂のうま味も残しつつうまく焼き上げるには少しコツが必要。何切れか焼いてるうちに加減がわかってきますよ。

もちろん焼き始める前に、たっぷりのキャベツの千切りを用意することをお忘れなく!

そして、気仙沼ホルモンを味わうにあたってのもうひとつの注意点。先にも書きましたが、このホルモン、見た目と違ってあっさりしているし、白モツやレバーが苦手な人でも食べやすい味付けなので、予想以上に食が進んでしまうのです。キャベツ効果も絶大ですしね。

というわけで、気仙沼ホルモンを自宅で楽しむ時は、多めに用意するのがおすすめです。熱々ホルモンを千切りキャベツと一緒にパクっ。たまりませんよ~!

お供には、ごはんやビールもいいけれど、気仙沼の地酒もぜひ。気仙沼市の観光PRキャラクター「ホヤぼーや」をあしらったカップ酒「角星 特別本醸造酒 ホヤぼーやカップ」 なんかを片手に、復興の槌音響く港町に思いを馳せながら味わってみてください。

特別本醸造酒 ホヤぼーやカップ