金沢の名店「大友楼」に学ぶ!加賀料理「治部煮」【レシピ付き】
一般の方々にもプロの技と味を。最前線のシェフを講師に迎えた料理教室、HATTORIキュイジーヌクラブルナラパンでお料理を教えてくださる料理人の技と味をお伝えしています。今回は加賀料理の名店、「大友楼」主人・大友佐俊先生に治部煮を紹介いただきます。
日本で唯一、大名家の料理を継承!大友楼の治部煮を紹介
大友楼は400年前から、加賀藩前田家の御膳処として「食」を預かってきました。190年前に今の料理屋の礎としての「大友楼」ができ、今の大友佐俊先生が七代目になります。日本で大名家の料理を継承しているのは大友楼だけです。
大友先生にご登場いただいた日のメニューは、こちらでした。
- 鯛の唐蒸し
- 加賀太胡瓜 印籠煮
- 蓮根団子汁
- 治部煮
- さつま芋飯
- 蓮根羹
加賀といえば、なんといっても治部煮。大友楼の治部煮のレシピを紹介しましょう。
治部煮
<材料>(5人分)
- 合鴨 10切
- 金時草 1束
- すだれ麩 10切
- しいたけ 5枚
- わさび お好みで
- 小麦粉 少々
- 出汁 700ml
- しょうゆ 80ml
- 砂糖 45g
- 酒 15ml
- みりん 少々
- うま味調味料
- 水溶き片栗粉
<作り方>
- 鰹出汁に調味料を入れて火にかけて味を調える。
- すだれ麩としいたけは一度下茹でし、(1)に入れて味を確かめる。金時草も茹でておく。
- 味が染みたら、すだれ麩としいたけを取り出す。小麦粉をまぶした鴨を入れ、火が通ったら取り出し、煮汁に水溶き片栗粉でとろみをつける。
- 器にしいたけ、すだれ麩、鴨、金時草を盛り、上から煮汁をかけ、わさびを天盛にする。
治部煮の鴨は、器に盛った時にうっすらと血がにじんでくるくらいに茹でるのが、おいしくいただくコツです。
しっとりとした食感が違う!大友楼の「うの花」
「鯛の唐蒸し」は鯛を背から開いて、うの花を出汁と醤油砂糖で煮て味を付けたものを入れて、蒸します。
このうの花の味で、淡白な鯛をおいしくいただくのですね。だから、うの花の味が重要! うの花のしっとりとした食感と味は、1時間かけてしっかりと練ることで出せる味だそうです。
このうの花のレシピも特別にご紹介。
うの花
<材料>
- うの花(おから) 500g
- ごぼう 100g
- 人参 75g
- 銀杏 25g
- しょうが 50g
- きくらげ 25g
- アサダネ(麻の実) 25g
- 鰹出汁 750ml
- しょうゆ 150ml
- 砂糖 200g
- うま味調味料 少々
- 油 少々
<作り方>
- ごぼうはささがきに、しょうがはみじん切りにする。
- 鍋に油を入れ、アサダネ、しょうがを入れて炒める。その中に人参、ごぼう、きくらげ、銀杏を入れさらに炒める。そこに鰹出汁、砂糖、しょうゆ、うまみ調味料を入れ、味をととのえ、少々煮詰める。
- そこに、うの花(おから)を入れ、煮汁がなくなったら火からおろし、1時間ほど練り上げる。
鯛は2尾用意し、腹と腹を合わせるように盛り付けておくのが加賀料理です。鯛の身とうの花を一緒に取り分けていただきます。
日本の大名料理を受け継いでいるのは、今では大友佐俊先生だけだそうです。滅多に公表されない貴重なレシピ。ぜひ試してみてください。
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