一般の方々にもプロの技と味を。最前線のシェフを講師に迎えた料理教室、HATTORIキュイジーヌクラブ ルナラパンでお料理を教えてくださる料理人の技と味をお伝えしています。今回はルナラパンの日本料理クラブに毎年ご登場くださり、楽しい講義をしてくださる田村隆先生の技とレシピです。身までおいしいアサリのだしの取り方と焼き海苔巻き。どちらもオリジナルですよ。

フライパンの上で海苔巻きをころがします

つきぢ田村三代目、田村隆先生の回は笑いが絶えません。料理の作り方もさることながら、料理の知識も素晴らしく、それを身ぶり手ぶりで面白おかしく教えてくださいます。

いわずと知れた日本料理の大御所の先生ですが、最近はオリーブオイルにとても凝っていらっしゃいます。お店のお料理にもオリーブオイルを使っておられます。オリーブオイルはすでに、もこみち君ではなく、田村隆先生の十八番になっているようです。

6月に田村先生が講義をされた際、人気が高かったお料理は焼き海苔巻き。先生オリジナルのレシピをご紹介します。

焼き海苔巻き

【材料(6人分)】
米 2カップ
大葉じそ 30枚(細かく刻む)
赤い梅干 大4個(種を取って、包丁でたたく)
いりごま 大さじ4(切りごまにする)
かつお節 30g(もむ)
海苔 2枚

【作り方】

  1. 米はといで、水が透明になるまでさらし、ざる切りをして炊く。
  2. 炊けたご飯に、大葉じそ、梅干、いりごま、かつお節を入れ、よくまぜる。
  3. 海苔にご飯の半分を置き、海苔巻きにし、熱したフランパンで転がす。6等分にして、切り口を少しあぶり、盛り付ける。

海苔巻きをあぶると、海苔が縮まって海苔巻き自体がピッチピチになります。それを切って、さらに切り口をあぶるわけです。切り口は焼きおにぎりのようにちょっとパリパリ。食感が心地よいです。

アサリの身がふっくら 身までおいしいアサリのだしの取り方

この日のお椀は、合挽きつみれのアサリだし

今回、参加者の皆さんの感動の声が一番大きかったのが、アサリの身までおいしいだしの取り方でした。面白いのでご紹介します。

田村先生の作り方はアサリをだしに入れて火にかけます。アサリが2~3個口を開いたら、ふたをして火を止めて2分放置しておきます。

放置後ふたを開けると、あら、素敵! すべてのアサリが口を開いています。このやり方に参加者は皆ビックリ! ほとんどの人がすべてのアサリが口を開くまで火を入れていませんか? だからアサリが硬くなったり小さくなったりするわけです。この方法なら、アサリがふっくらおいしい加減に出来上がります。さすが、つきぢ田村の技!

ここにお味噌を溶かせば、アサリのお味噌汁のでき上がりです。身もおいしくいただけますよ。

2,3個口が開いたら、蓋をして火を止める
2分後、全開

ストレスフリー! 家庭での天然だしの取り方

もう一つ、最後に家庭でのお味噌汁のだしの取り方。先生曰く、家では一番だしなど取る必要はない。二番だしで十分。でも、もっと気軽に、もっとおいしい、家庭でのだしの取り方を教えてくださいました。

小さくて良いので、良いこぶを少しとかつお節をたっぷり、水からゆっくり火にかけて沸騰させます。すこし煮立たせてからリードペーパーで濾したら、とってもおいしいお味噌汁用のだしになります。

家庭では一番だしを取ることも少ないので、この方法ならとてもやりやすいですね。だしの香りでとても幸せな気分になりますよ。

だしがこんなに簡単なのは日本だけ! と田村先生。フランスではフォンドボー、中華では金華ハムのだしなど、確かに手間と経費のかかるものばかり。ぜひ、田村先生流のこぶとかつお節でだしを取ってみてください。