お子さんが幼稚園・保育園に入園するとともに、はじまるお弁当作り。こどもの喜ぶ顏を想像しながら、作り手も楽しい時間にしてほしいなと願っています。今回は、幼児期のこどもに持たせたいお弁当作りのヒントをご紹介します。

大切にしたい幼児期の食事について

身体だけでなく心の成長も著しい幼児期。心身の十分な発育や良い食習慣の基礎づくりにはバランスのよい食事が欠かせません。

また、睡眠・食事・遊びのメリハリも出てきて、食事リズムの基礎をつくる大切な時期であるとも言われています。

2005年(平成17年)に制定された「食育基本法」では、子どもたちが豊かな人間性をはぐくみ、生きる力を身に付けていくためには、何よりも「食」が重要であるとし、様々な経験を通じて「食」に関する知識と「食」を選択する力を習得し、健全な食生活を実践することができるよう、幼児期に「食を営む力の基礎を培う」食育が位置付けられました。

引用:公益社団法人千葉県栄養士会

最近では様々な工夫がされた冷凍食品やお惣菜なども手に入りやすくとても便利になっています。朝の時間はどうしても忙しくなりがち。レンジでチン!はとても便利ですが、そればかりにならないよう、常備菜をうまく活用して、こどもの心と体にやさしいお弁当を心がけたいですね。

色や形だけでなく容量のチェックも忘れずに

一番活動量の多い時間帯に食べるお弁当。幼児期のこどもが一日に必要とするエネルギー摂取量の1/3を目安に、主食・主菜・副菜をバランスよく取り入れましょう。

体重によっても変わってきますが、幼児期(35歳)における推定エネルギー必要量は、男子で1,300 kcal/日、女子で1,250 kcal/日とされています。

参考:厚生労働省『日本人の食事摂取基準 2015年版』(PDF)

お弁当箱の容量=そのお弁当のおおよそのカロリーになると言われています。

とはいえ、摂取カロリーはあくまでも参考程度に。お弁当だけでは補えない場合は、おやつや補食など、一日のトータルで摂取できればOKです!

幼児期のお弁当で気をつけたいこと

食べやすさ

小さく切る
一口大より少し小さめに切ることを心がけましょう。お肉は大きいと噛み切れないことが多いので、特に気を付けましょう。

ピックに刺す
豆類や滑りやすい里芋やこんにゃくなどは、箸やフォークでは扱いにくいので、楊枝やピックに刺しましょう。見た目も可愛くなります。

骨や皮は取り除く
骨付きの鶏肉や皮付きの魚などは、食べるのに時間がかかってしまうことが考えられるので、お弁当箱に詰める際に取り除いておきましょう。

ご飯は小さく握る
主食となるご飯は一口大に丸めたおにぎりがおすすめです。海苔やごま、ふりかけなどをまとわせることで、手にご飯粒がつきにくく食べやすくなります。

ごはんとおかずのバランス

お弁当箱の1/2がごはん、残りの1/2がおかずになります。おかずの1/2がタンパク質(肉・魚・豆)で、残りの1/2を野菜にすると栄養バランスの良い理想的なお弁当になります。

はじめてのお弁当作りに気合が入りすぎて、たくさんのおかずを作ってしまう気持ちはとてもよくわかりますが、こどもがお弁当を残さず食べきることも大切。

エネルギー源となるごはんはしっかり、おかずは好きなものを中心に最初は少し足りないかな?くらいの量から始めることをおすすめします。

カラフルなお弁当を意識過ぎて頑張りすぎないこと。多少色味は良くなくても、食べやすさを第一に考えたお弁当であれば「地味弁」も喜んで食べてくれます。

苦手なものはさりげなく

『苦手なものもお弁当なら食べてくれるかな?』と期待をして盛り込んでしまう気持ちは少しガマン!

こどもの小さなお弁当箱に入るおかずの量はごく僅かです。せっかくの楽しいお弁当の時間ですから、最後まで楽しく食べられるように、お弁当生活に慣れるまでは好きなもの中心で、まずは完食することを親子の目標にしてみましょう。

お弁当や園生活に慣れてきたら、苦手なものも飾り切りにしたり、好きなものに混ぜたりしながら少しずつ苦手を克服していきましょう。

過去のお弁当記事はこちら

おいしそうな詰め方の基本は?いつものお弁当を簡単にラックアップする3つのコツ

手作り弁当生活を楽しく続けよう!頑張りすぎない3つのコツ

こどもが苦手な野菜を使ったレシピ

こどもが苦手な野菜の代表選手、ピーマン・にんじん・なすをおいしく変身させるレシピをご紹介します。

ピーマンのくたくた煮

煮汁がなくなるまでしっかり炊くのがポイント

【材料】
ピーマン 1袋
乾燥わかめ 大さじ3
塩・ごま油 少々
しょうゆ 大さじ1
水 200cc
みりん 大さじ1

【作り方】

  1. ピーマンは繊維を断ち切るように千切りにする
  2. 1に塩とごま油少々をまぶして、フライパンで蒸し焼きにする
  3. 2に調味料をすべて入れ、沸騰したらわかめを加え5分煮る
  4. そのままよく冷まして器に移し、冷蔵庫で冷やしたら完成

にんじんの卵焼き

【材料】
卵 2個
にんじんのすりおろし 大さじ1
砂糖 小さじ1
マヨネーズ 小さじ1
塩 小さじ1/2

【作り方】

  1. 全ての材料をよく混ぜて、普段通りに厚焼きたまごを焼いたら完成

なすの味噌チーズ焼き

しっかり冷ましてからお弁当箱に詰めましょう

【材料】
なす 1本
スライスチーズ 2枚

[味噌マヨソース]
味噌 小さじ1
砂糖 小さじ1
麺つゆ(3倍濃縮) 小さじ1
マヨネーズ 大さじ1

【作り方】

  1. なすは皮つきのまま1.5cmの厚さで輪切りにしたら、フォークで数か所穴をあけ塩水につけておく
  2. [味噌マヨソース]の材料を合わせておく
  3. 1のなすの水気を切り、耐熱皿に並べたらラップをふんわりとかけ600Wで2分加熱する
  4. 3に[味噌マヨソース]を塗り、1/8にカットしたスライスチーズをのせてオーブントースターで焼く(おおよそ4分)
  5. チーズが柔らかくなり、ほどよい焦げ目がついたら完成