関西在住ながら福島県が大好きでよく訪れる調味料研究家の松本葉子です。そんな私にいわき市に住む友だちが「これ最近人気だよー。私もよく食べるんだわ」と、おみやげに薦めてくれたのが「小名浜かつおせんべいラーメン」。今回は、いわきの新しい名物として売り出されているというこのインスタントラーメンをご紹介したいと思います。

パッケージにあふれる情報が謎を呼ぶ

友人のおすすめに従って購入したラーメンですが、袋をよく見ると“小名浜かつおせんべい”とも、“家庭用ラーメン”とも記載があります。どっちが主役よ?という書き方です。

“かつおしお味”というのも、わかるようなわからないような。国内産を明記してある小麦はともかく、大豆や米って普通の即席麺には使われていない気もするし。ついでにいえば“着色料・保存料不使用”と叫んでいる(?)鰹らしき魚の横のオジサン(だよね?)の唇もかなり謎めいています。

そして、ちょっと見えにくいのですが、オジサンの下には“かつおせんべい1枚入”の表記が。

袋から出すと、こんな感じ。はい。せんべい1枚入ってます。ちなみにこのせんべい、削り鰹みたいなのがたくさん入っていて美味しそうなんですよ。

たった1枚のせんべいだけど、存在感が大きい!

早速作ってみました。作り方は普通のインスタントラーメンと同じです。

ただし、できあがりに“同封されていたせんべいをくだいて、めんの上にふりかけて下さい”とのこと。

せんべい、思っていたより固いです。なので適当に砕いてのせましたが、これが失敗。

大きなカケラだとラーメンスープを吸うというより、スープで湿った感じになるだけなので食べにくいんですよ。考えてみれば八戸せんべい汁のように煮込むわけじゃないから、もっと細かく砕かないと柔らかくはならないってことですね。

でもこのせんべいはおいしい。かつおの風味もしっかりあるし、唐辛子が効いててかなりスパイシーです。

というわけで、リベンジしたのがこちら。

せんべいは細かく砕きましたが、スープを吸わせて柔らかくするよりも、せんべいの香ばしさを生かして食べたいと思ったので、スープ少なめで作ってみました。

せんべいのパリパリ感がアクセントになるだけでなく、薬味の役割も果たして、個人的にはこれは成功!

柔らかくするためにせんべいを鍋で一緒に煮て作ってみたりもしましたが、私は歯ごたえのある方が好みでした。

実は2つの名物が合体したラーメンだった

ところでこのラーメンのパッケージを見て「なにかに似てる」と思った方もいらっしゃるかも。

実はこのラーメンは、愛知県・西三河のご当地ラーメンとして知名度上昇中の「キリンラーメン」を作っている小笠原製粉が製造しています。だからキリンラーメンのパッケージに似ているんですね。麺に大豆(豆乳)、米(米粉)が使われているのもキリンラーメンと同じです。

そしてせんべいは、いわき市でよく知られた和菓子店・しんごさん饅頭本舗が発売元である「小名浜かつおせんべい」。

下の写真が、単体(?)の小名浜かつおせんべい。いわきふるさと産品推奨マークも付いています。そしてここにもあのオジサンが。どうやらこのオジサンが「しんごさん」らしい。

小名浜かつおせんべいラーメンは、この2つのコラボラーメンだったんですね。

名物をさらにプラス。これぞいわきスペシャル?!

いわきのかつおといえば是非知って欲しいのが「海の宝」。小名浜港で水揚げされたかつおで作ったかつおフレーク油漬け缶詰です。これはいわき市内ならスーパーなどでも買えますが、ほかの地域ではなかなか手に入れることができないレアな品。

このかつおフレークを、小名浜かつおせんべいラーメンにトッピングしてみました。
油漬けとはいえ、あっさりした味わいなのでよく合うんですよ。ほんとに。

いわきを訪れたら是非お土産にどうぞ~

せんべいを具にするこのユニークなラーメンは、楽しめることうけあい。自分用にはもちろん、お手軽価格なので配り土産にもよさそうです。

ついでに「小名浜かつおせんべい」と「海の宝」も手に入れておけば、よりゴージャスに(?)味わえますよ!