ポーランドは冬になると、最低気温がマイナス20度を下回るほど壮絶に寒い国です。著者の住むトルンは観光地としても有名な街なのですが、ここの冬の名物と言えば「ジンジャーブレッド(ポーランド語ではピエルニキ)」!
ショウガとシナモンの優しいソフトなクッキー生地をミルクチョコレートで包んだ、心と体を温めてくれるご当地名物なんですよ。中世から伝わる、歴史あるジンジャーブレッドの美味しさの魅力、美味しい食べ方をご紹介します。

トルン名物「ジンジャーブレッド」の歴史

トルンのジンジャーブレッドの歴史は古く、13世紀にまで遡ります。日本では鎌倉時代ですね。なぜトルンの街でジンジャーブレッドが作られるようになったのか…。その理由は抜群のロケーションにありました。

当時トルンでは良質な小麦粉が沢山生産され、さらに近くには甘味料に欠かせない蜂蜜農園がいくつもあったのです。さらにヨーロッパの重要な交易地にアクセスしやすい場所だったこともあり、スパイスとなるジンジャー、ナツメグ、カルダモン、クローブ、シナモンなども簡単に手に入れることができました。

こうした背景もあり、13世紀からトルンではジンジャーブレッドが作られはじめ、16世紀にもなると大量生産が始まり、今やアメリカ、カナダ、ヨーロッパ諸国など各地に輸出されるまでになっています。

トルンの街で発見!ジンジャーブレッド販売店

トルンの街を歩くと、幾つものジンジャーブレッド販売店を見かけます。最も有名なメーカーは「Kopernik」ですが、他にもメーカー(販売店)があり、それぞれ独自の味とレシピを持っています。

ですから、トルンにお越しの際にはぜひ食べ比べをしてみてください。しっとり感が好きならこのお店、香辛料が強めの味がすきならこのお店と、色々な違いが見えてきますよ。

ざっと探しただけでも、ジンジャーブレッドのお店が3つありました!

お店の中を覗いてみると、沢山のジンジャーブレッドが待っています。どれも一口サイズになっているので、数ある商品の中から好きなものを注文し、街を探索しながら小腹がすいた時に食べられるのも魅力です。

イケイケのお兄さんが、可愛らしいジンジャーブレッドの袋を片手に持って食べている姿も良く見かけます。まさにトルンっ子だなぁといった感じです。

撮影場所:Pierniczek Sc. Lewandowscy W.j. ŻEGLARSKA 2

こうして計り売りしてくれる販売所もあり、「この中には何が入っているの?(中には自家製のジャム、ピーチ、イチゴ、プルーン、ローズヒップ、ラズベリーなどが入っています)」と聞きながらジンジャーブレッドを選ぶのも楽しいものです。

ジンジャーブレッドの美味しい食べ方

ジンジャーブッドはどれも一口サイズなので、街中を散策しながらパクパクと食べることができます。美しい街並みを、伝統的なお菓子とともに楽しむのは至福の時間ですよ。

お家でくつろぐ時には、紅茶と一緒にお楽しみください。チョコレートでコーティングされているジンジャーブレッドなので、中身は食べてのお楽しみ。「この中身は何かな?」と期待しながら食べるのも、またウキウキワクワクです。

外はパリッとした柔らかい口どけのチョコ。ふっくら、しっとりとした生地に、爽やかで酸味の効いた甘ーいジャム。後を引く香辛料の独特な香り。トルンのジンジャーブレッドは心も体も温まる一品です。トルンにご旅行の際には是非お試しください。