にんべんは12月から、俳優の速水もこみちが監修したスープ、ご飯セットを発売した。11月28日の記者発表会で明らかにした。3月から速水をアンバサダー(大使)に任命し、念願の共同開発につなげた。「日本橋だし場」「同はなれ」で直販する。スープは薬膳メニューを初めて商品化。セットはご飯に混ぜ込む、珍しい「だしバター」などを提供する。協業の認知度を高め、若年層の開拓を本格化する。

スープは月替わりで12月が「だし香る坦々スープ」、1月「同和薬膳スープ」、2月に「同豚バラのエスニック風スープ」(各250g、税込み360円)。薬膳は八角で気持ちが落ち着く香りを引き出し、エスニックはレモン果汁を入れ、五味を調和させた。

いずれも味わいのバランスをとり、独自素材といえる、本枯鰹節だしが感じられるよう工夫した。速水が調味と食材選びを担当し、3品とも旬や食感、色合い、健康感が同時に楽しめる。日本橋本店や羽田空港など全4店の「だし場」で発売。既存品と同価格に抑え、月販1500食以上の最高更新を目指す。

新セットの「だし香る鶏御膳」は、コレド室町2の飲食店「はなれ」で毎日午後5時から提供する。「だしバター」は有塩バターに鰹節粉を練り込み、主食の「だし炊き込み鶏ご飯」に混ぜてもらう。だしと油でうまみが増し、鶏肉の香ばしい香りが引き立つ。お吸いものをかけ、だし茶漬けとしても味わえる。

惣菜はカレー粉を利かせた「和風キャロットラペ」などをそろえ、デザートの「生麩のシロップ漬け」はふかふかした食感。鮮やかな色味、さまざまな食感で子どもも喜びそうだ(税込み2800円、日販目標20食)。

にんべんは、来年も速水とのアンバサダー契約を継続。今3月期は速水セレクトのギフト展開、「つゆの素」「白だしゴールド」レシピの提案などで売上げに貢献した。コラボメニューは店頭でPRし、開発も続ける。一般家庭用商品での協業も進め、速水支持層の20~40代へ鰹節、和食文化を伝える。

◇日本食糧新聞の2017年12月4日号の記事を転載しました。