日本児童図書出版協会によって制定されたのが「こどもの本の日」です。我ら親子、共に大好きなドイツの童話、「大どろぼうホッツェンプロッツ」シリーズについて、おいしくて楽しい思い出を持っています。
この本、どんなお話かと言うと・・・ハチャメチャなどろぼうとしっかりした子どもの対決のまわりに、おいしそうなお料理が次々現れるお話です!(食いしん坊による私見)

セガレ「かあちゃん、ザワークラウト作って!」

発端はセガレの一言でした。お話に出てくる食べ物に興味を持ったそうです。

テミタ「えー、ホッツェンプロッツの?作り方、知らないよ」
セガレ「じゃあ図書館で調べなよ」
テミタ「・・・」

「じゃあ図書館で調べなよ」。これは私、テミタ夏の常套句です。・・・一本!(審判)

ここから私たち親子は、めくるめくどろぼう料理の世界へ、突入して行きました。

私が親戚のお姉さんからもらった本。まさか息子も読むことになろうとは・・・

目指せ、どろぼう料理!

シリーズのラスト、3巻目にて、大どろぼうホッツェンプロッツはこれまで敵対してきた子どもたちに向って、こんなセリフを言います。

「本物のどろぼう料理を食べさせてやろう!」

どんなお料理かな!とワクワクしていると、フライパンで炒める動作と「玉ねぎがどっさり、ベーコンもどっさり、ニンニクも」と食材が描写されます。

どろぼうであるホッツェンプロッツは、実に大胆に料理をします。普通の大人が考えがちな栄養、節約、手間などという些末なことは全然考えていないみたい。我々かあちゃんにとっては、どれも大変、重要なんですけどね。

だって彼は大どろぼう。それもそのはず、超・非常識な人ですから!

したがって私たち親子も「今日はどろぼう料理だ!」と言う日には、めいっぱい常識をぶっ壊してお料理をしました。

自由に、楽しく、大胆に!

相談したわけではないのですが、セガレと私には、その時すでにどろぼう料理に対する共通意識ができ上がっていたのです。それはまさに「大どろぼうホッツェンプロッツ」の世界観そのものでした。

ジャガイモの唐揚げ

フライドポテトもどろぼう料理では、無造作に一口大。本の中では、少年が悪い魔法使いに、大量のジャガイモの皮をむかされていました。

セガレが皮むきに挑戦した時には、「あぁ、カスパール(少年の名前)の気持ちが分かるよ・・・」だって(笑)

レンジで予備加熱して、ぬるめの油からじっくり15分フライ。ホックホクです。

ザワークラウト

キャベツ丸ごと1個、保存瓶にギュウギュウ詰め!途中でローリエも入れましょう

ごく善良な、主人公のおばあさんの料理。大どろぼうがお鍋丸ごと平らげたエピソードがお話の中で語られます。

キャベツは鬼葉を除いて丸ごと1個、千切りにしたら重さをはかり、キャベツの2%プラス1グラムの塩をもみ混ぜ、ローリエなどハーブ少々と保存瓶にギュウギュウ詰め込みます。冷暗所で2週間放置、植物性乳酸菌のお仕事で「すっぱうま」になったら完成。

軽く炒めてソーセージの付け合わせにしたり、スープの隠し味にも。

ローストチキンとどろぼうピラフ

ぶつ切りのチキンと、本文さながらの食材を使ったピラフのセット。本当はガチョウを使いたいんだけど、ちょっと無理だから鶏もも肉を1人1枚!

ピラフもテキトウ&大胆に作るけど、甘くて優しい味になるんです。天下の大どろぼう、本当は楽しくて気のいいおじさんなんですよね。

ロートカッペにクナルピルツ・・・謎キノコスープ

本の中に登場する食用キノコと、毒キノコの名前なのですが、ドイツ語の辞書で一生懸命似た言葉を探してみました。

「・・・赤いキャップ?うなるキノコ・・・???笑」
結局よくわからなかったので、とにかくキノコ山盛りでスープを作りました。

セガレのキノコ嫌い、治らないかな・・・と望みを託すものの、玉砕したのは恐らく、迫力満点のマッシュルームのせいかも? 玉ねぎとニンニク、「うまく作ったルゥ」も味の決め手。私的には「キノコ、うま!」

ソーセージは9本!大どろぼうは1人で平らげます

もっともっと本と遊ぼう!

子どもたちへ、盛んに読書が推奨されています。でも大人がまず本を読む姿勢を見せることから子どもの読書習慣がはじまる、なんてことも言われているから大変です。

実は親子でなら、読書をもっともっと楽しむことができます。特に「食」絡みだと大人も子どもも同じ方向へ目を向け、一緒に興味を持つことができるのがおすすめポイント。

本で遊ぶ、と言う感覚がぴったりの今回の提案、外出がおっくうになる冬の間に、ぜひ楽しんでみてください!