こんにちは、ベジフルボディデザイナーmoccoです。「私の食卓」は、美と健康維持をモットーに自分らしく生きる美健女子の物語を小説風にお届けいたします。
第8話では、丸井家のご主人が飲み過ぎた翌日、カムカム完熟柿スムージーで元気回復! 冷凍した完熟柿って…多彩。ジャムやスペアリブ活用法をご紹介しました。

第8話はこちら
飲み過ぎた翌日の元気ドリンク「カムカム完熟柿スムージー」【小説・私の食卓:8】

【土曜日】古里から届いた「かんぼこ」で長崎名物おでん

―――“ピンポ~ン”―――

“丸井さ~ん、長崎からお届け物ですよ~”

「はぁ~い。ねぇ、友だちのペコちゃんから“かんぼこ”が届いたよ

「え~、もうそんな季節?」

「長崎の“かんぼこ”は新鮮な魚をたっぷり使っとるけん、ウマかもんね~!」

「ペコちゃんから“かんぼこ”が届くと丸井家のおでんシーズン到来だね」

「今夜は“長崎名物おでん”だ~!」

「【長崎おでん七箇条】にそって、まずは“あごだし”を仕込まなきゃ!アナタは牛スジと大根、こんにゃくを買ってきて」

「そうそう、前に会社でかまぼこを「かんぼこ」って言ったら『きょとん』とされたよ」

「“かんぼこ”って長崎の呼び名だからね」

「おでんと言えば、熱燗~。今夜もやるかな…おそ松さんのチビ太の屋台風」

「だ・か・ら、早く、お使いに行ってきて!!!」

【日曜日】翌日もうんまかぁ~ 味がしみ込んだ長崎おでんで乾杯!

「翌日のおでんは、味がよ~くしみ込んでたまらんね~」

「美味しいはずよ!土鍋の中は竜宮城だもん」

「はぁ~、ウチの乙姫様は面白いことを言うね~」

「エソにタチウオ、グチ、アジ、イワシにトビウオまで泳いでるよ」

「おでんのダシを丸ごとキャッチした大根やジャガイモの味が濃厚すぎるし~」

竜眼(ゆで卵をかんぼこで包んで丸く仕上げた品)の中のゆで卵まで味がしみ込んでコクが深いし~」

「ちくわや“げんこつ”やごぼう天もフワフワだし~」

「イワシのかんぼこは歯がキシキシすれるくらい弾力がいいし~」

「トロッ~トロ~の牛スジがウマ過ぎるし~」

「忘れてた~!!!長崎おでんと言えば“ゆず胡椒”」

「しまった…。早く出して。ついでに…熱燗、おねがいします」

「はあ~?! でもねぇ~、この美味しさじゃしょうがないよね~。あと一杯だけよ!」

第10話は、まだまだ続く長崎おでん。うま味たっぷりおでんダシの活用法をご紹介します。

長崎おでんは、秋バテ回復食にもってこい!

季節の変わり目は、自律神経のバランスを崩して体調不調を自覚する方が多いのではないでしょうか。

長崎おでんは、上品な“あごだし”と新鮮な地魚を豊富に使用しています。温かいうえ、“かんぼこ”をベースに、大根やこんにゃくなど、栄養豊富で胃に負担が少ない食材がそろいます。煮ては食い、食っては足すを繰り返しながら、うま味が加わっていきます。

五感を刺激してくれる長崎おでんは、乱れた自律神経も整えてくれます。季節のお供にお勧めの一品です。

*「もってこい」は、“ピッタリ”という意味ですが、長崎では長崎くんちで飛び交う“アンコール”のこと。どちらも海と山のうま味が共和する長崎おでんに“もってこい”の言葉ですね。

ベジフルボディデザイナーmoccoレシピのワンポイント

基本味:あごだし、昆布、薄口醬油、みりん(長崎おでんは甘口味付け)

・薄口醤油がない場合は、濃口醤油と塩で味を調えます。
・具を煮込みだすと食材から多くのうま味が出てくるので、初めは薄味から始めます。

長崎おでんのヒーロー〖牛スジの下準備〗

・牛スジを灰汁をすくいながら土鍋で煮込む(約30分~1時間)。
・ゆで汁が少なくなったら水を足す。
・柔らかくなったら火を止め、冷めたら一口大にカットする(串刺しは、お好みで)。

ひと手間かけた牛スジは、上品な長崎おでんのうま味をより引き立てます。

食材とともに煮込むほど、牛スジ“プルプル“コラーゲンがおでん汁のとろみを増します。

水洗いして(臭みが気になる場合は数回行う)血抜きをした後、灰汁が出なくなってゆで汁が透き通るまで中火で煮る。

うま味どろぼう〖大根〗

・1本丸ごと3㎝厚さにカットし、串が刺さるまで下茹でしておく(煮崩れが気になる場合は面取りをする)。
・鍋に適量入れ、食事が一段落するごとに足していく。


腸内お掃除こんにゃく

・軽く塩で表面を擦り洗い、お好みの大きさに切る。
・味が浸み込みやすいように、こんにゃくの表面に包丁で浅く切り目を入れる。

なぜ、ウマい?!長崎おでん

長崎おでんに使う“かんぼこ”。東シナ海や五島灘など、四方を海に囲まれた地の利を活かし、長崎漁港で水揚げされたたくさんの種類の魚を新鮮なうちに加工しています。イワシすり身の生産高も全国一です。

長崎は日本一かんぼこ屋が多い町です。1年間に使うかんぼこ代も全国一。見た目は“かまぼこ”ですが、一度食べたらやみつきになるのが長崎“かんぼこ”です。

長崎ではおせちに欠かせない竜眼、ちゃんぽん・皿うどんに入っているカラフルはんぺんなど、見た目や味のコラボはお店や家庭によってさまざま。それぞれの家の味があるのが長崎おでんなのです。

長崎名物「あごだし」は、水揚げ日本一の飛魚(トビウオ)を炭火であぶり、うま味を引き出したお出汁のことです。透き通った上品な味で高たんぱく低脂肪、アンチエイジング効果の高いビタミン類も多く含んでいます。

甘い味付けの長崎おでんは、柚子胡椒を付けて食べるとなお良し!

かんぼこ、柚子胡椒提供:長崎一番(長崎蒲鉾有限会社)