服部学園の服部幸應理事長は、日本食糧新聞社主催の食品経営者フォーラム10月定例会で「世界を魅了する日本の食、明日への期待」をテーマに講演し「食育基本法が制定されてから13年目を迎える。知育徳育体育が崩れてきているが、教育の基本は食育にある。幼児期から始める食育が重要である」と語った。

服部氏によれば、食育を英語で表現するならば、Eating(食べる)、Education(教育)であるという。昔は、祖父母と暮らすことで例えば基本的な食事作法である、肘をつかない、背筋を伸ばすなどは当たり前に教育されてきたが、核家族比率が80%にも上る現代社会では、さまざまな場面で食事がおろそかにされていると指摘。

例えば、人間が最初に口にする母乳を例にとり、母親が子どもに目と目を合わせて授乳することで脳下垂体からオキシトシンが分泌され、母子間の愛情構築に大きく影響を与えるという研究内容を紹介した上で、「今では粉ミルク、スマホ、核家族化など授乳を阻害する要因がたくさんあるが、母親は集中して授乳し、最低でも9ヵ月は母乳をあげてほしい」と述べた。

また、心身への悪影響を及ぼすとともに、食習慣や食文化の正しい継承を妨げる、(1)個食(2)孤食(3)固食(4)粉食(5)小食(6)濃食–の六つの“コ食”を上げ、食卓にも、もっと意識を向けてほしいと語った。

◇日本食糧新聞の2017年10月25日号の記事を転載しました。

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