宮崎県宮崎市在住のオタク系スイーツライター、和山エリーです。大学進学を機に宮崎市へ移住。人情あふれるあたたかいこの街に魅せられ、さらには宮崎の豊富な「食」の魅力の虜になりつつあります。宮崎の食文化を絡めながら、あらゆるお役立ち情報をご紹介していきたいと思います。
4月17日は「なすび記念日」。今回は宮崎の伝統野菜「佐土原ナス」とその超簡単な食べ方について取り上げます。

「なすび記念日」の由来は?

たべぷろでは以前にも「佐土原ナス」についてご紹介しています。

とろフワ食感がヤミツキになる!宮崎の伝統野菜「佐土原ナス」

美しいパープルのボディに滑らかなフォルムのナス。思わず、「その色がいいねと君が言ったから4月17日はなすび記念日」と無理やり歌でも詠みたくなってしまいますね。

この記念日の由来ですが、「冬春なす主産県協議会」が「よ(4)い(1)な(7)」で「よいなす(良いナス)」の語呂合わせにかけたのと、ナスが大好物であったとされる徳川家康の命日が4月17日であることなどにちなみ、この日に制定されたとのこと。とても覚えやすいですね。

宮崎を代表する伝統野菜と言えば「佐土原ナス」

宮崎県内のスーパーの野菜売り場をのぞいてみると、「佐土原ナス」が山積みになっています。

佐土原ナスは江戸時代に佐土原藩(現在の宮崎市佐土原町、西都市、新富町)で盛んに栽培されていたとされます。近年注目を集めている伝統野菜の一つと言えるでしょう。

今でこそ、これだけ豊富に販売されるようになった佐土原ナス。でも、「病気に弱く育てるのがとても難しい」「形や色が不ぞろいになりやすい」という理由から、栽培農家が激減した時期もありました。戦前の宮崎県で食卓に上がっていたナスのほとんどが佐土原ナスだったにもかかわらず、1980年ごろには市場から一度姿を消してしまったのだとか。そのため、一時は「幻のナス」と呼ばれていたそうです。

幸いにも2000年、宮崎県が保管していた佐土原ナスの種から、4粒だけを発芽させることに成功。そこから華麗なる復活を遂げて今に至る…ということになります。この2000年の出来事がなければ、佐土原ナスが食卓に並ぶことはなかったのかもしれませんね。

生でそのまま食べられるナス!?

佐土原ナスで注目したいのが、「生でも食べられる」という点です。通常のナスでも、アク抜きの処理(塩水に浸けるなど)をすれば生で食べるのは可能ですが、処理しないとやはり食べにくいようです。ところが、佐土原ナスには生ナス独特の苦みやえぐみが全くなく、むしろ甘さを感じるほどなのだそう。わたくし和山も実際に試してみました。

切り口も美しいですね。

ナスを生で…ということで少しだけ勇気がいりましたが、その心配は全く必要ありませんでした。味を例えるなら、甘さを抑えた梨のようなイメージ。歯ごたえは軟らかくフワっとしていました。

目隠しをして食べさせられたら、恐らくこれがナスとは思いません。何かのフルーツと感じるのではないでしょうか。それだけ甘味が印象的でした。

宮崎県内では、「佐土原ナスの刺身」として生の佐土原ナスを出しているお店などもあるそうです。生で食べても全く違和感のない、美味しいナスでございました。

調理時間わずか5分!超簡単“佐土原ナス”レシピ

佐土原ナスを使用したレシピでは、ナスのステーキや焼きナスなどが人気のようです。今回は、レンジを利用してたったの5分で完成してしまうレシピをご紹介したいと思います。

調理方法はとても簡単! 佐土原ナスを輪切りにして皮を剥き、お皿に並べてラップをします。そして、レンジ(500Wの場合)で4分半加熱し、仕上げにネギを乗せてお醤油をかけて完成!

醤油の代わりにポン酢をかけても、美味しくいただけます。私はネギと生姜の組み合わせが好きなので、生姜を一緒に乗せてみましたが、とても美味しかったです! 生姜がない場合は…しょうがないのでネギのみでお召し上がり下さい。

このように、そのままでも、調理をしても、とても美味しく食べられる佐土原ナス。宮崎県内ではスーパーなどで購入できます。通信販売での取り扱いもあるようなので、県外の方はそちらを利用されると良いでしょう。

一度は市場から姿を消してしまった佐土原ナスですが、たくさんの方々の努力のおかげで見事に復活。私達が気軽に購入出来るようになりました。その恩恵に感謝をしつつ、美味しくいただきたいですね。