良質なタンパク質を含み、家計にもやさしいお豆腐は、いろんな料理に使える万能食材。そんな豆腐が主役の麻婆豆腐は、ひき肉や野菜と合わせれば、年齢問わず愛される栄養満点のメイン料理になりますね! ただ手作りとなると作り方が分からない・・・、市販の「麻婆豆腐の素」でしか料理したことがない、といった方もいるのではないでしょうか?
本格的な味にするならば豆板醤や甜麺醤など必要になりますが、子どもたちの大好きな麻婆豆腐は、家庭に常備されている調味料だけでもおいしく出来上がりますよ!

子供たちが普段から食べなれている調味料でOK

今回訪れた保育園は、東京・品川区にある「とうかいどう保育園」。0~5歳児クラスまで約100人の子供たちの食事をたった3人の女性でまかなっていました。そのうちのひとり、栄養士の西野先生に料理のポイントを伺いました。

この日の献立は「ごはん」「麻婆豆腐」「三色ナムル」「わかめとえのきの中華スープ」

「麻婆豆腐」の豆腐はくずれにくい木綿タイプを使用。そこに豚ひき肉と人参、玉ネギ、ニラも加わり、とても彩り豊かに仕上がっていました! 子供の「食べたい!」を促す、こうした色彩は大切なポイントでしたね。我が家の“白と茶色”の麻婆豆腐を子供が好まない理由は、もしかしたらココにあるのかな?なんて思っていました。

ニンジンやニラも入っているので華やかです!

そして肝心の味付けは、決して凝った調味料を使っているわけではありません。中華だしに、みそ・砂糖・醤油が主役!

子供たちが普段から食べなれている調味料だからこそ、抵抗なく口にしてくれるし、どのご家庭でも作れてしまうというわけです♪ 保育園ならではの優しい味付けなので、1歳児からも食べられます。また、香りのアクセントにごま油も効いているので食欲が掻き立てられる~!

副菜の「三色ナムル」はもやし・人参・ほうれん草を使用。さっと熱を通すことでちょうどよい食感になり、さらに食中毒予防にも繋がります。たっぷりのゴマも味と食感のアクセントに!

大量のゴマにびっくり! 香ばしくなっておいしそう~

スープはわかめとえのきを使った中華仕立ての「わかめとえのきの中華スープ」でしたが、具材をコーンや玉ネギに変えても甘みがでておいしいですよ!と教えていただきました。

優しい味わいとごま油の香りがポイント! 園児に人気の「麻婆豆腐」

<材料(大人2人、子供2人分)>※材料は目安量です
豚ひき肉 150g
木綿豆腐 175g(約1/2丁)
人参    75g(約1/3本)
玉ネギ   75g(約1/3個)
ニラ    15g(約1/6把)
A・・・・・・・・・・・
砂糖    10g(約大1)
醤油    10g(約大1/2)
中華だし  2.5g(約小1)
酒     2.5g(約小1/2)
ショウガ  1.5g
ニンニク  1.5g
・・・・・・・・・・・・
みそ       4g(約小1/2強)
ごま油 : 適量
片栗粉 : 水溶き片栗粉

<作り方>

  1. 人参、玉ネギは粗みじん切り、ニラは食べやすい長さに切る。豆腐は角切りして水気を切る
  2. フライパンにサラダ油をひき、ひき肉・人参・玉ネギを炒める
  3. Aの調味料を加えてひと煮立ちさせる
  4. みそ、豆腐、ニラを加え少し煮る
  5. 水溶き片栗粉でとろみをつけて、最後にごま油を回し入れる

たっぷりのゴマで香りと食感もアクセント「三色ナムル」

<材料(大人2人、子供2人分)>※材料は目安量です
ほうれん草 85g(約1/2把)
もやし   140g(約2/3袋)
人参    60g(約1/3本)
A・・・・・・・・・・・
醤油     5g(約小1弱)
砂糖    2.5g(約小1弱)
ごま油   2.5g(約小1/2)
・・・・・・・・・・・・・・
白ゴマ    適量

<作り方>

  1. 人参は千切り、ほうれん草はざく切り、もやしは食べやすい長さに切る
  2. 鍋に湯を沸かし野菜を下ゆでし、ざるにあげて水気を切る
  3. Aと白ゴマを加えて味を整える

野菜を使ったメニューは、やっぱり同園の子どもたちもちょっぴり苦手(笑)。けど、「ごま和え」のように、しっかりとした味のついた野菜メニューなら比較的好んで食べてくれるそう。今回の三食ナムルにもたっぷりのゴマが使われていたので、“好き”を引き出すきっかけになってくれそうですね。

午後のおやつは「バナナケーキ」!

基本の粉は、ホットケーキミックスを使ってもよし、小麦粉+BP(ベーキングパウダー)でもよし。幼児期のおやつは大事な「食事」です。ぜひ作ってみてくださいね♪

<材料(5カップ分)>※材料は目安量です
小麦粉 100g
BP  2.5g
卵    25g
豆乳   25g
砂糖   5g
バナナ 125g

<作り方>

  1. バナナは粗めのペースト状にする
  2. 小麦粉・BPをふるい合わせる
  3. ボウルに卵を割りほぐし砂糖を加えて白くもったりするまで混ぜる
  4. ふるった粉類、豆乳を入れてさっくり混ぜる
  5. バナナを加えて均一に混ざったら生地を銀カップに入れる
  6. 170度のオーブンで15分焼く

※ホットプレートやフライパンでパンケーキにするのもオススメ♪

ひと手間で食べやすくなる! 家庭でもできるコツとは

同園では鶏肉を使ったレパートリーも多く、その中でも特に子供たちが食べやすいように工夫しているのが「照り焼き」だそう。焼いただけではパサっとしがちの照り焼きをジューシーに仕上げるコツは、漬けだれに油と片栗粉も混ぜてしまうことだとか。こうすることでやわらかく食べやすい状態に仕上がるそう。

さらに青魚も『西京焼き風』に仕立てることで、特有の臭みも軽減されておいしく食べてもらえると教えていただきましたよ♪ 魚60gに対して(幼児1食分)みそ4g、みりん・砂糖・酒 各1gの割合です。

自分たちが食べている栄養はナニ? 目に見える工夫で興味を持たせる

こちらは食品を、栄養の働き別に3つのグループに分けた食品群の図です。今日の献立を食材別に分けて、自分たちがどんな栄養を摂取できているのかを「見える化」して食に興味をもってもらうきっかけになっています。

はぐんぐん大きくなる食べ物、は元気なカラダになる食べ物、はもりもり力がでる食べ物。
お手製の絵がとても可愛らしくて、これなら子供も喜んで学んでくれそうですね!

 

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日々の献立を考えたり、せっかく作った料理を食べてくれないのは、ママたちが抱える悩みのひとつ。しかし食のプロが使う“ちょっとしたコツ”を知れば、そんなストレスも改善されるかも!
本コーナーでは、子供たちの大好きなメニューを知るプロの皆さんに、家庭でもできるコツを伺います。